異世界捜索

宮沢ンゴ

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第22話 繋がれた道

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 焚火の炎は、空気の流れに抗い揺れる。
 その上では捌かれた狼の肉が、焼き色を付けてかぐわしい匂いを漂わせていた。
 狼たちは青い体毛を纏っていたが、その中身まで食欲を害するような色をしているわけではない。
 皮を剥いでしまえば、平凡な肉だ。

「そいつは一匹も殺してねえだろ。肉を分けてやる必要なんてあるのかよ?」

 仏頂面で悪態を吐いたジャックは、先に焼けた狼肉を奪い取って頬張っている。
 彼は口だけの男ではなく、実際に狼の群れの半分を一人で狩ってしまった。

 良く鍛えられた筋肉が大胆に躍動する姿はジェシカの剣を彷彿とさせたが、ジャックは彼女とは違い常に魔獣と一定の距離を保つ。
 危険と隣り合わせであってもお構い無しのジェシカよりも常識的な立ち回りは、安心して見ていられた。
 その甲斐もあってか体には傷一つ無く、返り血ですら足先にしか浴びていない。
 少しのデジャヴに動揺し息を荒げた俺とは違い、落ち着いたまま狩を終えていた。

「何馬鹿な事言ってんの。あんたが何もするななんて言ったからでしょ!」

「どうだかねえ…腰が抜けてただけじゃねえのか?」

 エイラが腰に手を当てて怒鳴ったが、ジャックはそれを気に留める様子も無い。
 そうやって子供の喧嘩のような会話が繰り広げられている中、煙草を吸いながら真剣な顔付きで弓の手入れをしていたダンが、灰を落とすついでに指示を出した。

「ジャックさん。一人で先の様子を偵察してきてください。ついでに頭を冷やしてくるように」

「…チッ、戻るまでには食い終わっとけよ」

 そう言い残したジャックは、先程までエイラに叱られていた時とは打って変わって素直になり、骨のついた肉を咥えたまま立ち上がった。
 
 ダンの声色に特段変化は無い。
 それでも、提案ではなく命令なのだと相手に分からせる嫌な凄みがある。
 あれだけ気の強いジャックの態度の変化に、このパーティーの力関係が窺える。

「ユータさんももう少し元気を出してください。美味しいですよ?ブルーウルフのもも肉」

 すぐさま崩れた雰囲気を取り戻しだらしない笑みを浮かべたダンは、焼けた肉を俺に差し出した。
 いつから食事をしていなかったか簡単には思い出せない程だった俺は、唾液が口元から溢れ出しそうになるのを必死に隠す。

 失礼な態度を何回取っても未だに俺とのコミュニケーションを諦めないあたり、心の壁などダン相手には無意味。
 年長者らしく、相当なお節介焼きだ。

「彼の剣は凄かったでしょう。境界町を拠点にしている優秀な戦士の中でも、一二を争う手練れです」

「…確かに強かった。いい戦士だと思う」

「そうでしょ!?ジャックは六年前位に剛剣に憧れてから、ずっとそれを真似て剣を振っていたの!その前から剣の事はお父さんに教わっていたみたいだし、生まれながらにして剣士だったって感じね!」

 俺が肉を食い千切りながら返事をすると、会話が成立した事とジャックを褒められた事、二つ同時に喜んだエイラの声のトーンがぐんと上がり、早口になる。
 距離感の近さに小恥ずかしくなってダンに助け舟を求めても、煙草を咥えた口元が上がっていてむず痒くなるだけ。
 仕方なく、キョロキョロと視線を漂わせながら会話に付き合う。

「な、成程。憧れの剣を見様見真似で扱えるなんて器用なんだな」

「剛剣が今どうしてるかは分からないけれど、もうジャックの方が体は大きいし、強いかもしれない。あいつに足りないのは、有名な魔獣を倒した名誉くらいよ!」

 ジャックについて語るエイラは自慢気で、とても幸せそうだ。
 彼の事をどれだけ想っているのかが伝わってくるお陰で、温かい世界に引き込まれてしまう。

「…そうか。じゃあ、大物狩りが楽しみだな」

 俺がそう言うと、ダンは煙を吐き出しながらやれやれと首を横に振った。

「私はそんなの御免ですよ。身の丈に合った魔獣を狩って、煙草が吸えればそれでいい」



 ◇



 腹ごしらえを終えた一行は、洞窟を十数分歩き坂を上がると、大きく開けた空間に出た。
 身を丸める程窮屈というわけではなかったが、解放感がある方が気楽で良い。

「消息不明になった奴らは…見当たらないか。やっぱり蛆に食われて死んじゃったのかなあ」

 エイラが同じ依頼を受け帰ってこなかった同業の行方を気にして辺りを探すも、それらしい影は無い。
 一緒になって見渡すと、この場だけは何故か天井が開いており、そこから差し込んだ夕照せきしょうが水溜まりを赤く染めている。

 空洞が違和感を生んでいるのは頭上だけではない。 奥の壁に掘られた人二人分程の直径の丸い穴が、侵入者を待ち構えて此方を覗いていた。

「あれがグランワームの巣…」
 
 巨大な蛆の討伐依頼だと事前に聞いてはいたものの巣穴のサイズは予想以上。
 現物を想像して呟いた俺の肌は立ち上がってしまっている。

「もう少し近付けば這って出てくるでしょう。…さて、警戒しながら接近してみますか」

 ダンが注意を促すと、戦士たちが無言で武器を構える。
 普段からの仲の良さが、息の合った動きから見て取れた。

 一方、何もするなと言われてしまった俺は、フロアの出口に突っ立っていることにした。
 暇ではあるが、金さえ貰えれば文句など無い。

「行くぞ」

 ジャックの言葉を合図に、三人はジリジリと巣穴までの距離を詰める。
 丁寧に同じ歩幅で進むため隊形は全く崩れず、足音さえも綺麗に重なって一つになっていた。

 そのままフロアの三分の一程を進むまで声のやりとりは一切無く、離れていた俺までもが緊張してしまった。
 立ち止まったダンが不思議そうに顎に手を添えた時、一番ほっとしたのは俺だったかも知れない。

「…おかしいですね。此処まで進めば獲物の匂いに気付いて顔を出すはずなんですが」

「寝てる…なんて間抜けな話は無いか」

 ダンの疑問に付き合ったジャックが、緊張の糸を少し緩めて首を掻く。
 好奇心を頼りに空間の中心まで小走りで進んだエイラは、片足を上げながらちょっとした悲鳴を上げた。

「きゃあ!…ねえ、ダン!この辺りだけ地面がネチョネチョしてるんだけど!」

「…グランワームの粘液ですね。粘度の高さを見るにかなり興奮していたようだ。白いのは溶け残った人骨…?フロアの中心にだけっていうのも不自然です」

 ダンは指に掬った粘液を帽子の下の闇からじっと見つめながら、ぶつぶつと独り言を呟いている。
 
 この男、普段は飄々としているが、魔獣に関する知識が豊富で頼り甲斐がある。
 散り散りになったジャックとエイラが退屈そうに彼の判断を待っているあたり、ダンの指揮は全面的に信頼されていた。
 
 脳味噌もチームワークも優秀な彼らならば、知識の浅い俺が手を出す必要など本当に無い。
 楽な仕事が引けてラッキーだ。

 俺も気を緩めて水溜まりを眺めていると、天井の穴から差し込んでいた光がほんの一瞬だけチラついたような気がした。
 
 不思議に思い、空を見上げる。
 そこに旋回して戻ってきたのは、日光の大半を遮ってしまう程の巨大な影。
 覆い被さろうとするそれとの距離が近付けば近付く程、恐怖の輪郭が鮮明になっていく。

