88 / 358
4章 港街騒乱
084 清純なる乙女号
しおりを挟む
「風が気持ちいいですね、まるで空を飛んでいる見たいです」
「天気も良いし絶好の船旅日和だな、船に乗るなんていつ以来だろう、なんだかワクワクしてくるよ」
「ほっほ、こいつは中々素直な良い船じゃわい、儂の思いのままに動いてくれる、流石はクラブ様の『清純なる乙女号』じゃ」
上機嫌なブロスタさんが船の舵を切る、俺達はザラキマクの沖を竜神岩に向けて進んでいた。
「ありがとうございます、ブロスタさんが協力してくれなかったら俺達は竜神岩に向かう事すら出来ませんでした」
「見直した、ただエロいだけの爺さんじゃ無かった」
「なんの見返りもなしに船の操縦をしてくれるなんて思ってなかったわ、てっきりお尻を触らせろとか言ってくるものだとばかり…誤解してたわ、ごめんなさいねブロスタさん」
「ザラキマクの救世主のお願いじゃからの、儂も海竜様に恩がある、もし出会えたらあの時のお礼を伝えたいんじゃ」
ブロスタさんはクラブさんの船『清純なる乙女号』に昔の船乗り仲間達を集め俺達の願いを聞いてくれた、竜神岩まではザラキマクの港から半日程かかる。
「それに死ぬ前にもう一度だけ此奴らと船を動かしたいと思っておった、皆歳を取って引退したが腕は一流じゃ、昔を思い出すのぉ…」
「なんじゃ船長?最後の航海の様な事を言いおって、今回救世主さん達の呼びかけで皆が集まったのも何かの縁、これからもたまには集まって船を動かそうや、やはり丘に上がりっ放しだと老け込んでしまう、儂らは死ぬまで船乗りじゃ」
ブロスタさんの仲間の1人が話し掛けて来た、年齢はブロスタさんより少し若いぐらいだろうか、筋骨隆々でとても老人の身体には見えない…マッチョ…嫌な事を思い出した。
「本当に皆さん見事な手際ですね、船の事は素人ですが動きにムダが無い事はわかります」
「嬉しい事を言ってくれるのぅ、どれユイト、少し舵を握ってみるか?心配はいらん、儂の言う通りに動かすんじゃ」
ブロスタさんが俺に操舵輪握る様に促す、恐る恐る握ってみるとズシリときた、物理的にでは無く精神的にだ、舵の動かし方一つで乗員全てを危険に晒すかも知れない責任の重さだ。
「なんと云うか…重い…ですね」
「分かるか?この重さは乗組員全ての命の重さじゃ、少し触っただけでそれに気づくとは大したもんじゃ、お主には人を導く素質がある」
「どうなんでしょう?あまり自覚はありませんが…、舵はお返ししますね、やっぱり俺には重すぎます」
ブロスタさんに舵を返す、人を導く素質か、今でもサクヤ達には色々迷惑を掛けていると思う、旅のリーダーとしてもう少し自覚を持たないとな。
「おーい!誰かこっち来て望遠鏡を覗いてくれんか?変なモンが見えるんじゃが歳のせいで良くわからん、代わりに確認してくれ」
マストに上がっていた1人が甲板の俺達に呼びかける、俺は望遠鏡を覗くためにマストから降ろされた縄梯子を昇った。
「天気も良いし絶好の船旅日和だな、船に乗るなんていつ以来だろう、なんだかワクワクしてくるよ」
「ほっほ、こいつは中々素直な良い船じゃわい、儂の思いのままに動いてくれる、流石はクラブ様の『清純なる乙女号』じゃ」
上機嫌なブロスタさんが船の舵を切る、俺達はザラキマクの沖を竜神岩に向けて進んでいた。
「ありがとうございます、ブロスタさんが協力してくれなかったら俺達は竜神岩に向かう事すら出来ませんでした」
「見直した、ただエロいだけの爺さんじゃ無かった」
「なんの見返りもなしに船の操縦をしてくれるなんて思ってなかったわ、てっきりお尻を触らせろとか言ってくるものだとばかり…誤解してたわ、ごめんなさいねブロスタさん」
「ザラキマクの救世主のお願いじゃからの、儂も海竜様に恩がある、もし出会えたらあの時のお礼を伝えたいんじゃ」
ブロスタさんはクラブさんの船『清純なる乙女号』に昔の船乗り仲間達を集め俺達の願いを聞いてくれた、竜神岩まではザラキマクの港から半日程かかる。
「それに死ぬ前にもう一度だけ此奴らと船を動かしたいと思っておった、皆歳を取って引退したが腕は一流じゃ、昔を思い出すのぉ…」
「なんじゃ船長?最後の航海の様な事を言いおって、今回救世主さん達の呼びかけで皆が集まったのも何かの縁、これからもたまには集まって船を動かそうや、やはり丘に上がりっ放しだと老け込んでしまう、儂らは死ぬまで船乗りじゃ」
ブロスタさんの仲間の1人が話し掛けて来た、年齢はブロスタさんより少し若いぐらいだろうか、筋骨隆々でとても老人の身体には見えない…マッチョ…嫌な事を思い出した。
「本当に皆さん見事な手際ですね、船の事は素人ですが動きにムダが無い事はわかります」
「嬉しい事を言ってくれるのぅ、どれユイト、少し舵を握ってみるか?心配はいらん、儂の言う通りに動かすんじゃ」
ブロスタさんが俺に操舵輪握る様に促す、恐る恐る握ってみるとズシリときた、物理的にでは無く精神的にだ、舵の動かし方一つで乗員全てを危険に晒すかも知れない責任の重さだ。
「なんと云うか…重い…ですね」
「分かるか?この重さは乗組員全ての命の重さじゃ、少し触っただけでそれに気づくとは大したもんじゃ、お主には人を導く素質がある」
「どうなんでしょう?あまり自覚はありませんが…、舵はお返ししますね、やっぱり俺には重すぎます」
ブロスタさんに舵を返す、人を導く素質か、今でもサクヤ達には色々迷惑を掛けていると思う、旅のリーダーとしてもう少し自覚を持たないとな。
「おーい!誰かこっち来て望遠鏡を覗いてくれんか?変なモンが見えるんじゃが歳のせいで良くわからん、代わりに確認してくれ」
マストに上がっていた1人が甲板の俺達に呼びかける、俺は望遠鏡を覗くためにマストから降ろされた縄梯子を昇った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。
みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。
勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。
辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。
だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる