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1章 婚約破棄
001 婚約破棄
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「何故…何故その様な事を仰るのですか!?婚約を破棄するなど嘘と仰って下さい!」
「オーロラ=バレンシア。私はお前との婚約を破棄する。これはもう決まった事だ」
婚約者からの突然の呼び出し。一体何事だろうと思い、王城へとやって来た私は稲妻に打たれた様な衝撃に襲われた。
婚約破棄ーー
私の婚約者である…いや婚約者であった筈のレイス=ティンバードル殿下。
このティンバードール王国の第三王子で有る殿下の口から、私と殿下の婚約破棄を言い渡されたのだ。
「殿下は貴女との婚約を破棄すると仰ったのです。いつまでも未練がましくしてないで、さっさと帰られた方がよろしいですわよ」
「…?貴女は一体?これは殿下と私の問題です。部外者は口を挟まないでいただけますか?」
「申し遅れました。私はレイルデスク皇国の第四皇女、ステファニー=レイルデスクと申します。そしてレイス様の正当な婚約者です」
レイルデスク皇国…私の住むティンバードール王国と双璧を成す大国の名前だ。その皇国の第四皇女がレイス殿下と婚約?そんな話は今初めて聞いた。一体いつの間に決まったと言うのだろうか。
「政略結婚…ですか?ティンバードール王国とレイルデスク皇国との関係を取り持つ為にレイス殿下はステファニー皇女殿下と結婚なさるのですね?」
溢れそうになる涙をグッと堪え、レイス殿下の顔を睨みつける。相変わらず整った顔立ちだ。殿下と過ごした今までの思い出が込み上げて来る。
私の生家のバレンシア侯爵家はティンバードール王国の中でも指折りの名門。レイス殿下と私の結婚も本人達の知らないところで勝手に決まっていた政略結婚だ。
しかし幼い私は初めてレイス殿下にお会いした時、一目で恋に落ちた。絹の様な金髪、彫刻の様な顔立ち…そして何より殿下の人柄に私は惹かれた。
「王族としてこのティンバードール王国をより良い国にしたい」幼い頃から殿下はよく理想を私に語ってくれた。私も殿下の隣で理想を叶える力になりたいと本気で願った。
「政略結婚…?私とステファニーの愛をその様な不純な物とは思わないで欲しい。オーロラ=バレンシア…そなたへの話は終わった。早々にこの場から去るが良い」
「殿下の仰る通りですわ。自分が棄てられからと私達の愛を不純な物と思い込まないで下さいまし。見苦しいですわよ」
「失礼いたしました…それでは私は下がらせていただきます…」
分かっていた。これが政略結婚だとしても、その相手が目の前にいるのに「そうです。政略結婚です」などと言える筈は無い。でもその一言さえ殿下の口から聞く事が出来れば私は救われた。殿下の理想の犠牲になれたのならば本望だった…
「オーロラ=バレンシア。私はお前との婚約を破棄する。これはもう決まった事だ」
婚約者からの突然の呼び出し。一体何事だろうと思い、王城へとやって来た私は稲妻に打たれた様な衝撃に襲われた。
婚約破棄ーー
私の婚約者である…いや婚約者であった筈のレイス=ティンバードル殿下。
このティンバードール王国の第三王子で有る殿下の口から、私と殿下の婚約破棄を言い渡されたのだ。
「殿下は貴女との婚約を破棄すると仰ったのです。いつまでも未練がましくしてないで、さっさと帰られた方がよろしいですわよ」
「…?貴女は一体?これは殿下と私の問題です。部外者は口を挟まないでいただけますか?」
「申し遅れました。私はレイルデスク皇国の第四皇女、ステファニー=レイルデスクと申します。そしてレイス様の正当な婚約者です」
レイルデスク皇国…私の住むティンバードール王国と双璧を成す大国の名前だ。その皇国の第四皇女がレイス殿下と婚約?そんな話は今初めて聞いた。一体いつの間に決まったと言うのだろうか。
「政略結婚…ですか?ティンバードール王国とレイルデスク皇国との関係を取り持つ為にレイス殿下はステファニー皇女殿下と結婚なさるのですね?」
溢れそうになる涙をグッと堪え、レイス殿下の顔を睨みつける。相変わらず整った顔立ちだ。殿下と過ごした今までの思い出が込み上げて来る。
私の生家のバレンシア侯爵家はティンバードール王国の中でも指折りの名門。レイス殿下と私の結婚も本人達の知らないところで勝手に決まっていた政略結婚だ。
しかし幼い私は初めてレイス殿下にお会いした時、一目で恋に落ちた。絹の様な金髪、彫刻の様な顔立ち…そして何より殿下の人柄に私は惹かれた。
「王族としてこのティンバードール王国をより良い国にしたい」幼い頃から殿下はよく理想を私に語ってくれた。私も殿下の隣で理想を叶える力になりたいと本気で願った。
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分かっていた。これが政略結婚だとしても、その相手が目の前にいるのに「そうです。政略結婚です」などと言える筈は無い。でもその一言さえ殿下の口から聞く事が出来れば私は救われた。殿下の理想の犠牲になれたのならば本望だった…
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