「上だ!」

 単純明快な俺の言葉に反応した全員が顔を上げたが、もう遅い。
 
 影の主はゆっくりと舞い降りていたため逃げ出す余裕はあったはずだが、強さという概念を象徴するような姿に圧倒されてしまい、その場に居る誰もが見入ったまま棒立ち。
 蛆の巣穴よりも大きな翼が羽ばたく毎に生み出される風圧には、距離のある俺でさえ体が押し負けそうになった。

「翼竜…!蛆を食い殺して住処を乗っ取ったのか…!」

 蛆の巣穴が空だった理由に辿り着いたダンが、帽子を押さえながら喫驚する。
 俺たちの標的は、食物連鎖の頂点に近い存在の気まぐれによって、既に消化された後だったというわけだ。

 赤い鱗に身を包んだ翼竜は鋭い爪を食い込ませながら四足で地面を踏むと、凶悪な長い牙を誇示するように大きく顎を開いた。

「ギャアアア!」

 咆哮は脳ごと鼓膜を揺らし、精神を威圧する。
 脳神経に突如襲いかかったストレスのせいで、体が真面に動いてくれない。
 指など六本に増えたように錯覚してしまい、最早何れが何れだか分からない。
 動揺は混乱へと変化し、冷静さを奪い去っていく。
 
 それでも、翼竜から獲物、または巣を侵犯した敵として認識されていることだけは、全員が自覚していた。

「私が気を引きます!フロアの外周を沿って走って下さい!」

 唯一正気を保っていたダンが、弓を引きながら簡潔に指示を出す。
 その声にハッとしたエイラは、言われた通りに円形の壁に沿って走り出した。

 しかし、ジャックの方は中々動こうとしない。
 それどころか、背負っている大剣のグリップに手を掛けてしまっている。

「何やってるのジャック!早く逃げるわよ!」

 様子に気付いて足にブレーキをかけたエイラが激しく呼びかけたが、返事は返ってこない。
 俺が耳を澄ますと、翼竜の唸りや翼をはためかせる音の奥に、ジャックの独り言が聞こえた。

「…剛剣なら逃げない。剛剣なら…!」

 そう呟いて強く歯を噛み合わせたジャックは、意を決したように大剣をぎゅっと握り締める。
 そしてとうとう、何倍あるかも分からないサイズの翼竜に向かって突進し始めた。
 
「うおおおお!」

 幸か不幸か、ジャックは翼竜の視界の死角にいたらしく、声に任せて駆け出したのにも拘らず見向きもされない。
 そのまま間合いに入った彼は、狼との戦いとは一転、型に嵌った丁寧な動きで鉄の塊を振り下ろした。
 
 大剣の刃が竜の腕と一体化した翼膜を切り裂けば、吹き出したのは真っ赤で重たい血液。
 スプリンクラーの様に撒き散らされた赤色によって、ジャックの体が大いに染まっていた。

「ギャオオオ!」

 大振りの一撃を浴びせられた痛みに、翼竜が甲高く叫ぶ。
 その様子に手応えを感じたジャックはへらりと笑みを浮かべたが、その表情のまま振り回された尾に轢かれ、壁まで吹き飛ばされてしまった。

「ジャック!」

「行くなエイラ!」

 ダンの引き留めも虚しく、悲痛な声を上げたエイラはジャックの吹き飛ばされた方へと駆け寄ってしまう。

 こうなったら終わりだ。
 脳味噌が機能していても、その命令が手足に伝達されなければ意味がない。
 理性を失ったパーティーは、最悪の状況に陥ってしまっていた。

「クソ…クソおおお!」

 考えることを放棄したダンは狂ったように矢を放ち続けるが、硬い鱗の鎧に弾かれてしまい、注意を引くことすらままならない。
 そして遂に、ジャックとエイラを睨んだ翼竜の歯の隙間から、ゆったりと炎が漏れ出し始めた。

