現代兵器で異世界無双

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陸編

 13.キューレ救出作戦!!

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 リザードマンが村の周辺から完全に撤退したことを確認した後、村の防衛はそのまま村の衛兵たちに任せ、急遽編成したワタ達強行偵察隊はリザードマンの敗残兵が向かった方向と以前村人たちが偵察した時にあったであろう基地の位置を参考に敵基地の探索を開始した。

 この作戦を遂行するにあたって、新たに召喚をして武器と装備品追加をおこなった。今回追加したものはHK416と呼ばれるドイツのヘッケラー&コッホ社がアメリカ軍のM4を独自改良(強化)版で5.56×45mmNATO弾を使用する銃である。
HK416はM4と違いショートストロークピストンと呼ばれる機構に変更したため対塵性にと耐久性を向上させた。
特筆すべきは泥水や砂の中につけた後に撃っても何の問題もなく動作することができる程のものである。
これに近くの標的に素早く狙いをつけやすくすることができるEOTech社のホロサイト(簡単に説明するとミラーに映し出された点によって素早く照準をつけるための等倍率の照準器)をつけておく。
さらに非殺傷手榴弾で閃光と大音響を出し相手をひるませるための特殊閃光弾(通称“スタングレネード”)も召喚した。これはよく警察の特殊部隊などが人質救出時や立て籠もり犯を怪我させることなく且つ無力化したうえで安全に制圧するために使われる。
これらを召喚したのは今回の作戦の主な目的である村長の娘さんを救出しに行くことなので主に建物内に潜入するような物を用意した。
又いざという時や合図用に小型無線機を皆に持たせた。
狙撃要員のベルにはサプレッサー(銃口の先に取り付け発砲音を“減音”するもの)とスコープを取り付けたSIG716を持たせ、突撃要員の三人にはHK416をもたせた。

 エルベの村を出発して森の中を捜索し始めて半日ぐらいたってから、森が開けた草原のような場所にたどり着いた。
そこには小高い丘を背にした石造りの大きな家があった……

家は三階建てでその隣には倉庫のようなものもあり、リザードマンたちにはモンスターながらこのようなところを住処(巣?)にしてしまう知能があるのだと実感した。
ただ、あまりにも外観がよくできていて、さらに庭もついているので、この家は、もとは人間のものだった感じがある。

「見ろ! あそこに家があるぞ。しかも家の周りに見張りまでいるからきっとここに違いない」
「しかしワタ殿、どのようにしてあの家に潜入するのです? そのまま突入したら人質が殺害されてしまうのでは?」
「いい質問だ、シルヴィア。見たところ家の後ろに丘があるからそこからシルヴィアとベルに狙撃してもらい、敵がそれに釘付けになっている間に俺とエレザとミレイユで表の入り口から強襲するつもりだ」
「流石ワタ様よく考えていますね!」
「……ということで作戦開始!」

一行は森から出た後にベルとシルヴィアは丘の上の狙撃ポイントに向かい、俺自身は家を大きく迂回しベル達のいる丘の反対側のリザードマンの屋敷の正面玄関に向かった
 俺は突入前にマイクテストと合図をかねてインカムを使用する

「ベル聞こえるか?」
「聞こえています!見えない場所からこえが聞こえるなんて感激です!耳にじかに声が響いて興奮します!はぁはぁ……」
(ん?どういうコトデショウ?最後に何か聞こえたような気がする)
「えっと……そちらから内部の状況を伝えてくれ」
そう言われたベルはさっきの呆けた顔から真剣なまなざしに変えSIG716に取り付けられたスコープを覗き、ベランダから部屋の中を観察する
「ここから人質であるキューレさんと思しき女性が二階の部屋にいるのが見えます、その女性を複数人のリザードマンが取り囲んでいます!」
「しかも、ぜっ、全員服を着ていません!キューレさんが……」
つまりはアレですか……レ○プですか!全員即刻処刑ですねこれは。

