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3,考え始めること
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短艇を岸に着け、エドライツは降りた。下は小石で、靴を履いていないアインセラが降りるのを躊躇っていると、それを察したエドライツが靴を拾い上げ、目の前に揃えてくれた。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
お礼を言ってから、パンプスを履いてアインセラも短艇から降りようとした。
その際、エドライツはアインセラが降りやすいようにと手を差し出してくれた。
普段、こういうことをするのは婚約者であるアフルールの役目だが、リツヴァイゼに首ったけの彼は公の場ならともかく、私生活ではリツヴァイゼのエスコートを常に優先させていた。
そのため、慣れていないアインセラは、初めて人間が近寄ってきた野良猫のような挙動でエドライツの手に自らの手を重ねた。
しっかりと地を踏みしめると、ザリッと小石の擦れる音がする。
ようやく岸に帰って来れたアインセラは、危うく中洲で遭難した上に、中洲が沈没しかけ、最終的に河に落ちたことを振り返ると、黄金郷に辿り着いた航海者のような気分だ。
「ようやく・・・・・・ようやくっ! とうとう帰って来られた! 置いてかれるわ、沈みかけるわ、散々な目にあったけど、結局ずぶ濡れだけど、今は帰還した喜びを噛み締めるッッッ!」
拳を突き上げた芝居がかった動きで、アインセラは言った。舞台役者なら照明が集中していそうな、冥府の試練を乗り越えたかのような安堵の表情である。「よかった!」というよりは、「ようやく終わった!!!」という感じだ。
「よかったな。それはそれとして、沈むことを知らなかったとしても、孤立した中洲に置き去りにするって言うのは悪質だから、誰かに相談した方がいいと思いますよ」
「それは──はい」
エルドラドの言う通り、沈むことを知らなかったということを抜いても、二人のやったことは度を越している。何よりもアインセラを嘲り、哄笑するリツヴァイゼの顔を思い出すと、腹の底から怒りが沸いてくる。
(──そろそろ本気で考えた方がいいのかしら?)
アインセラの頭に婚約破棄の四文字が浮かぶ。
とはいえ──
(アフルールの実家も名家だから、私の方から言うと角が立つし・・・・・・)
そもそも婚約破棄するにしても手間だが、その後の処理が輪を掛けてめんどくさい。主にリツヴァイゼ周りが。
婚約破棄だけでもスキャンダル。その上、アフルールとリツヴァイゼの関係が世間に知られれば、婚約者を巡る爛れた三角関係だのなんだのと面白おかしく書き立てられて三流新聞の紙面を飾る──なんてことも有り得るかもしれない。
そうなればアインセラも好奇の目に晒されるだろう。が、あくまで一番の問題は他人の目よりもリツヴァイゼたちだ。
(まぁ、人の噂も七十五日・・・・・・とは言え、婚約破棄した後もばかとバカの相手するの嫌よ)
世間の評価にはあまり興味がないし、婚約破棄になっとしてもアインセラに責められる要因はないため、騒ぎになっても最悪ほとぼりが冷めるまで雲隠れでもすれば済む話だ。
それはそれとして、婚約破棄後もあの二人にウザ絡みされることが懸念された。
(婚約破棄後にリツヴァイゼたちがどうしようとご勝手にって感じだけど、あいつらシンプルに性格悪いからな)
性格のいい人間はあんな子供っぽい嫌がらせはしない。
あの二人ならふざけた理由でちょっかいを掛けてくるという嫌な信頼があった。
「両親とかに言いにくかったら、ルイージに相談してみたら?」
「え?」
「ん? あれ? レプリコット侯爵家の令嬢ですよね? ルイージの弟の婚約者の──」
「そうですけど・・・・・・ルイージ様をご存知で?」
ルイージというのはアフルールの兄だ。
