現代兵器で異世界無双

wyvern

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陸編

 23.夜襲に備えよ!!

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今回召喚した兵器はM134通称ミニガンだ。この銃は六本の銃身を持ちその束になった銃身を電動で動かし給弾ベルトによって弾を送り込み高速で弾を撃ちだす、所謂ガトリングガンだ。この銃は7.62×51㎜NATO弾を毎分約3000発発射し、短時間に多くの弾をばらまけるので射程の長いショットガンのような使い方ができる。通常車や装甲車・ヘリなどに搭載されるものであるが、機関銃などと同様に三脚などをつけ使用することも可能なので今回はそれに据えて射撃を行うつもりだ。
そして、さらにもう一つのガトリングガンも召喚した、その銃はGAU-19と呼ばれるものでこれは12.7×99㎜NATO弾を使用し、銃身は普通3本あるが今回は銃身が6本あるもの(実際に軽量化前で開発当初に存在していた)があったのでそちらを召喚した。
一応このLiSMによって召喚したものは、知らない人でも操縦や操作ができるようにはなっているが、まだ銃の操作に慣れている人数が少なく、夜戦というのも手伝って今回これは他の兵たちには使ってもらわないことにした。こちら側の人間は一人当たりの火力が高いガトリングガンを選んだ。

そして今回もう一つ召喚したのが、陸上自衛隊やアメリカ軍が使っているL16 81㎜迫撃砲だ。そもそも迫撃砲というのは通常の砲と違い、砲身に照準器つきの二脚と砲身の下にある金属板の台座だけの簡易な構造からなる火砲で、普通の榴弾砲などのように大人数または車両によって運ぶことがなく、迫撃砲は大きさにもよるが(重迫撃砲はさすがに牽引されて運搬)歩兵一人で運搬から砲撃迄行うことのできるものだ。
そのため砲兵からの支援が受けにくいような作戦では歩兵にとって頼もしい火力になってくれる。撃つときは高い射角(45度以上)で撃ち、弾は曲射弾道を描き空気抵抗などにより着弾時が垂直に近くなるため、壁を隔てて撃つことも、敵の塹壕内に直接攻撃することも可能なものだ。ただこの迫撃砲は真上に弾を撃ちあげる特性上横風に流されやすくピンポイント砲撃には向かず、弾が落ちる時の音によって敵に気付かれる恐れもあり、さらに急な角度で落ちていくので長距離の射撃には向いていない。
城壁の中から外を撃つことと夜戦なので照明弾の打ち上げも想定しているためこの兵器を選んだ。
この迫撃砲は比較的安全な場所からの砲撃になるので、城の防衛隊と親衛隊に頼みこの迫撃砲の使い方を簡単にレクチャーして参戦してもらう。今回は質より量の作戦なので練度は問わない(そんなこと言ったらガトリングでもって思わない)

この兵器を召喚し説明を始める
まずはこのM134ミニガンとGAU-19の使い方を今日の夜までにシルヴィア達に覚えてもらう。ちなみに両方とも城壁の上から撃ってもらう。
「じゃあ、まずこの兵器なんだけど、M――」
「おおっ!こんなにカッコいいものもあるのか!どれどれ……」
エレザは説明をする前によほど気になっていたのか、俺の話を遮ってミニガンに食いつきいじり始める。
「おいおい、俺の話を聞いてくれよ……まぁ今は弾が入ってないからいいけど……まずあのエレザがいじっている兵器だけど、シルヴィアに渡してある銃と一緒の弾を使うんだけど、それを一秒間に約100発敵に打ち込むことができるもので、隣にあるものは、ハンヴィーの上にのせていた銃の弾と同じ物を使ってこれまた、すさまじい速さで弾を敵に浴びせることができる。最後に筒状のものが、“迫撃砲”って言って爆弾を斜め上に打ち上げて、壁を山なりに通り越して攻撃できる。だから今回の場合壁の内側から安全に敵を攻撃できる。さらに操作は比較的簡単だから城の防衛隊の人たちで希望する人たちには参加してもらおうかと思って召喚してみた。多くの兵士に使ってもらえるようならともっと攻撃力が飛躍するかと思うよ」
「さすがですね陛下!これによって敵に頭上から一方的に攻撃することができるのですね!さらにはこの城の兵たちにも扱えるようなものをご用意していただけるとは……うれしい限りです。それにこれなら帝国軍の秘策があっても対抗できそうですね」
「ん?エレシア、帝国の秘策って何?」
「確か情報によると今ここに率いてきている部隊の中に魔法に特化した部隊がいるようなので、もしかしたら何らかのこちらに対する対策を講じてくるのではと思いまして」
「確かな情報か?」
「いえ、以前そのような部隊が存在しているという話を耳にしたことがありまして」
「そうか、あとで詳しく聞かせてくれ、あとでこちらも何か対策を考えないと」

兵器に興奮?しているエレザを見てサクラや他のメンバーは若干引いていたが皆この武器の有用性に興味を示してくれたようだ。
「この銃を使うのはいいけど、この銃たちは使わないの?」
そういって戦闘が終わってからもよほど気に入ったのか大事そうにHK416を持ったままのミレイユが聞いてくる
「使うけど……よほど気に入ったようだね」
「うん……だってあなたが私にくれたものだもの」
「ん?最後の方はよく聞こえないが?」
そのあとは顔を赤くしたまま俯いてしまった、一体ドウシタンデショウネェ?
「ともあれ、すぐにでも“迫撃砲”とやらの運用方法を日が沈むまでには防衛隊に伝授したくてはなりませんねぇ、陛下いかようにされますか?」
エレシアは少し困った表情で聞いてくる
「すぐに広場かなんかに集めて講習を開こう!日が沈むまで時間はないだろう、とりあえず頭の良さそうなものを選りすぐって集めてくれ!」
「ハッ、直ちに招集いたします!」
エレシアは近くにいた伝令を捕まえてすぐに思い当たった数名を呼び出すように伝え、講習の準備と戦闘準備に取り掛かった。

城の南西に位置する広い(大体300m×100mぐらい)練兵場では次の侵攻まで時間は残されていないと思うので招集された者がつくと同時に講習を始めた。
今回招集されたのは商人ギルド“ハミル商会”の社長(現代の会社のように課長や部長などの役職もあるようだ)を務めているハミルシア・ノアとその部下が招集されていた。このハミル商会は冒険者ギルドのような傭兵(ほとんど私兵に近い)をこの商会自らが所有していて、この商会の主力商品は武器や防具などの戦闘にかかわるもの販売とその武器に関してのレクチャー等をしている言わばPMC(民間軍事会社)のようなものだ。ちなみに今回の戦闘に商会所属の傭兵部隊も参加している。
このほかに親衛隊長のローレンスとその部下やこの町の民兵集団のリーダーが参加した。

講習を始める前に自己紹介を始めようとしたときどこかで見たことのある女性が挨拶をしてきた
「お初お目にかかります……ですかね、わたくしエレシア閣下の従妹に当たります、ハミルシア・ノアと申します」
「ん?君はもしや?」
「そうです、ご案内するその際に先導していたのは私でございます、ご無礼をお許しください、その時は陛下のご身分を知らなかったもので……」
申し訳なさそうな上目使いで俺のことを見てくるノアは、従姉のエレシアに似て蒼い色の髪をしており胸はそこまで大きくないものの全体的に整っている。
「先ほどの主人への無礼、この後身を以って贖え!」
シルヴィアはあった時から相当頭に来ていたようで、ここぞとばかりに怒りを爆発させる。
「も、申し訳ありましぇん!お許しを~、陛下には商会ともども一生付いていきますので」
「ま、まぁシルヴィア本人には悪気はなかったみたいだし、いいじゃないか」
「失礼しました、ご主人様出過ぎた真似を……」
「私からも謝罪いたします、申し訳ございません……」
ノアは涙目に、さらにエレシアはものすごく困ったような顔になってしまい開始早々暗い空気が漂ってしまう

「さ、さぁ気を取り直して、今回せっかく集まっていただいたので、さっそく自己紹介をと行きたいところですが、残念なことに帝国軍の侵攻がいつあるかわからない状態なのですぐに講習を始めます!」
「よろしくお願いしますぞ、“陛下”!」
「やめてくださいよ、恥ずかしいじゃないですか」
「はははっ、私は陛下について行きますぞ!なんていったって此処まで強行軍で我々を救いに来てくれた恩あるお方でもあるのですからな!」
「ありがとうございます。ではさっそくですが――」

ここに集まってくれたノアやローレンスとその両者の部下、さらには民兵たちを合わせて計20名の有志に講習を始めた。
皆覚えてくれるのが早く、すぐに実物を使った射撃訓練を行った、選りすぐられてだけあって射撃方法もすぐに身につき、短時間の間に速射も可能になるほどだった。
最終的にはローレンスがさらに兵を連れ教え込みはじめ、ノアも負けじと部下を呼び集め、総勢120名を超える人数にまで膨れ上がった。
ここまでくると、当初考えていた“支援砲撃”ではなく迫撃砲もメインに加わるほどの“砲撃”になりそうだ。

この講習(もはや軍事訓練)が終わるころには日が沈み始めた
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