102 / 358
4章 港街騒乱
098 戦友
しおりを挟む
海面が激しく揺れている、俺達は海竜様の頭に乗ってクレバスが閉じる様子をぼんやりと眺めていた。
「お疲れ様、ユイトくん、身体の調子はどう?痛い所があるならお姉ちゃんに教えて欲しいな」
「それが殆ど影響無いみたいなんだ、生命の指輪の効果かな?今までは気を失う位消耗する事もあったんだけど」
俺がこの世界に飛ばされた時に身につけていた装備品はガチャで咲夜を引けたらそのまま試し切りに行こうと四苦八苦しながら考えた物だ、生命の指輪もその中の1つ、鬼神化による消耗を抑える為に選んだ装備だった。
「ふふっ、私の憑代が役に立って良かったわ、サクヤちゃんも疲れてない?大丈夫?」
「私も大丈夫ですよ、ユイトさんの言った通り今までとは疲れ方が全然違います、メリッサさんのおかげですね」
「そろそろクレバスが完全に閉じる、其方らには世話になった、我だけでは海魔神を封じる事は出来なかっただろう」
海面が徐々に鎮まっていく、やがて波も穏やかになり先程までの荒れ方が嘘の様に静まり返った。
「海竜様の力があってこそですよ、俺は少しだけ力を貸しただけです」
「謙遜するな、しかし魔の者どもは海意外にも手を広げている様だ、我は海から離れる訳にはいかない、其方らに頼ってもいいだろうか?」
「えぇ、神様に言われてからそのつもりでいました」
先程回収していたネクロマンサーの杖をアイテムバッグから取り出しす、手に持っても力を感じない、瞬身のレイピアでも試したが何故か俺には元々装備していた物しか扱え無い様だ。
「これと同じ様な俺の世界の装備が魔族の手に渡ってしまった様なんです、それも回収して回らないといけない、中には恐ろしい力を持った物もあります」
「そうか…其方らには迷惑をかけるな、何かあれば我も其方の力になる為に駆けつけよう、我らは最早戦友である」
「ありがとうございます、海竜様が味方にいてくれて心強いです」
「其方らを港へと送り届けよう、我が姿を見せると無用な混乱を招くやもしれぬ、港の近くまでになるが許して欲しい」
俺達を乗せた海竜様は悠々と海を進む、2人の魔族と海魔神との戦いは誰1人被害者を出す事無く終わりを告げた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「離してください!アイツを、鬼をこの手で始末してやる!お願いですカイト様!」
「まぁまぁ落ちついてよ、鬼いさん達は海魔神も上手い事無力化したみたいだよ?今の君が逆立ちしても敵わないと思うけど」
薄暗い部屋で四肢を鎖でつながれた男を宥める様にフードを被った少年が話している、男は酷く興奮している様子だった。
「なっ!?海魔神までもが…あの偽核はやはり失敗作だったのか?」
「うーん、キミとジーの記録を見たけどいい線いってたと思うよ?ただ被験体がだめだ、幾ら強い力を持っていても意思を持ってない相手だと効果が薄いからね、それにしても良く海魔神なんてロートルを引っ張りだしたもんだ」
「…やはり私はこのまま始末されるのでしょうか?ジー様の仇も打てず…無念です…」
繋がれた男が力なく項垂れる、それを見た少年が悪戯っぽく微笑んだ。
「まさか?そんな勿体ない事はしないよ、今回の件で僕は素晴らしい成果を得られたと思っているんだ、君の事だよ、ゲイル」
微笑んだ少年の手には怪しく光る宝石の様な物が握られていた。
「お疲れ様、ユイトくん、身体の調子はどう?痛い所があるならお姉ちゃんに教えて欲しいな」
「それが殆ど影響無いみたいなんだ、生命の指輪の効果かな?今までは気を失う位消耗する事もあったんだけど」
俺がこの世界に飛ばされた時に身につけていた装備品はガチャで咲夜を引けたらそのまま試し切りに行こうと四苦八苦しながら考えた物だ、生命の指輪もその中の1つ、鬼神化による消耗を抑える為に選んだ装備だった。
「ふふっ、私の憑代が役に立って良かったわ、サクヤちゃんも疲れてない?大丈夫?」
「私も大丈夫ですよ、ユイトさんの言った通り今までとは疲れ方が全然違います、メリッサさんのおかげですね」
「そろそろクレバスが完全に閉じる、其方らには世話になった、我だけでは海魔神を封じる事は出来なかっただろう」
海面が徐々に鎮まっていく、やがて波も穏やかになり先程までの荒れ方が嘘の様に静まり返った。
「海竜様の力があってこそですよ、俺は少しだけ力を貸しただけです」
「謙遜するな、しかし魔の者どもは海意外にも手を広げている様だ、我は海から離れる訳にはいかない、其方らに頼ってもいいだろうか?」
「えぇ、神様に言われてからそのつもりでいました」
先程回収していたネクロマンサーの杖をアイテムバッグから取り出しす、手に持っても力を感じない、瞬身のレイピアでも試したが何故か俺には元々装備していた物しか扱え無い様だ。
「これと同じ様な俺の世界の装備が魔族の手に渡ってしまった様なんです、それも回収して回らないといけない、中には恐ろしい力を持った物もあります」
「そうか…其方らには迷惑をかけるな、何かあれば我も其方の力になる為に駆けつけよう、我らは最早戦友である」
「ありがとうございます、海竜様が味方にいてくれて心強いです」
「其方らを港へと送り届けよう、我が姿を見せると無用な混乱を招くやもしれぬ、港の近くまでになるが許して欲しい」
俺達を乗せた海竜様は悠々と海を進む、2人の魔族と海魔神との戦いは誰1人被害者を出す事無く終わりを告げた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「離してください!アイツを、鬼をこの手で始末してやる!お願いですカイト様!」
「まぁまぁ落ちついてよ、鬼いさん達は海魔神も上手い事無力化したみたいだよ?今の君が逆立ちしても敵わないと思うけど」
薄暗い部屋で四肢を鎖でつながれた男を宥める様にフードを被った少年が話している、男は酷く興奮している様子だった。
「なっ!?海魔神までもが…あの偽核はやはり失敗作だったのか?」
「うーん、キミとジーの記録を見たけどいい線いってたと思うよ?ただ被験体がだめだ、幾ら強い力を持っていても意思を持ってない相手だと効果が薄いからね、それにしても良く海魔神なんてロートルを引っ張りだしたもんだ」
「…やはり私はこのまま始末されるのでしょうか?ジー様の仇も打てず…無念です…」
繋がれた男が力なく項垂れる、それを見た少年が悪戯っぽく微笑んだ。
「まさか?そんな勿体ない事はしないよ、今回の件で僕は素晴らしい成果を得られたと思っているんだ、君の事だよ、ゲイル」
微笑んだ少年の手には怪しく光る宝石の様な物が握られていた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。
みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。
勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。
辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。
だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる