123 / 183
第一章 公爵令嬢曰く、「好奇心は台風の目に他ならない」
事件ではない
しおりを挟む
「レイセンは自衛以外で魔法を人に向けるのは禁止されてますから。それに他国にも魔法や魔法道具を軍事利用しないようにと宣言してます。もし、そうなった場合はレイセンが全力で阻止しますし」
魔法を戦争の道具にしない。それはレイセンが建国の時から掲げているポリシーだ。
犯罪組織の制圧とかなら例外だけど、レイセンはそういった特例を除いて決して魔法を人を傷つける目的では使わない。
その為、魔法が戦争に使われることはない。
理由は簡単だ。魔法を使えばレイセンが動くから。
「魔法じゃレイセンには敵わない、か」
「ええ。それに帝国は魔法との相性が悪いですからね。ある種のストッパーなんですよ」
帝国は大陸の国々にとって共通の脅威と言える。その侵略をはね除けているレイセンを他の国がわざわざ攻撃することはない。
勿論、他国も他国でそれぞれの土地柄や技術を活かして防衛している。
「魔法の源があるこの国の、私たち魔法使いが魔法が人を傷つけることを肯定するわけにはいきません。ですので、レイセンに滞在するうちは魔法を攻撃目的で使うというのは冗談でも言わない方がいいですよ」
「分かってるって。ちょっと言ってみただけ」
「ああ、でも不審者とかが出たら容赦しなくていいです」
「へ?」
「やられる前にやってください」
「今までの話覚えてる?」
「はい。けど、自衛は別ですから」
そう言ったのは昨日の件や今朝の件があったから。割りと魔法バンバンやっちゃったからなぁ。いや、あれは不可抗力だけど。
「レイセンって不審者出るの?」
「どこの国にも多かれ少なかれいると思いますよ?」
「ああ、もう春だもんな」
春に不審者。なんとなく、エリックさんが想像したものの予想がついた。
「・・・・・・言っておきますけど、変態に魔法撃っちゃダメですよ」
「え!? レイセンは変態は不審者じゃないのか!? あ、変質者か!」
「不審者でも変質者でもヤバいと思ったら魔法使ってOKですけど、程度によりますからねぇ。何もしてこなかったら大声上げて逃げてください。警邏隊くるでしょうから」
「入るぞ! 警邏隊だ!」
「え! 警邏隊来た!? 何々、変態でも出たのか!?」
突然、お店の方で大声がした。数人の足音がする。声の主は警邏隊を名乗り、エリックさんはキョロキョロと辺りを見渡して変態を探している。いや、多分ここに変態はいないと思うよ?
「エリック、何を素頓狂なことを言ってるんですか? あのワカメの件でしょう」
「あ、そうか」
どうやら今、あの増幅ワカメ事件を知った警邏隊が到着したようだ。とはいえ、ワカメの件は終了してるけど。
そう思っていると、室内に警邏隊が入ってきた。何故か、手には小さな魔法陣。どうしたんだろう?
「貴方たちはここの人間ですか?」
「そーだけど」
「そうですか。よかった。到着が遅れてすみません。で、犯人は?」
「犯人?」
「増幅の魔法をワカメに使い、魔法道具店を襲撃するという占拠行為を行った犯人です。食べ物をそのようなことに使うなど言語道断! 安心してください。犯人は我々が捕縛しますので」
「は?」
「え?」
「んん!?」
なんか、誤解があるなー!?
魔法を戦争の道具にしない。それはレイセンが建国の時から掲げているポリシーだ。
犯罪組織の制圧とかなら例外だけど、レイセンはそういった特例を除いて決して魔法を人を傷つける目的では使わない。
その為、魔法が戦争に使われることはない。
理由は簡単だ。魔法を使えばレイセンが動くから。
「魔法じゃレイセンには敵わない、か」
「ええ。それに帝国は魔法との相性が悪いですからね。ある種のストッパーなんですよ」
帝国は大陸の国々にとって共通の脅威と言える。その侵略をはね除けているレイセンを他の国がわざわざ攻撃することはない。
勿論、他国も他国でそれぞれの土地柄や技術を活かして防衛している。
「魔法の源があるこの国の、私たち魔法使いが魔法が人を傷つけることを肯定するわけにはいきません。ですので、レイセンに滞在するうちは魔法を攻撃目的で使うというのは冗談でも言わない方がいいですよ」
「分かってるって。ちょっと言ってみただけ」
「ああ、でも不審者とかが出たら容赦しなくていいです」
「へ?」
「やられる前にやってください」
「今までの話覚えてる?」
「はい。けど、自衛は別ですから」
そう言ったのは昨日の件や今朝の件があったから。割りと魔法バンバンやっちゃったからなぁ。いや、あれは不可抗力だけど。
「レイセンって不審者出るの?」
「どこの国にも多かれ少なかれいると思いますよ?」
「ああ、もう春だもんな」
春に不審者。なんとなく、エリックさんが想像したものの予想がついた。
「・・・・・・言っておきますけど、変態に魔法撃っちゃダメですよ」
「え!? レイセンは変態は不審者じゃないのか!? あ、変質者か!」
「不審者でも変質者でもヤバいと思ったら魔法使ってOKですけど、程度によりますからねぇ。何もしてこなかったら大声上げて逃げてください。警邏隊くるでしょうから」
「入るぞ! 警邏隊だ!」
「え! 警邏隊来た!? 何々、変態でも出たのか!?」
突然、お店の方で大声がした。数人の足音がする。声の主は警邏隊を名乗り、エリックさんはキョロキョロと辺りを見渡して変態を探している。いや、多分ここに変態はいないと思うよ?
「エリック、何を素頓狂なことを言ってるんですか? あのワカメの件でしょう」
「あ、そうか」
どうやら今、あの増幅ワカメ事件を知った警邏隊が到着したようだ。とはいえ、ワカメの件は終了してるけど。
そう思っていると、室内に警邏隊が入ってきた。何故か、手には小さな魔法陣。どうしたんだろう?
「貴方たちはここの人間ですか?」
「そーだけど」
「そうですか。よかった。到着が遅れてすみません。で、犯人は?」
「犯人?」
「増幅の魔法をワカメに使い、魔法道具店を襲撃するという占拠行為を行った犯人です。食べ物をそのようなことに使うなど言語道断! 安心してください。犯人は我々が捕縛しますので」
「は?」
「え?」
「んん!?」
なんか、誤解があるなー!?
0
お気に入りに追加
3,264
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
転生したら乙ゲーのモブでした
おかる
恋愛
主人公の転生先は何の因果か前世で妹が嵌っていた乙女ゲームの世界のモブ。
登場人物たちと距離をとりつつ学園生活を送っていたけど気づけばヒロインの残念な場面を見てしまったりとなんだかんだと物語に巻き込まれてしまう。
主人公が普通の生活を取り戻すために奮闘する物語です
本作はなろう様でも公開しています
転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜
ひろのひまり
恋愛
生まれ変わったらそこは異世界だった。
沢山の魔力に助けられ生まれてこれた主人公リリィ。彼女がこれから生きる世界は所謂乙女ゲームと呼ばれるファンタジーな世界である。
だが、彼女はそんな情報を知るよしもなく、ただ普通に過ごしているだけだった。が、何故か無関係なはずなのに乙女ゲーム関係者達、攻略対象者、悪役令嬢等を無自覚に誑かせて関わってしまうというお話です。
モブなのに魔法チート。
転生者なのにモブのド素人。
ゲームの始まりまでに時間がかかると思います。
異世界転生書いてみたくて書いてみました。
投稿はゆっくりになると思います。
本当のタイトルは
乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙女ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか?〜
文字数オーバーで少しだけ変えています。
なろう様、ツギクル様にも掲載しています。
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
悪役令嬢に転生したので、やりたい放題やって派手に散るつもりでしたが、なぜか溺愛されています
平山和人
恋愛
伯爵令嬢であるオフィーリアは、ある日、前世の記憶を思い出す、前世の自分は平凡なOLでトラックに轢かれて死んだことを。
自分が転生したのは散財が趣味の悪役令嬢で、王太子と婚約破棄の上、断罪される運命にある。オフィーリアは運命を受け入れ、どうせ断罪されるなら好きに生きようとするが、なぜか周囲から溺愛されてしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる