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第十六話 裏庭に響く剣戟音
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「おわっ!?」
初撃を眼前すれすれで躱したが、すぐに次撃が繰り出されてくる。
「ちょっ、何! 誰!?」
ああ、もう!
攻撃避けながら喋るのって、超難しい!
しかもこの人、格好的に学生よね? それにしてはなかなかの腕だわ!
「ヴィクト・オーヴェル!? 何をやってるんだ!」
コンラッド殿下が叫ぶ。
オーヴェル? それって確か、三代に渡って聖騎士を排出してきたオーヴェル家? だから、こんなに剣筋がいいのね。的確に頸動脈を狙ってきやがって・・・・・・っ! 学園に血の華は似合わないっつの!
「ちっ!」
思わず、舌打ちをしてしまう。いや、したくもなるでしょ。この状況。
何でいきなり命狙われてんのよ、私。
「エルシカ・ガルルファング! 貴様、よくもミミィを!」
「何の話よ!?」
というか、話す気があるなら、一旦剣を納めなさいよ!
「黙れ!」
「うっ!」
「エルシカ嬢!」
ぎゃー! 前髪ちょこっと切られた! なんってことしてくれてんだ、この逆毛男!
「マルク!」
「はっ!」
コンラッド殿下の掛け声で、ヴァルト先輩が止めに向かって来たが、これ混戦になるでしょ・・・・・・。
「ええい! 仕方ない!」
このままでは埒が開かないと、私は仕方なく首の後ろへ手を伸ばした。
それから、制服の上着の下の襟から腰にかけて隠したそれを引き抜く。
──キィィンッ。
金属同士がぶつかり合う音がする。手には衝撃で振動が走った。
「なっ」
予想外だったのだろう。
ヴィクト・オーヴェルが目を見開く。
コンラッド殿下たちも驚いた様で、息を飲む気配を感じた。
まぁ、それもそのはず。
まっさか、誰も私が今、剣を持っているなんて想像してなかっただろうし。
初撃を眼前すれすれで躱したが、すぐに次撃が繰り出されてくる。
「ちょっ、何! 誰!?」
ああ、もう!
攻撃避けながら喋るのって、超難しい!
しかもこの人、格好的に学生よね? それにしてはなかなかの腕だわ!
「ヴィクト・オーヴェル!? 何をやってるんだ!」
コンラッド殿下が叫ぶ。
オーヴェル? それって確か、三代に渡って聖騎士を排出してきたオーヴェル家? だから、こんなに剣筋がいいのね。的確に頸動脈を狙ってきやがって・・・・・・っ! 学園に血の華は似合わないっつの!
「ちっ!」
思わず、舌打ちをしてしまう。いや、したくもなるでしょ。この状況。
何でいきなり命狙われてんのよ、私。
「エルシカ・ガルルファング! 貴様、よくもミミィを!」
「何の話よ!?」
というか、話す気があるなら、一旦剣を納めなさいよ!
「黙れ!」
「うっ!」
「エルシカ嬢!」
ぎゃー! 前髪ちょこっと切られた! なんってことしてくれてんだ、この逆毛男!
「マルク!」
「はっ!」
コンラッド殿下の掛け声で、ヴァルト先輩が止めに向かって来たが、これ混戦になるでしょ・・・・・・。
「ええい! 仕方ない!」
このままでは埒が開かないと、私は仕方なく首の後ろへ手を伸ばした。
それから、制服の上着の下の襟から腰にかけて隠したそれを引き抜く。
──キィィンッ。
金属同士がぶつかり合う音がする。手には衝撃で振動が走った。
「なっ」
予想外だったのだろう。
ヴィクト・オーヴェルが目を見開く。
コンラッド殿下たちも驚いた様で、息を飲む気配を感じた。
まぁ、それもそのはず。
まっさか、誰も私が今、剣を持っているなんて想像してなかっただろうし。
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