45 / 183
第一章 公爵令嬢曰く、「好奇心は台風の目に他ならない」
ロイドの測定
しおりを挟む
「使い方は他の測定器と違ったところはありません。測定器に繋がった腕輪をつけて、このレバーを引けば勝手に測定されます」
ロイドさんが腕輪を嵌めた方の手の人差し指をぴんと伸ばして測定器の使用方法を説明してくれる。
「レバーを引いたら、魔力を放出するだけ。では」
ロイドさんはレバーを引いた。
すると、魔力測定器の中の硝子菅が魔法光を放った。魔力が通っているのだ。
魔力光が巡ると上のレンズが光を放ち、空中に5000の数字を浮かび上げた。
数値は共通だから、基準の齟齬はないはず。5000はレイセン王国の平均魔力は3000だから、二倍とはいかないまでもそこそこ高いと言えるだろう。
「この下のマークはなんですか?」
私が数字の下にある赤、青、銀の三つの丸いマークを指差して尋ねた。
「これは適正のある魔法属性を示しています。赤は炎魔法、青は水魔法、銀は生成魔法の印です。あくまで適正ですから、他の属性が使えないというわけではありませんがね」
「へー」
よく見ると、赤は炎、青は雫、銀は剣の模様をしているのが分かった。
「他にもこんな風に、魔力のコンディションを確認したり、一日の魔法使用量などを表示する機能も制作中です」
映し出された映像の端の金色のボタン(?)に触れると、新たな画面が現れ、そこに円グラフやら細かい文字やらが書かれている。
「便利そうですね」
「反応薄いですねー」
私がお茶を啜りながら端的な感想しか述べなかったのがショックだったのか、ロイドさんがガックリと肩を落とす。
「でも、これで正真正銘の魔力測定器とご理解頂けましたか?」
「確かにそのようだが、それでもギルハードには使わせられない」
「どうしてもダメ、ですか?」
「ダメだ。それに、これだけの高性能の測定器を壊して悶着を起こすわけにもいかないしな」
頑なに許可しないギーシャは最後にそうつけ足した。
「そういえば、ギルハード様は魔法道具クラッシャーとして有名だったね」
「そんな呼ばれ方をしてるのか・・・・・・」
ギルハード様は常に体が高密度の魔力に包まれている状態。つまり、素手で魔法道具に触れれば、魔法道具の魔力許容量を余裕で上回り、最悪爆発、良くて故障させてしまうという非常に魔法道具と相性の悪い方だ。
今、店内に入らず店先で待っているのも、自分の魔力が商品に影響を及ぼさないようにとの配慮もある。
私がロイドさんにその事を話すと、ロイドさんは暫く考え込んでから店から出ていった。
「あれ? ロイドさん?」
「いえいえ、そんなこといわずにどーぞどーぞ!」
「わ、わかったから離してくれ」
外からロイドさんの楽しそうな声とギルハード様の戸惑った声が聞こえる。
しばらく二人は何か話して、ロイドさんがギルハード様を店内に連れてきた。というか、引きずり込んで来た。
ギルハード様はロイドさんに腕を捕まれており、それが非常に心地が悪いのだろう。困惑の表情を浮かべている。
「ギルハード、大丈夫か? 悪いが、ギルハードから手を離してくれ」
「殿下。ありがとうございます」
ギーシャに言われた通りにロイドさんは手を離し、ギルハード様は安堵の息を吐いた。
が、ここから先どうなるんだろう?
ロイドさんが腕輪を嵌めた方の手の人差し指をぴんと伸ばして測定器の使用方法を説明してくれる。
「レバーを引いたら、魔力を放出するだけ。では」
ロイドさんはレバーを引いた。
すると、魔力測定器の中の硝子菅が魔法光を放った。魔力が通っているのだ。
魔力光が巡ると上のレンズが光を放ち、空中に5000の数字を浮かび上げた。
数値は共通だから、基準の齟齬はないはず。5000はレイセン王国の平均魔力は3000だから、二倍とはいかないまでもそこそこ高いと言えるだろう。
「この下のマークはなんですか?」
私が数字の下にある赤、青、銀の三つの丸いマークを指差して尋ねた。
「これは適正のある魔法属性を示しています。赤は炎魔法、青は水魔法、銀は生成魔法の印です。あくまで適正ですから、他の属性が使えないというわけではありませんがね」
「へー」
よく見ると、赤は炎、青は雫、銀は剣の模様をしているのが分かった。
「他にもこんな風に、魔力のコンディションを確認したり、一日の魔法使用量などを表示する機能も制作中です」
映し出された映像の端の金色のボタン(?)に触れると、新たな画面が現れ、そこに円グラフやら細かい文字やらが書かれている。
「便利そうですね」
「反応薄いですねー」
私がお茶を啜りながら端的な感想しか述べなかったのがショックだったのか、ロイドさんがガックリと肩を落とす。
「でも、これで正真正銘の魔力測定器とご理解頂けましたか?」
「確かにそのようだが、それでもギルハードには使わせられない」
「どうしてもダメ、ですか?」
「ダメだ。それに、これだけの高性能の測定器を壊して悶着を起こすわけにもいかないしな」
頑なに許可しないギーシャは最後にそうつけ足した。
「そういえば、ギルハード様は魔法道具クラッシャーとして有名だったね」
「そんな呼ばれ方をしてるのか・・・・・・」
ギルハード様は常に体が高密度の魔力に包まれている状態。つまり、素手で魔法道具に触れれば、魔法道具の魔力許容量を余裕で上回り、最悪爆発、良くて故障させてしまうという非常に魔法道具と相性の悪い方だ。
今、店内に入らず店先で待っているのも、自分の魔力が商品に影響を及ぼさないようにとの配慮もある。
私がロイドさんにその事を話すと、ロイドさんは暫く考え込んでから店から出ていった。
「あれ? ロイドさん?」
「いえいえ、そんなこといわずにどーぞどーぞ!」
「わ、わかったから離してくれ」
外からロイドさんの楽しそうな声とギルハード様の戸惑った声が聞こえる。
しばらく二人は何か話して、ロイドさんがギルハード様を店内に連れてきた。というか、引きずり込んで来た。
ギルハード様はロイドさんに腕を捕まれており、それが非常に心地が悪いのだろう。困惑の表情を浮かべている。
「ギルハード、大丈夫か? 悪いが、ギルハードから手を離してくれ」
「殿下。ありがとうございます」
ギーシャに言われた通りにロイドさんは手を離し、ギルハード様は安堵の息を吐いた。
が、ここから先どうなるんだろう?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3,273
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる