130 / 358
5章 邪なる者達
125 繋がり
しおりを挟む
どうしてライノさんが侯爵派と魔族の繋がりを知っているのだろうか、真剣な様子を見るに当てずっぽうを言っている訳でもなさそうだ。
「実は今朝七星核を持って店を出る前にあっしの店にブーチって若造が怒鳴り込んできたんでやす、何故七星核を侯爵派に売らなかったのか大層な剣幕でやした」
「エナハイ家のバカ息子だね、あの家の連中は平民は無条件で貴族の言う事を聞くべきだって勘違いしている、全く嫌なヤツらだよ」
「奥様やペーギの旦那は良くご存知だと思いやすがあっしの店の入り口には来店した客が邪悪な人間かどうかを判定する仕掛けがありやす、あの若造が来店した瞬間…その仕掛けがぶっ壊れやした、こんな事は初めてです」
「あの仕掛けは私が考えアンタが作った物だ、良く知ってるよ、ちょっとやそっとの悪意を感じたくらいで壊れる様なヤワな術式を組んだつもりは無いんだけどね、偶然じゃないのかい?」
ライノさんの店にそんな仕掛けが有るなんて知らなかった、七星核の様な高級品も扱っているから防犯上当然かもしれないな。
「それだけじゃありやせん、あの若造は帰る前に吐き捨てる様に言っんです『人間風情が調子に乗りやがって』って、それであっしはピンと来やした、この若造はこの前見たユイトさん達の芝居に出てきた魔族に違いないと」
「平民じゃ無く確かに人間って言ったんですか?」
「間違いありやせん、はっきりと聞きやした」
「どういう事だろうね、確かにあの家の連中は腐った性根の連中ばかりだけど貴族だけあって出自は確かだ」
俺がこの前ブーチを見た時には変な魔力や邪気を感じる事は無かった、もしライノさんが有ったブーチが魔族だとするとここ数日の間にエナハイ家の周辺で何かが起こった可能性が高い。
「失礼いたします、奥様少しよろしいでしょうか?」
遠くから訓練場の俺達を見守っていたペーギさんが近づいてきた、手には白い封筒を持っている。
「何か有ったのかい?別にこの場にいる連中になら聞かれても構わないよ」
「王城から奥様宛に手紙が届いております、こちらで御座います」
ラッカさんはペーギさんから手紙を受け取るとその場でビリビリと封を破き読み始めた、相変わらず豪快な人だ。
「ユイト、例の日程が決まったよ、それについては後で話すとしてペーギにまた一つ調べて欲しい事があるんだ、ちょっと危ない仕事になるかもしれないんだけど…」
「私に出来る事であればなんなりとお申し付けください、しかし奥様が遠慮なさるとは珍しい」
「エナハイ家についてどんな事でもいい、あの家の連中に最近変わった事が無かったか調べて欲しい、もし少しでも身の危険を感じたらすぐに戻ってくるんだよ、約束しておくれ」
ラッカさんの話を聞くとペーギさんは優雅に一礼し訓練場から去って行った、魔族とエナハイ家、果たして本当に繋がりがあるのだろうか。
「実は今朝七星核を持って店を出る前にあっしの店にブーチって若造が怒鳴り込んできたんでやす、何故七星核を侯爵派に売らなかったのか大層な剣幕でやした」
「エナハイ家のバカ息子だね、あの家の連中は平民は無条件で貴族の言う事を聞くべきだって勘違いしている、全く嫌なヤツらだよ」
「奥様やペーギの旦那は良くご存知だと思いやすがあっしの店の入り口には来店した客が邪悪な人間かどうかを判定する仕掛けがありやす、あの若造が来店した瞬間…その仕掛けがぶっ壊れやした、こんな事は初めてです」
「あの仕掛けは私が考えアンタが作った物だ、良く知ってるよ、ちょっとやそっとの悪意を感じたくらいで壊れる様なヤワな術式を組んだつもりは無いんだけどね、偶然じゃないのかい?」
ライノさんの店にそんな仕掛けが有るなんて知らなかった、七星核の様な高級品も扱っているから防犯上当然かもしれないな。
「それだけじゃありやせん、あの若造は帰る前に吐き捨てる様に言っんです『人間風情が調子に乗りやがって』って、それであっしはピンと来やした、この若造はこの前見たユイトさん達の芝居に出てきた魔族に違いないと」
「平民じゃ無く確かに人間って言ったんですか?」
「間違いありやせん、はっきりと聞きやした」
「どういう事だろうね、確かにあの家の連中は腐った性根の連中ばかりだけど貴族だけあって出自は確かだ」
俺がこの前ブーチを見た時には変な魔力や邪気を感じる事は無かった、もしライノさんが有ったブーチが魔族だとするとここ数日の間にエナハイ家の周辺で何かが起こった可能性が高い。
「失礼いたします、奥様少しよろしいでしょうか?」
遠くから訓練場の俺達を見守っていたペーギさんが近づいてきた、手には白い封筒を持っている。
「何か有ったのかい?別にこの場にいる連中になら聞かれても構わないよ」
「王城から奥様宛に手紙が届いております、こちらで御座います」
ラッカさんはペーギさんから手紙を受け取るとその場でビリビリと封を破き読み始めた、相変わらず豪快な人だ。
「ユイト、例の日程が決まったよ、それについては後で話すとしてペーギにまた一つ調べて欲しい事があるんだ、ちょっと危ない仕事になるかもしれないんだけど…」
「私に出来る事であればなんなりとお申し付けください、しかし奥様が遠慮なさるとは珍しい」
「エナハイ家についてどんな事でもいい、あの家の連中に最近変わった事が無かったか調べて欲しい、もし少しでも身の危険を感じたらすぐに戻ってくるんだよ、約束しておくれ」
ラッカさんの話を聞くとペーギさんは優雅に一礼し訓練場から去って行った、魔族とエナハイ家、果たして本当に繋がりがあるのだろうか。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。
みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。
勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。
辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。
だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる