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第一章 公爵令嬢曰く、「好奇心は台風の目に他ならない」

処罰は部活

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「ミリア、部活というのは、学園における部活動のことか?」
「はい!」

 ギーシャの質問に私は元気よく頷いた。
 すると、マリス嬢から至極尤もな疑問が投げ掛けられる。

「何で処罰が部活なわけ? そもそも、部活って何部よ?」
「皆様に入ってもらう部活は『奉仕活動部』です!」

 私は腰に手を当て、満面の笑みで言った。

「奉仕活動部? そんな部活、フレイズ学園にあったかしら?」
「いえ。奉仕活動部は現在フレイズ学園に存在しません。ですが、皆様が高等部に進級すると同時に設立される予定です。既に、高等部の生徒会長や学園長などに掛け合って準備をして頂いてますし、顧問の方も今高等部の先生に頼んでいるところです」

 そのために、昨日あちこち駆けずり回ったからね。正確には駆けたのはお馬さんだけど。ありがとう! お馬さん&御者さん!

「・・・・・・処分受ける私が言うのも何だけど、それって罰になるの?」
「罪滅ぼしに奉仕活動をするというのは割りと珍しくないことですよ? それに今回の被害者はあの場にいた私達の同級生みたいなものですから。当然、持ち上がりで全員高等部に上がりますし、奉仕活動部として迷惑をかけてしまった同級生の方々の、牽いては学園のお役に立って頂きます」

 そう。これが私の考えたなるべく穏便な処罰方法。
 目的は色々あるけど、これなら現状維持も出来るってものだ。

「それは、陛下は納得されたのか?」

 今回の件で王様がめちゃくちゃ怒ってたことをよく知っているギーシャが言った。

「今回の件は私に一任するって言ってくれたし、一応納得はしてもらったよ」
「一応?」
「うん。正確には、部活は執行猶予みたいなもの」
「執行猶予?」

 説明を促すようにリンス嬢が繰り返す。
 私は今回の処罰について王様と話した内容を三人に伝えた。

「はい。皆様には高等部に所属する三年間、奉仕活動部の活動に取り組んで頂きます。恙無く三年を終えれば、今回の件はおしまい。ただし、三年の間にまたトラブルを起こせば──」
「起こせば?」

 マリス嬢が固唾を呑んでどうなるかを訊いてくる。

「今のところ未定ですが、より重い罰は免れないと思ってください」

 それが王様との話し合いで決まったことだ。
 三年間、この三人に奉仕活動部で奉仕活動に勤しんでもらい、反省を示してもらう。万一、その期間中に何か問題を起こせば反省の色なしとして問答無用で厳罰に処すって半ば無理矢理話を纏めた。
 私も王様もかなり私情が入っていたからお父様に間に入ってもらって、互いに妥協して、三人の立場なども鑑みて、処罰になる範囲での決定だった。

「とにかく! 人の噂も七十五日! 三年間奉仕活動を問題なく続ければ、終わる頃にはこの件も風化してます! モーマンタイ! えいえいおー!」
「おー?」

 私がノリで拳を突き上げると、ギーシャが親の真似をする子供のように小さく拳を上げて乗ってきてくれた。
 昨日の頑張りをぶちまけたせいか若干ハイになっている私と、私に合わせようとしているけど、明らかにテンションがずれているギーシャ王子を見て、マリス嬢とリンス嬢は目を点にしていた。
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