自身のことに関しては、アインセラ・レプリコットと名乗ったのだから、レプリコット侯爵家の娘だと推察するのは容易だろうが、その婚約者や婚約者の兄まで当てられて、アインセラは驚いた。
「ああ、ルイージとは幼なじみだから。あいつの弟にも何度か会ったことがあるし、レプリコット侯爵の長女と聞いてましたから」
エドライツの説明に、アインセラは得心がいった。
(アフルールの実家も公爵家だし、見たところダンブルゲン様とルイージ様は歳が近そうだし、知り合いでもおかしくはないわね)
「ルイージはアフルールの兄だし、相談すれば親身に考えてくれますよ」
「けれどルイージ様は今、お爺様のいらっしゃる領地のお屋敷へ行ってらっしゃるようですし」
今日の舟遊びにルイージがいないのは、そういう訳だ。領地経営を学ぶため、定期的に先代ダンブルゲン公爵である祖父のいる領地へ滞在しているらしい。それにそもそも、婚約者の兄とはいえ、アインセラはあまりルイージと関わったことがなかった。
ルイージの目がある時は、リツヴァイゼとの関係を隠しているアフルールが顔面に笑顔を張りつけてアインセラの隣にいたからだ。
(そういえば、そういう時はリツヴァイゼが何かルイージ様に付き纏っていたわね)
アフルールも顔がいいが、その兄でいるルイージもかなりの美丈夫だ。
美丈夫と言えば、エドライツも整った顔をしている。
色素の薄い髪と深い緑の瞳。知性を感じる顔立ち。佇まいは若木のように瑞々しく、力が漲っている。自然の中にいるとまるで、森の精のようだ。しかし、表情は年相応で気取っていない。目上の相手ではあるが、アインセラも話しやすかった。
「あっ、そうか。なら手紙を書いて送ればいいんだろ──じゃなくて、いいんじゃないですか?」
「けれど、今までルイージ様にお手紙を書いたことなんてありませんし──急にご迷惑じゃないでしょうか? あの、ところで別に無理して言葉遣いを変えられる必要はありませんよ?」
最初の会話からずっと、エドライツが無理に自分の喋り方を正していたのは察していた。ところどころで素が出ていたし、軌道修正している痕跡があった。
「そりゃ助かった! 堅苦しいのは苦手なんだ。正装とかでビシッとキメてる時とかは気が引き締まってボロ出さずに済むんだけど、今日は遊びに来たからさー」
一気に砕けたエドライツは、肩の力を抜いて両手を後ろについた。
「あのさ、ルイージに相談しにくいんなら、レプリコット嬢がよければ、俺の方からそれとなく伝えておくけど?」
「うーん・・・・・・」
会ったばかりの相手にそこまで頼っていいものか。
悩みながら口元を隠して小さく唸る。鼻がむずむずし出した。
「クシュンッ!」
アインセラがくしゃみをした。毛布を被っていても、服そのものが濡れていては気休めにしかならない。河の水は冷たい。ずっとこのままの格好でいたら風邪をひいてしまう。
「大丈夫か?」
「ズ・・・・・・ええ、はい」
「今の話はすぐ答える必要ないから、とりあえず服を何とかしよう。着替えとか持ってきてる?」
「いえ。泳ぐ予定なんてありませんでしたから」
「だよな。俺も流石に着替えはないし・・・・・・とりあえず下流の方の駐艇場の事務所に行ってみよう。ここは貴族がよく利用するから、不測の事態に備えて着替えの一着や二着くらいなら備えがあるかもしれない」
「一理ありますね。着替えがなかったとしても、服を乾かさせて貰えるかもかもですし・・・・・・」
「よし、決まりだな!」
話が駐艇場の事務所へ向かうという方針で固まり、短艇へ乗り込もうとした。
「ん?」
その時、二人のいる場所から少し離れた茂みの影に、変なものを見つけた。
「ダンブルゲン様、あれ──」
「何? ──って、何だあれ」
茂みからはみ出ていたのは、人の足だった。服装や足の大きさからして男性だろう。
その足は向きから茂みの影の人物が俯せで倒れているのが分かる。
アインセラとエドライツは顔を出したら見合わせると、そこへ近づいた。
そこにはエドライツと同じ年か、それより少し年上と思わしき二十歳前後の青年がぐったりと倒れ伏していた。
それを見た二人は驚き過ぎて絶叫した。
「「ひ、ひ、人だああああああああああああああああ──────!!!!!」」
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
お礼を言ってから、パンプスを履いてアインセラも短艇から降りようとした。
その際、エドライツはアインセラが降りやすいようにと手を差し出してくれた。
普段、こういうことをするのは婚約者であるアフルールの役目だが、リツヴァイゼに首ったけの彼は公の場ならともかく、私生活ではリツヴァイゼのエスコートを常に優先させていた。
そのため、慣れていないアインセラは、初めて人間が近寄ってきた野良猫のような挙動でエドライツの手に自らの手を重ねた。
しっかりと地を踏みしめると、ザリッと小石の擦れる音がする。
ようやく岸に帰って来れたアインセラは、危うく中洲で遭難した上に、中洲が沈没しかけ、最終的に河に落ちたことを振り返ると、黄金郷に辿り着いた航海者のような気分だ。
「ようやく・・・・・・ようやくっ! とうとう帰って来られた! 置いてかれるわ、沈みかけるわ、散々な目にあったけど、結局ずぶ濡れだけど、今は帰還した喜びを噛み締めるッッッ!」
拳を突き上げた芝居がかった動きで、アインセラは言った。舞台役者なら照明が集中していそうな、冥府の試練を乗り越えたかのような安堵の表情である。「よかった!」というよりは、「ようやく終わった!!!」という感じだ。
「よかったな。それはそれとして、沈むことを知らなかったとしても、孤立した中洲に置き去りにするって言うのは悪質だから、誰かに相談した方がいいと思いますよ」
「それは──はい」
エルドラドの言う通り、沈むことを知らなかったということを抜いても、二人のやったことは度を越している。何よりもアインセラを嘲り、哄笑するリツヴァイゼの顔を思い出すと、腹の底から怒りが沸いてくる。
(──そろそろ本気で考えた方がいいのかしら?)
アインセラの頭に婚約破棄の四文字が浮かぶ。
とはいえ──
(アフルールの実家も名家だから、私の方から言うと角が立つし・・・・・・)
そもそも婚約破棄するにしても手間だが、その後の処理が輪を掛けてめんどくさい。主にリツヴァイゼ周りが。
婚約破棄だけでもスキャンダル。その上、アフルールとリツヴァイゼの関係が世間に知られれば、婚約者を巡る爛れた三角関係だのなんだのと面白おかしく書き立てられて三流新聞の紙面を飾る──なんてことも有り得るかもしれない。
そうなればアインセラも好奇の目に晒されるだろう。が、あくまで一番の問題は他人の目よりもリツヴァイゼたちだ。
(まぁ、人の噂も七十五日・・・・・・とは言え、婚約破棄した後もばかとバカの相手するの嫌よ)
世間の評価にはあまり興味がないし、婚約破棄になっとしてもアインセラに責められる要因はないため、騒ぎになっても最悪ほとぼりが冷めるまで雲隠れでもすれば済む話だ。
それはそれとして、婚約破棄後もあの二人にウザ絡みされることが懸念された。
(婚約破棄後にリツヴァイゼたちがどうしようとご勝手にって感じだけど、あいつらシンプルに性格悪いからな)
性格のいい人間はあんな子供っぽい嫌がらせはしない。
あの二人ならふざけた理由でちょっかいを掛けてくるという嫌な信頼があった。
「両親とかに言いにくかったら、ルイージに相談してみたら?」
「え?」
「ん? あれ? レプリコット侯爵家の令嬢ですよね? ルイージの弟の婚約者の──」
「そうですけど・・・・・・ルイージ様をご存知で?」
ルイージというのはアフルールの兄だ。
自身のことに関しては、アインセラ・レプリコットと名乗ったのだから、レプリコット侯爵家の娘だと推察するのは容易だろうが、その婚約者や婚約者の兄まで当てられて、アインセラは驚いた。
「ああ、ルイージとは幼なじみだから。あいつの弟にも何度か会ったことがあるし、レプリコット侯爵の長女と聞いてましたから」
エドライツの説明に、アインセラは得心がいった。
(アフルールの実家も公爵家だし、見たところダンブルゲン様とルイージ様は歳が近そうだし、知り合いでもおかしくはないわね)
「ルイージはアフルールの兄だし、相談すれば親身に考えてくれますよ」
「けれどルイージ様は今、お爺様のいらっしゃる領地のお屋敷へ行ってらっしゃるようですし」
今日の舟遊びにルイージがいないのは、そういう訳だ。領地経営を学ぶため、定期的に先代ダンブルゲン公爵である祖父のいる領地へ滞在しているらしい。それにそもそも、婚約者の兄とはいえ、アインセラはあまりルイージと関わったことがなかった。
ルイージの目がある時は、リツヴァイゼとの関係を隠しているアフルールが顔面に笑顔を張りつけてアインセラの隣にいたからだ。
(そういえば、そういう時はリツヴァイゼが何かルイージ様に付き纏っていたわね)
アフルールも顔がいいが、その兄でいるルイージもかなりの美丈夫だ。
美丈夫と言えば、エドライツも整った顔をしている。
色素の薄い髪と深い緑の瞳。知性を感じる顔立ち。佇まいは若木のように瑞々しく、力が漲っている。自然の中にいるとまるで、森の精のようだ。しかし、表情は年相応で気取っていない。目上の相手ではあるが、アインセラも話しやすかった。
「あっ、そうか。なら手紙を書いて送ればいいんだろ──じゃなくて、いいんじゃないですか?」
「けれど、今までルイージ様にお手紙を書いたことなんてありませんし──急にご迷惑じゃないでしょうか? あの、ところで別に無理して言葉遣いを変えられる必要はありませんよ?」
最初の会話からずっと、エドライツが無理に自分の喋り方を正していたのは察していた。ところどころで素が出ていたし、軌道修正している痕跡があった。
「そりゃ助かった! 堅苦しいのは苦手なんだ。正装とかでビシッとキメてる時とかは気が引き締まってボロ出さずに済むんだけど、今日は遊びに来たからさー」
一気に砕けたエドライツは、肩の力を抜いて両手を後ろについた。
「あのさ、ルイージに相談しにくいんなら、レプリコット嬢がよければ、俺の方からそれとなく伝えておくけど?」
「うーん・・・・・・」
会ったばかりの相手にそこまで頼っていいものか。
悩みながら口元を隠して小さく唸る。鼻がむずむずし出した。
「クシュンッ!」
アインセラがくしゃみをした。毛布を被っていても、服そのものが濡れていては気休めにしかならない。河の水は冷たい。ずっとこのままの格好でいたら風邪をひいてしまう。
「大丈夫か?」
「ズ・・・・・・ええ、はい」
「今の話はすぐ答える必要ないから、とりあえず服を何とかしよう。着替えとか持ってきてる?」
「いえ。泳ぐ予定なんてありませんでしたから」
「だよな。俺も流石に着替えはないし・・・・・・とりあえず下流の方の駐艇場の事務所に行ってみよう。ここは貴族がよく利用するから、不測の事態に備えて着替えの一着や二着くらいなら備えがあるかもしれない」
「一理ありますね。着替えがなかったとしても、服を乾かさせて貰えるかもかもですし・・・・・・」
「よし、決まりだな!」
話が駐艇場の事務所へ向かうという方針で固まり、短艇へ乗り込もうとした。
「ん?」
その時、二人のいる場所から少し離れた茂みの影に、変なものを見つけた。
「ダンブルゲン様、あれ──」
「何? ──って、何だあれ」
茂みからはみ出ていたのは、人の足だった。服装や足の大きさからして男性だろう。
その足は向きから茂みの影の人物が俯せで倒れているのが分かる。
アインセラとエドライツは顔を出したら見合わせると、そこへ近づいた。
そこにはエドライツと同じ年か、それより少し年上と思わしき二十歳前後の青年がぐったりと倒れ伏していた。
それを見た二人は驚き過ぎて絶叫した。
「「ひ、ひ、人だああああああああああああああああ──────!!!!!」」
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