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困った困った
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「兄のフィーアさんへの態度は褒められたものではない。これは確実よね、私は基準がマルセルだから、ありえないとすら思うけれど、ビビアナから見るとどうかしら?」
フィーアさんの他の男性への態度は問題ですが、元々兄が婚約者に対して思いやりのない態度だったのも問題と言えば問題だと思いますが、第三者から見るとどう感じるのか私には判断出来ません。
「そうねえ、手紙も何も下さらないのは寂しく感じるでしょうね。でも、ドレスは贈ってくださっていたのなら、最低限はされていたと言えるのではないかしら」
「最低限ね」
私のところに商人を行かせるとか、マルセルにされたら何があったのかと驚くでしょう。
マルセルなら、商人を連れて一緒に来てくれるはずですから。
「ドレスは好みがありますから、勝手に作って好みでは無いものを贈られるよりいいのかもしれませんが、自ら選んだ贈り物が皆無では、自分に関心がないのかと感じてしまうかもしれせんね」
「そうよね」
やはりそうすると、兄の行いが悪くてフィーアさんの気持ちが離れてしまったと考えるべきでしょうか?
「アニカのお兄様は兎も角、アニカはフィーアさんをどう思っているのかしら?」
「私は、兄に相談された時は兄が悪いと思っていたわ。でも今日お昼にフィーアさんがマルセルを、私の目の前で気を引こうとしているのを見て気分が悪かったし、許せない発言もあったから、正直な気持ちを言うならこのまま兄と結婚しても私は親しく付き合いたくないわね、今日の発言を反省して撤回してくれるなら考えるけれど」
発言は気に障るし、噂になる程色々な男性と出歩いている人が義姉になるのは抵抗があるわ。
「そうしたらそれはアニカがご両親に話をするべきね。婚約を維持するかどうかは最終的には親が決めることですもの」
「そうね。後は両親の判断ね」
そもそも兄とフィーアさんの問題なのですから、私が彼女に思うところがあったとしても、兄と両親がこのままでいいと言えば私は文句は言えません。
まあ、フィーアさんが兄との婚約を継続したいと考えているのかどうかも怪しい気がするのですが……。
「それにしてもフィーアさんのお兄様達の評判は良いというのに、何故彼女だけ問題があるのかしら。不思議ね。ご両親の教育が悪いとは思えないのだけれど」
ビビアナが不思議そうに首を傾げます。
「彼女はお兄様達にかなり溺愛されていたみたいだけれど、ビビアナはフィーアさんのお兄様達と面識はある?」
折角ビビアナが用意してくれた香り高い紅茶も、こんな話題では香りを楽しむどころではないなと感じながら尋ねました。
当事者の兄が頼りにならないのですから、ビビアナには申し訳ありませんが彼女に頼るしかありません。
「従兄弟はあるみたいね。どうして?」
「紳士倶楽部ばかり出掛けている家の兄と違って、フィーアさんのお兄様なら出掛ける夜会も彼女と似たようなものではないかと思うのよ、それなら彼女の噂を知っていておかしくないでしょ? どうして放置しているのかしらと思ってね」
未婚の女性には致命的な噂だというのに、知っていて問題ないと放置しているなら、あのお家の感覚が世間一般とずれていることになります。
「そうね。従兄弟に連絡を取ってそれとなく確認して貰う様にしてみるわ。少し時間を頂くかもしれないけど、いいかしら」
「勿論よ、家のことでビビアナの手を煩わせるのは申し訳ないけれど、お願いしてもいいかしら」
「ええ、親友のアニカの為ですものいくらでも協力するわ」
「ありがとう!」
頼れる友ビビアナに私は心から感謝するのでした。
フィーアさんの他の男性への態度は問題ですが、元々兄が婚約者に対して思いやりのない態度だったのも問題と言えば問題だと思いますが、第三者から見るとどう感じるのか私には判断出来ません。
「そうねえ、手紙も何も下さらないのは寂しく感じるでしょうね。でも、ドレスは贈ってくださっていたのなら、最低限はされていたと言えるのではないかしら」
「最低限ね」
私のところに商人を行かせるとか、マルセルにされたら何があったのかと驚くでしょう。
マルセルなら、商人を連れて一緒に来てくれるはずですから。
「ドレスは好みがありますから、勝手に作って好みでは無いものを贈られるよりいいのかもしれませんが、自ら選んだ贈り物が皆無では、自分に関心がないのかと感じてしまうかもしれせんね」
「そうよね」
やはりそうすると、兄の行いが悪くてフィーアさんの気持ちが離れてしまったと考えるべきでしょうか?
「アニカのお兄様は兎も角、アニカはフィーアさんをどう思っているのかしら?」
「私は、兄に相談された時は兄が悪いと思っていたわ。でも今日お昼にフィーアさんがマルセルを、私の目の前で気を引こうとしているのを見て気分が悪かったし、許せない発言もあったから、正直な気持ちを言うならこのまま兄と結婚しても私は親しく付き合いたくないわね、今日の発言を反省して撤回してくれるなら考えるけれど」
発言は気に障るし、噂になる程色々な男性と出歩いている人が義姉になるのは抵抗があるわ。
「そうしたらそれはアニカがご両親に話をするべきね。婚約を維持するかどうかは最終的には親が決めることですもの」
「そうね。後は両親の判断ね」
そもそも兄とフィーアさんの問題なのですから、私が彼女に思うところがあったとしても、兄と両親がこのままでいいと言えば私は文句は言えません。
まあ、フィーアさんが兄との婚約を継続したいと考えているのかどうかも怪しい気がするのですが……。
「それにしてもフィーアさんのお兄様達の評判は良いというのに、何故彼女だけ問題があるのかしら。不思議ね。ご両親の教育が悪いとは思えないのだけれど」
ビビアナが不思議そうに首を傾げます。
「彼女はお兄様達にかなり溺愛されていたみたいだけれど、ビビアナはフィーアさんのお兄様達と面識はある?」
折角ビビアナが用意してくれた香り高い紅茶も、こんな話題では香りを楽しむどころではないなと感じながら尋ねました。
当事者の兄が頼りにならないのですから、ビビアナには申し訳ありませんが彼女に頼るしかありません。
「従兄弟はあるみたいね。どうして?」
「紳士倶楽部ばかり出掛けている家の兄と違って、フィーアさんのお兄様なら出掛ける夜会も彼女と似たようなものではないかと思うのよ、それなら彼女の噂を知っていておかしくないでしょ? どうして放置しているのかしらと思ってね」
未婚の女性には致命的な噂だというのに、知っていて問題ないと放置しているなら、あのお家の感覚が世間一般とずれていることになります。
「そうね。従兄弟に連絡を取ってそれとなく確認して貰う様にしてみるわ。少し時間を頂くかもしれないけど、いいかしら」
「勿論よ、家のことでビビアナの手を煩わせるのは申し訳ないけれど、お願いしてもいいかしら」
「ええ、親友のアニカの為ですものいくらでも協力するわ」
「ありがとう!」
頼れる友ビビアナに私は心から感謝するのでした。
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