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1章 リザードマンと女神の籠手
014 作戦開始
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歌の様な声が響く、イオタさんの詠唱が始まった。
「数多の水の精霊よ、風を纏いて地に降りろ【アイスフィールド】!」
詠唱が終わるとイオタさんの足元から氷の道がリザードマンへと延びる、氷の道はリザードマン達を囲み一瞬で氷像へと変える。
「3…2…1…今だ!【ツインアロー】!!」
ガンマさんはイオタさんの詠唱に合わせ洞穴の入り口に立っていた2匹のリザードマンの頭を同時に射抜く、完璧なタイミングだ。
俺はアルフさんと洞穴の入り口目掛けて走った、入り口に着き洞穴からの増援に備えるが気配がない、念のために明鏡止水も使ったが周囲に敵の気配は感じられなかった。
「私の出番がありませんでした、2人とも凄い連携です」
「ありがとうねサクヤちゃん、私達もなんだかんだで長い付き合いだからお互いの動きが手に取るようにわかるの」
「その割には誰かさんは誰かさんの気持ちに気付いてない様だけどな、って痛い!やめてくれ!悪かった!」
イオタさんが鬼の形相でガンマさんの耳を引っ張る。
アルフさんは意味がわからない様で首をかしげていた、この鈍感さんめ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺達は洞穴を進んで行く、魔核を崩壊させるにはなるべく洞穴の奥が好ましいが脱出にかかる時間も計算に入れなければいけない、適当な場所を探す必要があった。
「アルフさん!横穴から来ます!」
「わかった!【ファングスラッシュ】!」
先頭を歩くアルフさんが横穴から飛び出したリザードマンを縦一文字に切りつける、奇襲が成功すると思っていたであろうリザードマンは悲鳴をあげる間もなく絶命した。
「あーびっくりした、これで何匹目ですかね?」
松明代わりの火球を宙に漂わせながらサクヤがボヤく。
「今ので8匹目よ、この辺りでいいんじゃない?これ以上進むと魔核の崩壊までに脱出できないわ」
「帰りの目印を書いていたチョークもそろそろ無くなっちまう、これ以上は危険だ、起動から30分で崩壊するんだろ?」
殿を歩いていたガンマさんがチョークの入っていた袋を裏返し在庫がなくなりそうな事を知らせた。洞穴内には無数の分かれ道があり目印がなければ間違い無く迷ってしまうだろう。
「そうだね、帰りは強行突破になる、トラブルが起きた場合の保険を考えるとこの辺りが適当だろう」
明鏡止水でなるべく敵の少ない穴を選び慎重に進んだ、途中大勢の気配を感じる穴があったがあの数の敵に足止めされると中々に厳しい。
「そこの窪みなんてどうです?この周辺に気配は感じません」
「わかった、術式を解除する前に少しだけ休もう、ここからが本番だ」
俺達は持って来ていた携行食を食べ短く休憩をとる。
アルフさんが言った通りこの作戦はここからが本番なのだ、魔核と呼ばる魔力の結晶を崩壊させる、魔核の質にもよるが崩壊の威力は凄まじく今回使う魔核は小さな村くらいなら消しとばす威力があるとイオタさんが教えてくれる。
魔核には起動から30分後に崩壊が始まる術式が組み込まれている、1度起動すれば途中で止める事は出来ない作りになっているとの事だった。
「命がけの一発勝負になりますね、とにかく急いで脱出しないと」
「これが最後の晩餐かもしれませんね~、と言うわけ非常食は全部たべちゃいましょう!」
クッキーはよ、とサクヤがイオタさんにたかっている、マイペースなヤツめ。
「もう!走れなくなるからダメよ!脱出したら皆で食べましょう?どうしたのサクヤちゃん?」
急にサクヤが何やら周囲をキョロキョロし始めた。
「今また誰かの声がしませんでした?」
俺は敵襲を警戒して即座に明鏡止水を使う、しかし周辺に俺達以外の気配はない。
「近くに反応は無かったぞ、空耳じゃないのか?」
「確かに聞こえたと思ったんだけどな~」
サクヤは休憩が終わるまで周囲をキョロキョロ見回していた。
「数多の水の精霊よ、風を纏いて地に降りろ【アイスフィールド】!」
詠唱が終わるとイオタさんの足元から氷の道がリザードマンへと延びる、氷の道はリザードマン達を囲み一瞬で氷像へと変える。
「3…2…1…今だ!【ツインアロー】!!」
ガンマさんはイオタさんの詠唱に合わせ洞穴の入り口に立っていた2匹のリザードマンの頭を同時に射抜く、完璧なタイミングだ。
俺はアルフさんと洞穴の入り口目掛けて走った、入り口に着き洞穴からの増援に備えるが気配がない、念のために明鏡止水も使ったが周囲に敵の気配は感じられなかった。
「私の出番がありませんでした、2人とも凄い連携です」
「ありがとうねサクヤちゃん、私達もなんだかんだで長い付き合いだからお互いの動きが手に取るようにわかるの」
「その割には誰かさんは誰かさんの気持ちに気付いてない様だけどな、って痛い!やめてくれ!悪かった!」
イオタさんが鬼の形相でガンマさんの耳を引っ張る。
アルフさんは意味がわからない様で首をかしげていた、この鈍感さんめ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺達は洞穴を進んで行く、魔核を崩壊させるにはなるべく洞穴の奥が好ましいが脱出にかかる時間も計算に入れなければいけない、適当な場所を探す必要があった。
「アルフさん!横穴から来ます!」
「わかった!【ファングスラッシュ】!」
先頭を歩くアルフさんが横穴から飛び出したリザードマンを縦一文字に切りつける、奇襲が成功すると思っていたであろうリザードマンは悲鳴をあげる間もなく絶命した。
「あーびっくりした、これで何匹目ですかね?」
松明代わりの火球を宙に漂わせながらサクヤがボヤく。
「今ので8匹目よ、この辺りでいいんじゃない?これ以上進むと魔核の崩壊までに脱出できないわ」
「帰りの目印を書いていたチョークもそろそろ無くなっちまう、これ以上は危険だ、起動から30分で崩壊するんだろ?」
殿を歩いていたガンマさんがチョークの入っていた袋を裏返し在庫がなくなりそうな事を知らせた。洞穴内には無数の分かれ道があり目印がなければ間違い無く迷ってしまうだろう。
「そうだね、帰りは強行突破になる、トラブルが起きた場合の保険を考えるとこの辺りが適当だろう」
明鏡止水でなるべく敵の少ない穴を選び慎重に進んだ、途中大勢の気配を感じる穴があったがあの数の敵に足止めされると中々に厳しい。
「そこの窪みなんてどうです?この周辺に気配は感じません」
「わかった、術式を解除する前に少しだけ休もう、ここからが本番だ」
俺達は持って来ていた携行食を食べ短く休憩をとる。
アルフさんが言った通りこの作戦はここからが本番なのだ、魔核と呼ばる魔力の結晶を崩壊させる、魔核の質にもよるが崩壊の威力は凄まじく今回使う魔核は小さな村くらいなら消しとばす威力があるとイオタさんが教えてくれる。
魔核には起動から30分後に崩壊が始まる術式が組み込まれている、1度起動すれば途中で止める事は出来ない作りになっているとの事だった。
「命がけの一発勝負になりますね、とにかく急いで脱出しないと」
「これが最後の晩餐かもしれませんね~、と言うわけ非常食は全部たべちゃいましょう!」
クッキーはよ、とサクヤがイオタさんにたかっている、マイペースなヤツめ。
「もう!走れなくなるからダメよ!脱出したら皆で食べましょう?どうしたのサクヤちゃん?」
急にサクヤが何やら周囲をキョロキョロし始めた。
「今また誰かの声がしませんでした?」
俺は敵襲を警戒して即座に明鏡止水を使う、しかし周辺に俺達以外の気配はない。
「近くに反応は無かったぞ、空耳じゃないのか?」
「確かに聞こえたと思ったんだけどな~」
サクヤは休憩が終わるまで周囲をキョロキョロ見回していた。
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