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プロローグ
03 A.R.C.S
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関所を見ると何者かの襲撃を受けている様であちこちから煙が上がっていた、小さく逃げ惑う人の姿が見える。
「ローラ!馬車を止めろ!様子がおかしい!」
「わかったわ!何かが関所の上を飛んでいる、アレはワイバーン!?」
トビィさんの指示でローラが馬車を止める、関所の上空には大きな鳥の様な影が見えた。
「違う…ワイバーンなんかじゃない、ドラゴンだ!レッドドラゴンが関所を襲っている!馬車を戻せ、気づかれない様に慎重にだ」
馬車を反転させ来た道を急いで戻る、なんとか気づかれずに済んだ様だ。
「レッドドラゴンってそんなにヤバいんですか?関所だから兵士もたくさんいる筈ですよね?」
「ヤバいってもんじゃないわ、関所の兵力でどうにか出来る相手じゃないの、勇者様が4、5人集まって追い払えるかどうかってトコね」
「この前ゼファール帝国の都市がレッドドラゴンに襲われたって聞いたが多分同じ個体だろう…!?何か来るぞ!後ろだ!」
後ろを見ると4頭立ての馬車が俺達の後ろを猛スピードで追いかけてきている、装飾が施された豪華な馬車だ、馬車は直ぐに俺達の隣へ並び窓から男が顔を出した。
「おお!なんといい所に平民がいたものよ!私を逃す犠牲となれ、御者!隣の馬車と馬を切り離せ!」
男が叫ぶと御者の片手から光の刃が放たれた、これが魔法だろうか…って悠長に考えている場合じゃない。
「アイツら何考えてるのよ!?衝撃に備えて!」
全身に衝撃が走る、馬から切り離された馬車はしばらく走った後街道から外れ横転した。
「クソっ、2人とも無事か?本当に何考えてやがる!」
「私は大丈夫よ、何を慌てていたのかしら?…まさか!」
なんとか横転した馬車から逃げ出した俺達のの目にはこちらへと飛んでくるレッドドラゴンの姿が映った。
「アイツ自分がレッドドラゴンに追われていたから俺達を囮にしたんだ…腐ってやがる」
「お父さん!逃げましょう!ヨーグも早く!」
「いや、もう追いつかれる、ヨーグ、ローラを連れて逃げてくれ、俺が時間を稼ぐ」
トビィさんが護身用に腰に付けていた剣を抜く。
「そんな!置いていくなんて出来ません!」
「何言ってる!頼むから逃げてくれ!俺なら少しは時間を稼げる!」
確かに俺は魔力が無い、剣を握った事も無いし喧嘩だってした事がない、だが俺には誰かを守れる力がある。
「嫌よ、3人で逃げるのよ!誰かが死んで生き残るなんて私は嫌なの!」
その通りだ、誰も犠牲になんてさせるものか!
「そうだ、みんなで助かるんだ…『変・身』!!」
俺を銀色の粒子が包み全身に白銀の甲冑が装着されていく。
「ヨーグ….?その姿は?」
「何が起こったの?魔法?」
シルバーを基調に紅のラインが映える、剣と魔法の世界には酷く不釣り合いな近未来的なデザイン、これが神様と2人で創造したぼくたちがかんがた最高のヒーロー、『クロス』、転生した俺の力だ。
「2人は俺が守る、信じてくれ」
『システム起動完了、はじめましてマスター』
ヘルメットの中に機械音声が流れる。
「はじめまして、クロスのAIだよな?」
『肯定します、私はAll Range Combat System、【A・R・C・S】アークス、とお呼び下さい』
「アークス、さっそく初仕事だ、あのドラゴンに有効な攻撃手段はあるか?」
ヘルメット内のモニターには飛翔するドラゴンが映し出されている。
『目標の脅威レベルの仮定を終了、撃墜可能と予想される攻撃は以下の通りです』
モニターの端にいくつかの武装名と撃墜期待値のパーセンテージが表示される。
「失敗する訳にはいかない、『ブラスト』を使う」
リストの1番上にあった撃墜期待値99%が表示された武装を選んだ。
『了解しました、初回の使用ですのでマスターへ直接使用方法をインストールする必要があります、よろしいですか?』
「あぁ、頼むよ」
一瞬で頭の中に情報が雪崩れ込んできた、元々知っていた知識の様に脳と身体が新しい技を理解する。
『警告、この攻撃により活動に必要なエネルギーの12%が消費されます』
「わかった、照準のサポートを頼む」
俺は茫然としている2人を後にして数歩前へと出る。
「少し眩しいと思うんで気をつけて下さい」
「何をする気なの?」
「アイツを始末するのさ、撃ち落とす」
「無茶だ!上級魔法ですら倒せない相手だぞ!」
俺は右手を上空のレッドドラゴンへ向ける、巨大な赤いドラゴンはこちらへと急降下している最中だった。
モニターの照準がレッドドラゴンと重なる、今だ!