「何!すぐにキューレに近い奴から狙撃を開始!」
「了解!」
 通信を聞いたベルはキューレの周りを固めているリザードマンに対して狙撃し始めた。
 ベルは地面に伏せ、静かに息を吐きながらスコープ越しに映るリザードマンの頭に狙いを定め、息が吐き終える前に引き金を引いた。
 それを合図にシルヴィアも狙いを定め射撃を開始する。

パスッ パスッ

 サプレッサーによって音が抑えられ気の抜けたような発砲音が聞こえ、その撃ちだされた弾は狙い違わず、狙われた頭に突き抜ける。
最初に射殺された奴はなにが起きたか分からずして倒れて言ったが、目の前の奴が音もなくいきなり死んだとなって混乱し、あるやつは何かが飛んできた方向丘に向け弓で応戦し始め、とあるものはどこから攻撃されているか分からず立ち止まったまま撃たれ、またある者は腰が抜けて動けなくなるものもいた。
 そんなことを意に介せずにベル次々に淡々と狙撃していく、まるでそれが当り前だと言うように――

丘側からの狙撃が始まったのと同時にまず俺が玄関近くを見張っていた兵を射殺、そのままエレザとミレイユとともに建物へと近づく。
中で混乱しているためか外には一兵も出てこなかった。
何事もなく建物に近づくと、まず玄関の扉をHK416と共に召喚しておいたC4(プラスチック爆弾)を設置し爆破後、フラッシュバンを投げ込み、入り口付近にいた敵を一時的に行動不能にさせる。
中に入ると、手始めに強烈な光と音で行動不能に陥った入り口でただ立っているだけのリザードマンを射殺しておく。
ベランダ側に集中していたリザードマン達は弓と石で応戦していたがこちらの爆発音に気づいた敵はこちらにも向かってきた、しかも全員棍棒やナイフ以外の装備はなく服も身につけておらず、下の方は先ほどまで目の前の“ご褒美”に対して反応していただろうが今は恐怖のためか委縮してしまっている。
俺は怒りと戦闘による興奮を覚えながらHK416で次々に射殺していく。
接近戦が多くなるとエレザとミレイユはHK416を使わず、そのまま剣で応戦し始めた。
ミレイユはまるで穢れたものを見るかのような目で、敵を淡々と斬り捨てていく。
一階を制圧し終わると二階へと向かおうとするが、この家は地下もあるらしく、階段では二階と地下階から敵がぞろぞろと湧き出てきた。
階段での戦闘でついにHK416の弾が尽きると、俺はHK416を背に回すと、近接戦闘に備えて持っていたP226をホルスターから抜き出し素早く持ち替え、すぐさま残りの敵に向かって弾を浴びせていく。

気付くと辺り一面死体が転がり血の海になっており、慣れていないこの凄惨な状態に俺は少し嘔吐感を覚えた。
(流れで、ここまで殺してしまったけど、俺ってこんなに残忍なことも平気でできてしまうようになってしまった……)
以前ゴブリンを討伐したときはあまりにも多い敵だったのでそんなことを気にする余裕すら与えてもらえなかったが、今こうやって冷静になって考えてみると。俺はもうすでに「殺す」ということになんの躊躇や戸惑いを感じずにやっていることに気付いてしまった。


仲間がこの状態になっているのにも関わらず、最後に生き残った2人のリザードマンは、部屋の中心で椅子に裸のまま縛り付けられているキューレの首や胸にナイフを突き付け最後の抵抗を試みようとしていた。

「その子を放せ!」
「近ヅクナ!コイツガドウナッテモ良イノカ!」
「やめて!助けて!ムグゥ~!」
「ダマレ! ソコノオマエハソノ武器を下セ!サモナクバコイツヲ殺スゾ!」

キューレは涙目になりながらでこちらに訴えてくるが、その訴えも口を押さえられることによって遮られる

武器を持ったままでは悪戯に刺激すると思い、素直に指示に従い、武器を床に置き、両手を上げる。
どうすればいいのかわからなくそのまま立ち尽くしていたエレザ達も、武器を置き、手を上げる

