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第一章 公爵令嬢曰く、「好奇心は台風の目に他ならない」
罰の行方と血の騒動
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改めまして。
私のフルネームはミリア・メイアーツ。
王兄を父に持つメイアーツ公爵家の末姫というのが今世での私の肩書きだった。
少し年の離れたお兄様が二人にお姉様が一人の四人きょうだいの末っ子として可愛がられ、かかあ天下のお母様に鍛えられ、甘やかされながらも逞しく育ちましたとも。
ミリアになって早十五年。まだ、前世での享年は越えてないけれど、そこそこ生きてきたねー。
まぁ、私は王様の姪っ子ってことになる。つまり、ギーシャ王子とは従姉弟なんだよね。これが。
ちっちゃい頃からお父様関係で王宮に出入りしてたから、王子王女とは幼馴染みでもある。
目の前では王様がお父様を側近の人達に用意させた椅子に座らせている。
「兄様平気? 何か入り用のものはありますか?」
「問題ないよ。ありがとうね、レヴェル」
王様が膝までついて甲斐甲斐しく面倒を見るのはレイセン王国広しといえども、お父様だけだ。
そう、王様は極度のブラコン。
先王にはたくさんの妃がいたらしく、お父様と王様には多くの兄弟がいるらしい。とはいっても、他国に嫁いだり、爵位を賜って領地を治める為にと皆王宮から出たために私はお父様の弟妹にはほとんど会ったことがない。お父様もほとんど王宮にいるけど、住まいはメイアーツ家の屋敷となっている。
ちなみに、王様とお父様もお母さんが違うらしいけど、王様はずっと前からお父様のことが大好きだそうだ。
メイアーツ公爵家が王宮の近くにあるのも王様の希望によるもの。お父様の体の事情を考えればその方が都合がいいけれど。
「それでどうするの?」
こてんと小首を傾げてお父様が言った。
「え?」
「ギーシャと二人の女の子についてだよ」
「私はなるべく重い罰を考えているのですが、ミリアは納得してないみたいで・・・・・・」
「納得してない、というか、国外追放や身分剥奪は行き過ぎかと思います」
そう言うと王様はしゅんと落ち込んで項垂れた。
少々気の毒にも見える程の落ち込みっぷりだったけど、お父様が王様の頭を撫でて慰めているからよしとしよう。
「うん、学生同士の小競合いでそれはやりすぎだね」
「う」
「ですよね」
「うっ!」
王様の頭を撫でながらもお父様は私の意見に賛同してくれた。
大好きな兄に意見を否定されたからか、王様が唸り声を上げる。
「では、どういった罰がいいでしょうか?」
「そうだね、レヴェルはとっても優秀だけど、この件には私情が入ってしまってるから、別の者に考えてもらった方がいいかもしれないね」
「別の者ですか・・・・・・?」
「例えば、今回一番被害を受けた者とか」
そう言うとお父様は私を見てにこりと微笑む。兄の視線を追ってきた王様と目が合った。その瞳は名案だとばかりにキラキラと輝いている。
──って私!?
今回の件はパーティーを台無しにされた中等部卒業生も被害者だろうが、怪我という実害を受けたのは私だけだ。
つまり、私にマリス嬢とリンス嬢の処罰を決めろと?
「お待ち下さい。被害者である私が処罰を決めるのはよくないのでは? 私怨を含んだ仕返しのような仕打ちをするかもしれませんよ?」
「するの?」
「え? いや、えっと、しませんけど・・・・・・」
きょとんとした顔でお父様に訊かれたので、それは否定する。
怪我の件は修羅場を楽しんだ見物料として私の中で片付いている。
面白いものを見せてもらったと思いこそすれ、別に二人のことは恨んでいない。
「なら、問題ないよね」
「うむ。ミリアなら私より良い判断が出来ると思うぞ」
なんだか、このままだとごり押しされそう。
いや、でも待って! 罰決めるって割りと重いことだし、そうなると逆恨みされる可能性もなきにしもあらずだし、正直あの二人に直接関わりたくはない。
同じ転生者として気にならないでもないけど、ああいう人達は安全圏から遠巻きに観察するに限ると思うの。まぁ、今回は距離感間違えて痛い目見たんだけど。
口八丁で上手く断れないか考えていると、お父様がうっと唸り、口許を押さえて前屈みになった。
「けほけほっ、げほ──っ、ガハァッ!」
「に、兄様──!!?!!?」
「わぁあああ────!!!! お父様ぁああ!?」
突然、お父様が血を吐いた。私も素で悲鳴を上げてしまった。
やっぱり、お父様体調悪かったんだ! いや、寝衣だったから寝込んでたのは分かったけど、吐血するほどだなんて。何度見てもこの光景だけは慣れない!