「終わった…」

 翼竜が咥えた炎の光が、絶望して膝から崩れ落ちたダンの背中越しに膨らんでいく。
 俺にこの生物の知識が無くとも、今から何が起ころうとしているのかは簡単に予想できた。

 空間を舞い散る火の粉に煽られる。
 押し寄せる熱波が俺の中にある実体のない何かを揺さ振ってくるせいで、余計な事を考えてしまう。

 俺は人の命を奪う覚悟の無い半端者。
 敵の命を奪うことのできない俺に、仲間の命を守りながら生き残ることなど不可能だと判断し、断腸の思いで友との繋がりを切り捨てた。
 賢者を追うという目的は、それ程までに危険なものだったのだから、仕方がない。

 そして今、目の前で命が失われようとしている。
 金を稼ぐためだけに、依頼を受けるためだけに仕方なく組んだ、どうでもいい奴らの命だ。

 こんな所で命を懸けてしまっては、何のために孤独を受け入れたのか分からなくなってしまう。
 自らの命だけに集中するために、今俺はこうして一人なのだから。

「…それでも」

 重なってしまったのだ。
 自らの命を危険に晒してでもジャックに駆け寄ったエイラの姿に、俺の背中を支えてくれたの幻影が。

「きっとあいつが友達と呼んでくれた俺は、今此処で踏み出せる俺だ…!」

 太陽を掲げた翼竜の前に躍り出た俺は、失っていた熱を少しだけ取り戻していた。

 心から湧き上がる炎が形作ったのは、青い大盾。
 命を守るための兵器は、轟音を響かせながら遂に発射された竜の炎と衝突する。
 赤と青は混じり合いながら爆風を巻き散らし、ざらざらとした音を立てると、やがて一つになって消滅した。

「翼竜の炎を打ち消しただと…!?」

 死を覚悟して静かになっていたジャックの口から驚嘆の声が漏れる。
 その声が俺に届く頃には、地面を滑るように走った青い炎が翼竜に到達し、炸裂した。

「ギャウウウ…」

 翼竜は衝撃に少しだけ仰け反ったが、赤い鱗が熱を遮ってしまい、消耗した様子は見受けられない。
 炎を扱うだけあって、熱には強い耐性を持っているようだ。
 俺の武器はこの青い炎一つであり、やれることがない。

「分が悪いな」

「ユータさん、傷口です!ジャックが作った傷口を狙ってください!」

 俺の弱気な発言に静寂が訪れかけたが、希望を取り戻したダンがそれを許さない。

 指示に反応した俺は、すぐに先程と同じようなルートで青い炎を迸らせた。
 それが竜の足元に到達したのと同時に、目を閉じて強固にイメージ。

 九十度だ。

「ギャアアア!」

 地を這った青い炎は直角に跳ね上がり、翼膜に開いた傷口に突き刺さる。
 そのまま貫かれた傷は青く染まり、燃え広がった炎が翼膜を焼いた。
 今までで一番五月蝿い翼竜の叫びが、更に手応えを確かなものにした。

「効いている…!」

 拳を握ったダンの呟きに確信を得た俺は、同じ傷を狙って複数の炎を放つ。

 百度、百十二度、百二十四度。

 三つの炎を精細に操るため、早めに視界を閉じてイメージを固めた。
 集中力の全てが注ぎ込まれた炎は、狙い通りの座標を通過する。

 しかし、いつまで経っても翼竜の断末魔がやってこない。

「ユータ、避けて!」

 エイラの悲鳴に視界を取り戻した時にはもう手遅れ。
 数秒前、遠くにあったはずの翼竜の顔が、目と鼻の先まで迫っていたのだ。
 
 最強の種の最強の筋肉が生み出した神速は、俺の想定など簡単に超越し、鼻っ面と現実を一緒に突き付けてくる。
 無理に止めを狙った強欲さを後悔しながら、俺は死の恐怖に歯を食い縛った。

「殺《や》らせるかあああ!」

 全てを覚悟した俺のマントを翼竜の鼻先が掠める。
 体を真横に吹き飛ばされた俺は地面に腕が擦れた痛みに顔を顰めたが、軽度の痛みは死んでいないという証拠。

 急いで上体を起こすと、側で膝を突いたジャックが翼竜の背中を睨みつけていた。
 
「借りを返す前に死なれてたまるかよ」

 ジャックは気怠そうにそう言うと、口の中に溜まった血液を吐き捨てる。
 
 一瞬状況を理解できずにいたが、向こうの方で翼竜が壁に突き刺さった首を引き抜いているのを見て、飛び込んできたジャックに命を助けられたのだとようやく分かった。

「ジャックさん、立って下さい!エイラの背後で準備を!」

 傷だらけのジャックはダンの指示に従いゆっくりと体を起こし、エイラが運んできた大剣を太い腕で握る。
 その後エイラが自らの盾を構えれば準備万端。
 最後の進軍が始まった。

「いいですか、心臓です!翼竜の心臓までの道を作ります!」

 ダンのよく通る声が周囲の固い壁に反響する。
 それは詳しい指示ではなかったが、エイラとジャックの頭の中で具体的な作戦として解釈され、聞き返すことなく共有された。

 やっと体勢を整えた翼竜は、歩を進める俺たちに向かって再び炎を吐き出そうとしていたが、ダンの放った矢が強烈に眼球を捉えたことで、口内に形成されかけていた炎の玉が消滅する。

「まだ箱に何本か残ってるんだ。死ぬわけにはいかないでしょう」

 煙草を咥えたままそう呟いたダンの弓の精度は先程までより確実に上昇している。
 パーティー全員が生を渇望していることが肌で感じられる。

「ギャオオオ!」

 長期戦のストレスに自棄になった翼竜は後退しながら太い腕を振り回し始めた。
 尖った爪がエイラの盾を激しく叩いたが、彼女は怯まずに何とか受け流し、距離を詰め続ける。
 鉄の盾は使い物にならない程に歪んでいたが、ジャックの体は更に限界が近く、エイラが防御に失敗すれば作戦はそれで終わりだ。

「私だって…みんなの役に!」

 気を吐いたエイラは振り下ろされた爪の攻撃を、盾が変形したことによって生まれた曲線を活かして華麗に躱して見せた。
 五度の攻撃を躱され腹を立てた翼竜が腕を大きく振りかぶった刹那、ふらりと上体を落としたジャックが走り出す。
 
 怪我人の速度ではない。
 きっと、戦いを生業としている男のプライドが、ジャックの筋肉を支えていた。

「認めるしかねえ。今の俺じゃあ、まだ届かない領域だ」

 翼竜の懐で悔しさを零したジャックが、自らの血に塗れた両腕で大剣を肩から振り下ろすと、鉄同士のぶつかるような硬い音と共に小さな火花が散り、強固な鱗の鎧に薄っすらと割れ目が出来上がる。

 限界を迎えたジャックはその場で力尽きそうになったが、勢い良くスライディングしたエイラが彼の体を抱きかかえ、そのまま竜の股下を潜り抜けていった。

「次こそは…俺の手で…!」

 涙を堪え切れなかったジャックの呟きが、翼竜の心臓へ駆ける俺の耳に届いた。
 
 この男は、野心の塊だ。
 腑抜けた俺に苛々としていたのも当たり前。
 ストイックに高みを目指す人間にとって、甘えた心は狡く見えるものだ。

 もう友達なんて要らない。
 ただ、こういう奴は嫌いじゃない。

「ぶっ飛ばす」

 羽化した蝶の様に青い羽を靡かせた俺の右腕は、小さな風穴から深みへ。
 胸部に薄く開いていた鱗の隙間は一瞬の爆発で巨大な空洞となり、心臓を失った翼竜の体は重力に逆らわず地に伏せた。
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