「ヨシ!ワカッテクレタヨウダナ、仲間ハ死ンダガ二人モイレバ“可能”ダ」
「何をするつもりだったんだ?」
「貴様ニハ理解デキナイカモナ」
にらみ合いと一瞬の静寂の後に、あることを思い出しインカムで話しかける
「……ベル聞こえるか?」
「はい……聞こえていますし見えてもいます」
「俺が手前にいる奴に体当たりをしたと同時に後ろでナイフを突き付けている奴を狙撃しろ」
「仰せのままに」

「ナニヲボソボソト言ッテイル!コイツノク――」
 一人は言い終わる前に頭を撃たれ、もう一人は俺の体当たりよって床に倒される――


敵が殲滅されたことが分かるとベル達はすぐさま家へと向かう、二人が到着すると先ほどワタがタックルをかました相手は部屋の柱に縛り付けられており、キューレはすすり泣きながらワタに抱きついていた。
「もう大丈夫だ、安心して」
「ものッ…すッごく…怖かったです」
「もうあいつらは倒したから、心配しないで」

奴らもそうだったがキューレ自身も衣服を身につけていない状態で、頬や額には何かで殴られ傷ついたのか血の乾いた痕もあり、さき程のナイフを突き付けられた痕あった、ただ不幸中の幸いで“行為”までは及ばれていないようだった
今の俺はキューレの母親譲りの巨乳の感触が衣服を着けていないのでダイレクトに伝わってくる。肩まで伸びた髪の毛はこんな環境下であったのにもかかわらずサラサラしていて、ほのかに甘い香りがしてくる。

「ワタ殿、取り込み中のところ失礼ですが報告します。この屋敷は以前人がすんでいた形跡が見られそれも最近のことだと思われます。先ほど裏の倉庫らしき場所で老いた男性と女性の遺体を発見いたしました。おそらくここの住人だったと思われます」
「そうか……ありがとうシルヴィア」
「そ、そんな畏れ入ります……」
(ハァ……私もあのように抱かれてみたい)
「どうした?」
「なんでもありません、それよりこの後はどうされます?」
一瞬シルヴィアは下を向いてぶつぶつ何かを言ったのち、声をかけられると、さもなにもなかったかのように普段の顔つきに戻った
「まぁ良い、とにかくこの屋敷から撤退しよう。日もそろそろ落ちてくることだし」
「ワタ様コイツは如何致しましょうか?フフッ」
いつの間にかベルは、柱に縛り付けていた奴に俺のP226を持ち、その銃口を向けさらには不気味な笑みを浮かべ、顔全体が歪んでいる。
(なんでだろう?あの可愛いベルが鬼のように……)
「ど、どうした?ベルちゃん落ち着いて、な?」
「そ、そうですよ。一旦その銃を置きましょう」
「まぁ、まて、そう急くことはないだろうに」
「タノム!コロサナイデクレ」


バンッ

「乙女をこんなにまでさせた罰よ」

ベルは捕虜として連れ帰ろうとしていたリザードマンを周りの制止を聞かずに撃ち殺してしまった――
殺してしまったことに後悔しているのか悔しさからなのか今は涙を浮かべ立ち尽くしている。
「ベル、どうしてそんなことを?」
「すみません、解りません……」

ベルはふらふらとキューレに近付きしゃがんだかと思うと、そのまま二人揃って泣き崩れ、シルヴィアも俺も手に負えない状態なってしまったが、しばらくたつと二人とも泣き止み落ち着きを取り戻した。

「私の為に助けて来て頂きありがとうございました」
「もう少し早く助けにこれなくてゴメンな」
「いえ、助けにきて頂いただけで十分です。しかもあんなに抱きつけましたし……」
「ん?最後の方が聞こえなかったが?まァ、いいや日が暮れないうちに村に帰ろうか」
「「「ハイッ」」」
 
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