「あはは。血が出ちゃった」
「呑気なこと言っている場合ですか!? おい、誰か! 誰か医師を連れて来い! 今すぐ! 兄様が!」
「はっ! 直ちにお連れします!」
「いや、待ってられん! 私が連れて来る!」
「へ、陛下、お待ち下さい────っ!」
口から血を垂れ流しながらも笑みを絶やさないお父様の脇で王様が慌てふためく。紺碧の瞳の中で黒い渦がぐるぐる回っている。
あ、よかった。いや、よくないけど! 私より取り乱してる人がいるおかげでなんだか落ち着いてきた。
とりあえずお医者さんは側近さん達振り切って飛び出していった王様に任せて、私はないよりましと応急措置で慣れない治癒魔法をかけてみる。
「お父様、大丈夫ですか?」
「うん、平気だよ。ミリア、魔法が少し上達したね」
吐血したというのにこの余裕・・・・・・。お父様、なんか慣れてはいけないものに慣れてちゃってない?
私がうんうん唸って治癒魔法を使っているけど、正直あんま効果ない。
お父様は変わらず笑っているけど、顔が真っ青だし。
私が四苦八苦していると、ばたばたという大きな足音が近づいてきて、ばんっと扉が開かれ、王様が戻ってきた。その手には首根っこを引っ掴まれたカルム先生がぶら下がっている。
ってカルム先生!?
「どうしてカルム先生なんですか? いえ、カルム先生の腕なら問題ありませんが、主治医のリッカ先生は?」
「医務塔に行く途中で見つけたから連れてきた」
「成程。時短のために私で手を打ったと」
カルム先生はぶら下がりながら冷静に状況判断をしている。すごい動じないね。
王様が手を離すと、カルム先生は衣服を整えてお父様の前に屈み、触診を行う。手に魔力の光が宿っているから、魔法も使っているのだろう。
「カルム! 兄様は!?」
「止血の魔法をかけたので一先ずは安心です。細かなケアは私よりリッカ師匠の方がよろしいでしょうから、呼んで参りますのでナルク様は私室でお待ち下さい」
「はーい」
のんびりとした返事をしてお父様が立ち上がろうとするけど、まだ体調が優れないのだろう。ふらついている。そこにすかさず王様が支えに入る。
「カルム先生、親子揃ってお世話になりました。ありがとうございます」
「背中の具合はどうだ?」
「おかげさまで腫れは引きました。まだ少し痛いですが」
カルム先生にお礼を言っていると、お父様が声を掛けてきた。
「そうだ。ミリア」
「はい」
「ギーシャに会っておいで。当事者のあの子に話を訊くのも大切だと思うし、謹慎中で退屈しているだろうから」
「ギーシャ王子ですか? わかりました」
私はお父様に言われて頷く。
お父様は王様に凭れながら歩き、こちらに小さく手を振って言った。
「ちゃんと全員の話を聞いてから決めるんだよ。じゃあ、またね」
そう言ってお父様達は退室した。部屋には私と側近の人達が残る。
ふー、びっくりしたぁ。
今になって額に嫌な汗が浮かんできて、それを手の甲で拭った。
あれ? 私なんで城にいるんだっけ?
ハプニングで少し記憶が飛んだ。
あ、そうだ。王様を宥めるために呼ばれて、それでギーシャ王子達をどうするかの話で私に決めろって──ん? んん!?
あれ? ひょっとして私が決めるって決定事項!?
なんかなあなあになっちゃったし、えーっと?
