現代兵器で異世界無双

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内政編

69.久しぶりの王宮にて

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会議が終わった後、激しい脱力感に襲われていた。
 何故なら、今まで休みという休みを取らずここまでやってきたのだから当然といえよう。
 (これじゃあ、まるでどこかの真っ黒な企業と同じ状況だな)
 そして、俺は二度も負傷していたので、体力が大きく消耗していたのも原因の一つでもある。

 会議室からほとんどの軍幹部がいなくなっても、俺は動けずにいた。
 そんな俺の状況を知ってかメリアは紅茶をもってこの部屋に戻ってきてくれていた。
 メリアは座っている俺の後ろから抱き着き、やさしく頭をなでてくれていた。
 (なでてくれるのもうれしいけど、それより柔らかいものが当たっているのがサイコーです!)

 「本当にありがとう、そしてお疲れ様、ワタ」
 「いや、いいのさ、大変で辛くて、死を意識したのが何度あったかわからないけど、ここまでやってこれたのは、仲間の為国民の為じゃなくて一番はメリアの為だったと思う」
 「本当に?私がいないところであんなことやそんなことをしてたというのに?に?」
 「ハイ、スミマセンデシタ!!」
 「はぁ~まぁ……いいわ、そ・の・か・わ・り!明日は一日中私とだけ過ごしなさい?よくって?」
 「イエス!マム!」
 「よろしい!とりあえずこんなところにいてもしょうがないから、紅茶を飲んだら“私たちの部屋”に行きましょ?」
 「そうだな、そうしよう、あそこに行くのはだいぶ久々な気がするな?」
 「そうね、あなたがあの部屋で最後に寝たのはハミルトンに行く前だったのよ?あれから一度も戻れなかったからね」
 「そうかそんなにか……思えばずいぶんといろんなことをやってきたものだ」

 話をしながら紅茶を飲んでいると、主人である俺やメリアが後宮に来ないことを不審に思ったのか武装メイドたちが来た。
 彼女らは後宮を防衛することと王城内の女王と国王とその妻たちの身辺警護を専門に行い、普通のメイドと同じ働きをするときもあるが、基本的には常に武装している。
 そもそも武装メイド隊は、俺が王宮に来てレナの部隊編成や政府高官に対して銃の説明をしていたのと同時期に、プライベートゾーンを守る部隊が必要と思ったのがきっかけで王務院内部局として編成した。
 正式名称と所属は後宮管理局武装警備隊である。

この王務院はその名の通り国王に関する業務や任務を統括する行政機関で、ここは国王と女王の直接指揮下で運用される特殊な場所である。
王務院所属部署は以下の通り。

王務院
 財産管理部
 王国研究室
 人事総務部
  特別高等監察局(王務院内犯罪取締)
 調査室
 情報部
 近衛軍司令部(RGF)(セレナ中将率いる近衛軍団はここの隷下部隊)
 統合参謀本部(JTF)(非常事、陸海空軍のすべての部隊と準軍組織、警察、消防を一括指揮が可能)
  統合参謀本部議会
  統合参謀本部情報室
 
後宮管理局
  武装警備隊 後宮の防衛任務 通称「ヴァルキュリア」(2個大隊)
  賓客対応隊 来賓の護衛及びお世話 通称「ローレライ」
  武装侍女隊 王室関係者の外出時の護衛及びお世話 通称「ミスティア」(3個大隊)
  秘密警察 通称「グリムリーパー」暗殺・諜報 
  食品品質安全管理部(料理担当)
   給仕課
   調理課
   調達課
  奉仕部(一般メイドはここ所属)
   メイド課
   執事課
   秘書室
   対策室(工作・扇動・ハニートラップ(男女両方))
   危機管理対策室(防諜・後方支援)


装備は以前MP7A1とHK416C、SIGP226を装備していたが、今回の編成改編で警察系特殊部隊と身辺警護部隊にはSIG系列の銃を使わせることにしたので(一部例外あり)、新たにSIGMCXとSIGP320(M17)を召喚して装備させた。

まずSIGMCX(以下MCX)だが、バレル交換によって300BLK/5.56×45㎜/7.62×39㎜といったいくつもの弾薬二対応できるマルチキャリバー(複数の口径)ライフルのことで、これ以外にも完全アンビデクストラス仕様(略称アンビ、両側で操作可能という意味)銃本体トップはピカティニー規格(20㎜)のレイル、ハンドガード部分はkeymod system、スケルトン状のフォールディングストック(折り畳み式銃床)という特徴がある。
このkeymod systemと呼ばれるものは、従来のレイルが設置されていた部分がそぎ落とされている分軽量化し、その部分に鍵穴のような形をした穴があけられていて(これが名前の由来)そこに様々なオプションパーツやレイル自体を自由につけることができるもので、こうすることによって今まで使わず無駄になっていた分のレイルの重量がなくなることによってかなり軽量化され、さらに細くなったことによって握りやすくなるなどといいことずくめのものである。
今回はこれの5.56×45㎜仕様のMCXを使いホロサイトはEOTech558を使いAN/PEQ-16をつけたものを配備した。

もう一つ召喚したのが、SIGP320(M17)はM9A1(BerettaM92)の後継米陸軍正式拳銃として採用されたもので、VP9と同じくポリマーフレームオートで且つストライカー方式のハンドガンで、この米軍仕様の物はアンビサムセイフティがついている、使用弾薬は9×19㎜。

 そして彼女らはSIGMCXをワンポイントスリング(銃本体後部一か所に取り付け袈裟懸けのようにして使う)で吊り、SIGP320をサファリランドタイプのホルスタにいれている。
 
 閑話休題

 彼女らを待たせては悪いと思い、俺は思うように動かない体を無理やり動かしノロノロと歩き始めた。
 そんな俺のことを心配に思ってくれているメリアは、寄り添うように支えてくれていた。
 部屋を出てしばらくすると、王宮内を警備している王国衛視隊が20人ほど合流し、まるで何かの群れのようにゆっくりと王城内を縦断し、北側にある後宮に向かった。
 
 後宮に近づくと衛視隊たちは離れ、多数の一般メイドたちが通路両脇に並び出迎えてくれた。
 「「「「おかえりなさいませ!!」」」」

 後宮内は入るとすぐに円形の大広間があり、両脇各階層(5階層)には個室がある、そして一階奥には食堂、二階奥はキッチン、三階奥は俺専用の部屋、四・五階には浴場がある。
 
俺は後宮についてすぐに自室へと一直線に向かい、ベッドに身を投げていた。
しかし、後から追ってきた、メリアにすぐに起こされお風呂に入るようにすぐに促された。
そういえば、ここ(異世界)に来てからというもの一度も湯船につかっていなかった。
メリアは直接何も言ってこなかったが、流石に匂うのだろう。

「寝たい気持ちはわかるわ、でも、久々にゆっくりと身を暖かいお湯の中に入れるだけでもだいぶ違うと思うから入ってきたら?」
「うん、そうする、でもやっぱりめんどくさい、それにただのお湯でしょ?」
「ただのお湯以外に何があるっていうのよ?」
「よくぞ聞いてくれました!元居た世界には“温泉”というものがございましてですな、ただのお湯と違って体にいい成分がたっぷりと入ったもので……話すと長くなるんだけど取り合ず普通のお湯と全く違うんだ!だから今から召喚して浴場のお湯全部温泉にしておくね?」
「う、うん」
急に俺が今までの暗い表情から一転、饒舌に語りだしたのを見て、メリアは目を見開き固まっていた。
「……良し!これで大丈夫!じゃあ入ってくるね!」
 (温泉に入ると思ったら、テンション上がってきました!やっぱり日本人は温泉ですよね!!)
 「ま、待って、私も……」
 今にも飛んでいきそうな勢いでベッドから跳ね起き、その勢いのまま温泉に向かおうとしていたが、メリアは俺の袖をつかみ上目遣いでこっちを見ていた。
 「一緒に行こうか!」
 「うん!」

 すぐに、浴場へと向かった俺たちは、着ているものを浴室前のかごに脱ぎ捨て、バスタオルを持ち引き戸を開け入っていった。

 「そう!これ…………って、ええええええぇぇぇぇ!」
 「何よ!そんなに驚くことないじゃない、一応私だって恥ずかしいから、隠すところは隠してるわよ?(見たければはぎ取っていいんだからね)」
 (可愛すぎるでしょ!しかも、エ〇イです)
 「最後なんて?」
 「いいの!とりあえずはいろ!」

 お湯につかると、今までの疲れもあってしみるような感覚に襲われたが、それがまた心地いい。
 メリアは俺のすぐそばに入り寄り添ってきていた。
 「やっぱり、可愛いな、メリアは」
 「何よ!やっぱりって……でも、ありがとう!そういってもらえるのが一番うれしい」
 
 しばらくお湯につかり満足した二人は、そのまま部屋に戻りベッドに入り、湯上りの心地よさも手伝いすぐさま眠りにつた。

 

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