「ブラスト!!!」
右の掌から極太のレーザーが放たれたれる、レーザーはレッドドラゴンの身体を飲み込み…光の奔流がおさまった時レッドドラゴンの存在はこの世界から消滅していた。
『目標の消滅を確認、戦闘終了です、お疲れ様でした』
「ありがとうな、アークス、これからよろしく頼むよ」
『変身解除』と頭の中で呟く、次の瞬間先程の様に身体を粒子が包み白銀の鎧は姿を消した。
「嘘だろ…レッドドラゴンが跡形も無く消えた…」
「助かったのよ!私達助かったの!ありがとうヨーグ!」
ローラが俺に抱きついて地面に押し倒される、何か!何か柔らかいものが顔に当たっている!正気に戻っだトビィさんが殺気を放つまで俺は異世界での初戦闘の報酬を堪能した。
「ローラ!馬車を止めろ!様子がおかしい!」
「わかったわ!何かが関所の上を飛んでいる、アレはワイバーン!?」
トビィさんの指示でローラが馬車を止める、関所の上空には大きな鳥の様な影が見えた。
「違う…ワイバーンなんかじゃない、ドラゴンだ!レッドドラゴンが関所を襲っている!馬車を戻せ、気づかれない様に慎重にだ」
馬車を反転させ来た道を急いで戻る、なんとか気づかれずに済んだ様だ。
「レッドドラゴンってそんなにヤバいんですか?関所だから兵士もたくさんいる筈ですよね?」
「ヤバいってもんじゃないわ、関所の兵力でどうにか出来る相手じゃないの、勇者様が4、5人集まって追い払えるかどうかってトコね」
「この前ゼファール帝国の都市がレッドドラゴンに襲われたって聞いたが多分同じ個体だろう…!?何か来るぞ!後ろだ!」
後ろを見ると4頭立ての馬車が俺達の後ろを猛スピードで追いかけてきている、装飾が施された豪華な馬車だ、馬車は直ぐに俺達の隣へ並び窓から男が顔を出した。
「おお!なんといい所に平民がいたものよ!私を逃す犠牲となれ、御者!隣の馬車と馬を切り離せ!」
男が叫ぶと御者の片手から光の刃が放たれた、これが魔法だろうか…って悠長に考えている場合じゃない。
「アイツら何考えてるのよ!?衝撃に備えて!」
全身に衝撃が走る、馬から切り離された馬車はしばらく走った後街道から外れ横転した。
「クソっ、2人とも無事か?本当に何考えてやがる!」
「私は大丈夫よ、何を慌てていたのかしら?…まさか!」
なんとか横転した馬車から逃げ出した俺達のの目にはこちらへと飛んでくるレッドドラゴンの姿が映った。
「アイツ自分がレッドドラゴンに追われていたから俺達を囮にしたんだ…腐ってやがる」
「お父さん!逃げましょう!ヨーグも早く!」
「いや、もう追いつかれる、ヨーグ、ローラを連れて逃げてくれ、俺が時間を稼ぐ」
トビィさんが護身用に腰に付けていた剣を抜く。
「そんな!置いていくなんて出来ません!」
「何言ってる!頼むから逃げてくれ!俺なら少しは時間を稼げる!」
確かに俺は魔力が無い、剣を握った事も無いし喧嘩だってした事がない、だが俺には誰かを守れる力がある。
「嫌よ、3人で逃げるのよ!誰かが死んで生き残るなんて私は嫌なの!」
その通りだ、誰も犠牲になんてさせるものか!
「そうだ、みんなで助かるんだ…『変・身』!!」
俺を銀色の粒子が包み全身に白銀の甲冑が装着されていく。
「ヨーグ….?その姿は?」
「何が起こったの?魔法?」
シルバーを基調に紅のラインが映える、剣と魔法の世界には酷く不釣り合いな近未来的なデザイン、これが神様と2人で創造したぼくたちがかんがた最高のヒーロー、『クロス』、転生した俺の力だ。
「2人は俺が守る、信じてくれ」
『システム起動完了、はじめましてマスター』
ヘルメットの中に機械音声が流れる。
「はじめまして、クロスのAIだよな?」
『肯定します、私はAll Range Combat System、【A・R・C・S】アークス、とお呼び下さい』
「アークス、さっそく初仕事だ、あのドラゴンに有効な攻撃手段はあるか?」
ヘルメット内のモニターには飛翔するドラゴンが映し出されている。
『目標の脅威レベルの仮定を終了、撃墜可能と予想される攻撃は以下の通りです』
モニターの端にいくつかの武装名と撃墜期待値のパーセンテージが表示される。
「失敗する訳にはいかない、『ブラスト』を使う」
リストの1番上にあった撃墜期待値99%が表示された武装を選んだ。
『了解しました、初回の使用ですのでマスターへ直接使用方法をインストールする必要があります、よろしいですか?』
「あぁ、頼むよ」
一瞬で頭の中に情報が雪崩れ込んできた、元々知っていた知識の様に脳と身体が新しい技を理解する。
『警告、この攻撃により活動に必要なエネルギーの12%が消費されます』
「わかった、照準のサポートを頼む」
俺は茫然としている2人を後にして数歩前へと出る。
「少し眩しいと思うんで気をつけて下さい」
「何をする気なの?」
「アイツを始末するのさ、撃ち落とす」
「無茶だ!上級魔法ですら倒せない相手だぞ!」
俺は右手を上空のレッドドラゴンへ向ける、巨大な赤いドラゴンはこちらへと急降下している最中だった。
モニターの照準がレッドドラゴンと重なる、今だ!
「ブラスト!!!」
右の掌から極太のレーザーが放たれたれる、レーザーはレッドドラゴンの身体を飲み込み…光の奔流がおさまった時レッドドラゴンの存在はこの世界から消滅していた。
『目標の消滅を確認、戦闘終了です、お疲れ様でした』
「ありがとうな、アークス、これからよろしく頼むよ」
『変身解除』と頭の中で呟く、次の瞬間先程の様に身体を粒子が包み白銀の鎧は姿を消した。
「嘘だろ…レッドドラゴンが跡形も無く消えた…」
「助かったのよ!私達助かったの!ありがとうヨーグ!」
ローラが俺に抱きついて地面に押し倒される、何か!何か柔らかいものが顔に当たっている!正気に戻っだトビィさんが殺気を放つまで俺は異世界での初戦闘の報酬を堪能した。
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