混乱する頭でさっきのお父様の言葉が反芻する。
──ちゃんと全員の話を聞いてから決めるんだよ。
あ────────!!!!
ヤバいっ、ごり押しされた────!
私のフルネームはミリア・メイアーツ。
王兄を父に持つメイアーツ公爵家の末姫というのが今世での私の肩書きだった。
少し年の離れたお兄様が二人にお姉様が一人の四人きょうだいの末っ子として可愛がられ、かかあ天下のお母様に鍛えられ、甘やかされながらも逞しく育ちましたとも。
ミリアになって早十五年。まだ、前世での享年は越えてないけれど、そこそこ生きてきたねー。
まぁ、私は王様の姪っ子ってことになる。つまり、ギーシャ王子とは従姉弟なんだよね。これが。
ちっちゃい頃からお父様関係で王宮に出入りしてたから、王子王女とは幼馴染みでもある。
目の前では王様がお父様を側近の人達に用意させた椅子に座らせている。
「兄様平気? 何か入り用のものはありますか?」
「問題ないよ。ありがとうね、レヴェル」
王様が膝までついて甲斐甲斐しく面倒を見るのはレイセン王国広しといえども、お父様だけだ。
そう、王様は極度のブラコン。
先王にはたくさんの妃がいたらしく、お父様と王様には多くの兄弟がいるらしい。とはいっても、他国に嫁いだり、爵位を賜って領地を治める為にと皆王宮から出たために私はお父様の弟妹にはほとんど会ったことがない。お父様もほとんど王宮にいるけど、住まいはメイアーツ家の屋敷となっている。
ちなみに、王様とお父様もお母さんが違うらしいけど、王様はずっと前からお父様のことが大好きだそうだ。
メイアーツ公爵家が王宮の近くにあるのも王様の希望によるもの。お父様の体の事情を考えればその方が都合がいいけれど。
「それでどうするの?」
こてんと小首を傾げてお父様が言った。
「え?」
「ギーシャと二人の女の子についてだよ」
「私はなるべく重い罰を考えているのですが、ミリアは納得してないみたいで・・・・・・」
「納得してない、というか、国外追放や身分剥奪は行き過ぎかと思います」
そう言うと王様はしゅんと落ち込んで項垂れた。
少々気の毒にも見える程の落ち込みっぷりだったけど、お父様が王様の頭を撫でて慰めているからよしとしよう。
「うん、学生同士の小競合いでそれはやりすぎだね」
「う」
「ですよね」
「うっ!」
王様の頭を撫でながらもお父様は私の意見に賛同してくれた。
大好きな兄に意見を否定されたからか、王様が唸り声を上げる。
「では、どういった罰がいいでしょうか?」
「そうだね、レヴェルはとっても優秀だけど、この件には私情が入ってしまってるから、別の者に考えてもらった方がいいかもしれないね」
「別の者ですか・・・・・・?」
「例えば、今回一番被害を受けた者とか」
そう言うとお父様は私を見てにこりと微笑む。兄の視線を追ってきた王様と目が合った。その瞳は名案だとばかりにキラキラと輝いている。
──って私!?
今回の件はパーティーを台無しにされた中等部卒業生も被害者だろうが、怪我という実害を受けたのは私だけだ。
つまり、私にマリス嬢とリンス嬢の処罰を決めろと?
「お待ち下さい。被害者である私が処罰を決めるのはよくないのでは? 私怨を含んだ仕返しのような仕打ちをするかもしれませんよ?」
「するの?」
「え? いや、えっと、しませんけど・・・・・・」
きょとんとした顔でお父様に訊かれたので、それは否定する。
怪我の件は修羅場を楽しんだ見物料として私の中で片付いている。
面白いものを見せてもらったと思いこそすれ、別に二人のことは恨んでいない。
「なら、問題ないよね」
「うむ。ミリアなら私より良い判断が出来ると思うぞ」
なんだか、このままだとごり押しされそう。
いや、でも待って! 罰決めるって割りと重いことだし、そうなると逆恨みされる可能性もなきにしもあらずだし、正直あの二人に直接関わりたくはない。
同じ転生者として気にならないでもないけど、ああいう人達は安全圏から遠巻きに観察するに限ると思うの。まぁ、今回は距離感間違えて痛い目見たんだけど。
口八丁で上手く断れないか考えていると、お父様がうっと唸り、口許を押さえて前屈みになった。
「けほけほっ、げほ──っ、ガハァッ!」
「に、兄様──!!?!!?」
「わぁあああ────!!!! お父様ぁああ!?」
突然、お父様が血を吐いた。私も素で悲鳴を上げてしまった。
やっぱり、お父様体調悪かったんだ! いや、寝衣だったから寝込んでたのは分かったけど、吐血するほどだなんて。何度見てもこの光景だけは慣れない!
