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4章 港街騒乱
075 竜神岩
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「…とまぁその様な事があったんじゃ、あの時海竜様が現れ無ければ儂らは助からんじゃっただろう」
「人間をモンスターから助けた巨大な海竜ですか…テミス、ブロスタさんの話を聴いて何か気づいた事はないか?」
「そうね…反応なんだけど動きがある時はとても速く海中を移動しているの、船を沈める程のモンスターを一飲みに出来る力の持ち主ならあの速度を出せても不思議じゃないわ」
「人間をモンスターから救ったと云う事は少なくとも邪悪な存在ではなさそうだな、海竜様がモンスターだったらブロスタさんの船も襲われていただろうし」
この世界での動物とモンスターの明確な違いは魔力を持っているか否かになる、その為基本的にモンスターが動物に敗れる事は無い、海竜様はモンスターや動物とは違う枠組みの存在ではないだろうか。
「ブロスタさん、海竜様について他に知ってる事があれば教えて貰えませんか?」
「そうじゃのぉ、この街から船で半日程沖に出た所に竜神岩と呼ばれる岩礁があるんじゃ、言い伝えでは海竜様はそこに棲んでおると云う話じゃ」
ブロスタさんは立ち上がると海に面した窓へと移動した、壁に掛けてあった望遠鏡を覗き込んで何かを探している様だ。
「おお、見えたぞ、こっちに来てみぃ、天気が良いからここからでも竜神岩が見えるわい」
窓際のブロスタさんが俺を手招きする、近づくと望遠鏡を手渡されたので先程ブロスタさんが見ていた方へと望遠鏡を覗き込んだ、海の遠くにポツンと小さく岩が見える、あれが竜神岩だろうか?
「ユイトさん、私にも見せて下さい」
サクヤが服の裾を引っ張る、望遠鏡を渡し竜神岩の場所を教えていると背後からブロスタさんの悲鳴が聞こえた、見るとテミスがブロスタさんの腕を捻り上げていた。
「聞いてよ!ブロスタさん…いやこのエロ爺たらサクヤのお尻を触ろうとしていたのよ!油断も隙もありゃしないわ」
「いでででで!老人虐待じゃ!ほんの出来心だったんじゃ、許しておくれ!」
テミスが呆れた顔でブロスタさんを解放する、解放され床にうずくまったブロスタさんをアイギスがゴミを見る様な目で見つめていた。
「もう、本当にどうしようも無いエロ爺ね、サクヤ、後で私にも望遠鏡を貸してくれない?」
「私はもう見えたから大丈夫ですよ、テミスちゃんが海を見ている間は私がブロスタさんを見張っていますね」
テミスに望遠鏡を渡したサクヤは指の先に小さな火球を出しニコニコとブロスタさんを見つめる、流石のブロスタさんもコレには恐怖を抱いた様で両手を上げて部屋の隅に逃げて行った。
「どれどれ、あの岩の事かしら…ん!?アレは何!?…何かの群れがザラキマクの街に近づいてくる!イカに亀に半魚人!?モンスターだわ!」
テミスが望遠鏡から目を離しこちらを振り返る、その時ザラキマクの街中に激しい鐘の音が鳴り響いた。
「人間をモンスターから助けた巨大な海竜ですか…テミス、ブロスタさんの話を聴いて何か気づいた事はないか?」
「そうね…反応なんだけど動きがある時はとても速く海中を移動しているの、船を沈める程のモンスターを一飲みに出来る力の持ち主ならあの速度を出せても不思議じゃないわ」
「人間をモンスターから救ったと云う事は少なくとも邪悪な存在ではなさそうだな、海竜様がモンスターだったらブロスタさんの船も襲われていただろうし」
この世界での動物とモンスターの明確な違いは魔力を持っているか否かになる、その為基本的にモンスターが動物に敗れる事は無い、海竜様はモンスターや動物とは違う枠組みの存在ではないだろうか。
「ブロスタさん、海竜様について他に知ってる事があれば教えて貰えませんか?」
「そうじゃのぉ、この街から船で半日程沖に出た所に竜神岩と呼ばれる岩礁があるんじゃ、言い伝えでは海竜様はそこに棲んでおると云う話じゃ」
ブロスタさんは立ち上がると海に面した窓へと移動した、壁に掛けてあった望遠鏡を覗き込んで何かを探している様だ。
「おお、見えたぞ、こっちに来てみぃ、天気が良いからここからでも竜神岩が見えるわい」
窓際のブロスタさんが俺を手招きする、近づくと望遠鏡を手渡されたので先程ブロスタさんが見ていた方へと望遠鏡を覗き込んだ、海の遠くにポツンと小さく岩が見える、あれが竜神岩だろうか?
「ユイトさん、私にも見せて下さい」
サクヤが服の裾を引っ張る、望遠鏡を渡し竜神岩の場所を教えていると背後からブロスタさんの悲鳴が聞こえた、見るとテミスがブロスタさんの腕を捻り上げていた。
「聞いてよ!ブロスタさん…いやこのエロ爺たらサクヤのお尻を触ろうとしていたのよ!油断も隙もありゃしないわ」
「いでででで!老人虐待じゃ!ほんの出来心だったんじゃ、許しておくれ!」
テミスが呆れた顔でブロスタさんを解放する、解放され床にうずくまったブロスタさんをアイギスがゴミを見る様な目で見つめていた。
「もう、本当にどうしようも無いエロ爺ね、サクヤ、後で私にも望遠鏡を貸してくれない?」
「私はもう見えたから大丈夫ですよ、テミスちゃんが海を見ている間は私がブロスタさんを見張っていますね」
テミスに望遠鏡を渡したサクヤは指の先に小さな火球を出しニコニコとブロスタさんを見つめる、流石のブロスタさんもコレには恐怖を抱いた様で両手を上げて部屋の隅に逃げて行った。
「どれどれ、あの岩の事かしら…ん!?アレは何!?…何かの群れがザラキマクの街に近づいてくる!イカに亀に半魚人!?モンスターだわ!」
テミスが望遠鏡から目を離しこちらを振り返る、その時ザラキマクの街中に激しい鐘の音が鳴り響いた。
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