「あはは。血が出ちゃった」
「呑気なこと言っている場合ですか!? おい、誰か! 誰か医師を連れて来い! 今すぐ! 兄様が!」
「はっ! 直ちにお連れします!」
「いや、待ってられん! 私が連れて来る!」
「へ、陛下、お待ち下さい────っ!」
口から血を垂れ流しながらも笑みを絶やさないお父様の脇で王様が慌てふためく。紺碧の瞳の中で黒い渦がぐるぐる回っている。
あ、よかった。いや、よくないけど! 私より取り乱してる人がいるおかげでなんだか落ち着いてきた。
とりあえずお医者さんは側近さん達振り切って飛び出していった王様に任せて、私はないよりましと応急措置で慣れない治癒魔法をかけてみる。
「お父様、大丈夫ですか?」
「うん、平気だよ。ミリア、魔法が少し上達したね」
吐血したというのにこの余裕・・・・・・。お父様、なんか慣れてはいけないものに慣れてちゃってない?
私がうんうん唸って治癒魔法を使っているけど、正直あんま効果ない。
お父様は変わらず笑っているけど、顔が真っ青だし。
私が四苦八苦していると、ばたばたという大きな足音が近づいてきて、ばんっと扉が開かれ、王様が戻ってきた。その手には首根っこを引っ掴まれたカルム先生がぶら下がっている。
ってカルム先生!?
「どうしてカルム先生なんですか? いえ、カルム先生の腕なら問題ありませんが、主治医のリッカ先生は?」
「医務塔に行く途中で見つけたから連れてきた」
「成程。時短のために私で手を打ったと」
カルム先生はぶら下がりながら冷静に状況判断をしている。すごい動じないね。
王様が手を離すと、カルム先生は衣服を整えてお父様の前に屈み、触診を行う。手に魔力の光が宿っているから、魔法も使っているのだろう。
「カルム! 兄様は!?」
「止血の魔法をかけたので一先ずは安心です。細かなケアは私よりリッカ師匠の方がよろしいでしょうから、呼んで参りますのでナルク様は私室でお待ち下さい」
「はーい」
のんびりとした返事をしてお父様が立ち上がろうとするけど、まだ体調が優れないのだろう。ふらついている。そこにすかさず王様が支えに入る。
「カルム先生、親子揃ってお世話になりました。ありがとうございます」
「背中の具合はどうだ?」
「おかげさまで腫れは引きました。まだ少し痛いですが」
カルム先生にお礼を言っていると、お父様が声を掛けてきた。
「そうだ。ミリア」
「はい」
「ギーシャに会っておいで。当事者のあの子に話を訊くのも大切だと思うし、謹慎中で退屈しているだろうから」
「ギーシャ王子ですか? わかりました」
私はお父様に言われて頷く。
お父様は王様に凭れながら歩き、こちらに小さく手を振って言った。
「ちゃんと全員の話を聞いてから決めるんだよ。じゃあ、またね」
そう言ってお父様達は退室した。部屋には私と側近の人達が残る。
ふー、びっくりしたぁ。
今になって額に嫌な汗が浮かんできて、それを手の甲で拭った。
あれ? 私なんで城にいるんだっけ?
ハプニングで少し記憶が飛んだ。
あ、そうだ。王様を宥めるために呼ばれて、それでギーシャ王子達をどうするかの話で私に決めろって──ん? んん!?
あれ? ひょっとして私が決めるって決定事項!?
なんかなあなあになっちゃったし、えーっと?
混乱する頭でさっきのお父様の言葉が反芻する。
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