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3.家族会議
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デデン!
普段、家族揃って食事をする広間にハルウララ家が全員集合していた。
最奥の上座に当主・ボーノア・ハルウララが座り、ボーノアを挟むように手前に妻であるラピンク・ハルウララとユララ、ユララの隣にヒレイという席順になっている。
壁際には入室を許可された上級の使用人たちが待機しており、入れなかった他の使用人の面々は広間のドアの側にごった返して密やかに聞き耳を立てている。
「ではでは~、第一回『イシサ殿下に婚約破棄って言われたけどどうしましょう会議』を始めま~す」
両手を合わせて、渦中の人物であるユララが朗らかに言った。
「姉上、そもそも何故いきなりイシサ殿下は婚約破棄と? 今日学園で何かあったのですか?」
「んっとね~、イシサ殿下がラシュッチ嬢とイチャイチャチュッチュしてたの」
「イチャイチャチュッチュ?」
まだ十三歳で純粋培養で育ってきたため、そういった言葉に疎いヒレイがユララの台詞を反芻する。
「えっとね~・・・・・・ひそひそひそひそ・・・・・・って感じかしら?」
いまいちよく分かっていない弟の耳元で、ユララは昼休みに見たイシサとラシュッチのことをオブラートかつ分かりやすいように説明した。
思春期真っ盛りのヒレイは、男女のアレコレに対して興味よりも潔癖な面が強いのか、ユララの説明に顔をしかめて、この場にいないイシサに軽蔑を念を向けた。
「何ですか、それ。最低のドクズ野郎じゃないですか。まさかその浮気相手がいいから姉上との婚約を破棄したいなんて言い出したんですか? あの人」
「そうみたい~」
ユララは察しがよくて助かるわぁと、のほほんとしている。
「ふぅむ。王子じゃなかったら殴り倒してたぞい」
「ふふ、貴方ぁ? 気持ちは分かるけど、今手元でピカピカに磨いている槍は脳内だけで使ってねぇ?」
「お母様はどうしてお皿の裏面にナイフを擦りつけてらっしゃるの?」
「こうやって磁器の高台でエッジを研ぐととぉってもいい切れ味になるのよぉ」
常に目を糸のようにして微笑んでいるラピンクの手元で、ギラリンと冷酷無比な銀光が煌めいた。
よくよく見ると、二人の背後には剣や槍を初め、投擲用ナイフ、弓矢、猟銃、明らかにヤバそうな紫色の液体が入った小瓶、鞭、巨大ハンマー、標縄、大鎌、レイピア、棍棒などか無作為に散乱していた。
これは飽くまで、先祖代々伝わってきたハルウララ家の精神統一のための道具だ。
武器を手入れし、心を落ち着け、武器を手放すことで怒りを収めるといった手法だった。
別にこれらを掲げて王城に殴り込みしようとは思っていない。
だが、武器を磨いている以上、二人がイシサ王子の可愛い愛娘に対する仕打ちに怒っているのは明白だった。
「父上、母上、何を暢気にしているのですか。だから俺は反対したんですよ。いくら王子とはいえ、あんなのの婚約者なんて。
以前から姉上の人の良さにつけ込んで課題の資料を揃わせたり、夜会で厄介な人間の話し相手を押しつけたり、この間の王妃様への誕生日の贈り物だってあれが横取りして、姉上はギリギリになって新しい物を見繕わなくなってしまって他の方の贈り物より質が劣って品のない貴族に笑われたんですよ」
「あら、あれはそういうことだったの?」
ラピンクは先々月の王妃の誕生祝いのパーティーを思い出していた。
確かにユララが王妃へと贈ったネックレスは、決して粗悪ではなかったが、王族が身につけるにしてはやや劣るくらいの品質くらいのものであった。
目が利くユララが選んだものにしては、と疑問に思ったものの王妃も喜んでいたし、ユララも何かあった素振りを見せなかったため、深く気に止めていなかった。
ヒレイは両親よりもユララと共にいる時間が多く、王妃へのプレゼント選びも一緒にしていたため、事情を知っていたのだ。
「ええ、まぁ~。あの時は流石に慌てましたね~」
「あれが我が物顔で姉上が用意したプレゼントを王妃様に渡してた時に、はっきりとあれにプレゼントを奪われたと言えば良かったんですよ。そもそも、代金だって払ってませんからね、あれ」
ヒレイは最早、イシサを名前を呼ぶのも嫌どころか、人間扱いするのも嫌レベルなようで、イシサをあれと言いまくっている。
王妃の誕生日のお祝いにユララが最初に用意したのは、喜んで上質で王族でも入手の難しい最高級の絹だった。ある一族の一子相伝の特殊な製法が用いられているため、量産されることはなく市場にも出回らない。とても希少価値が高く、その分値の張る代物であった。
ユララはその絹を人脈を使って、直接製造元の一族へ交渉に行き、時間をかけて承諾を貰い、王妃の好きな青薔薇の柄の生地を仕立てて貰ったのだ。
交渉、製造とかなりの時間がかかったため、出来上がったのはヒレイの言う通り王妃のたまえ数日前というギリギリだった。
イシサはユララがそれほど希少な品を用意したことが面白くなかったのか、息子の自分が渡した方が喜ばれると絹を持ち去ってしまったのだ。
ゴールレッド王国には「悪人ほど足が速い」という言葉があるが、その時のイシサは正にそれだった。
返してとお願いしてもイシサが絹を返さないことは容易に想像がついたので、ユララは仕方なく誕生日までに間に合う範囲にある宝石店をしらみ潰しに回って最も良い品を贈り物にした。しかし、既製品であるため、入念に準備された他のオーダーメイドの品々に比べるとやはり見劣りしてしまった。
王子の婚約者であるユララを快く思わない派閥の貴族たちは両親に聞こえないように陰口を叩いているのも聞いた。
王妃がネックレスを喜んでくれたことだけが唯一の救いだろう。
「だって、せっかくのお誕生日に息子が自分へのプレゼントを婚約者から強奪したなんて話聞きたくないでしょう? 直接お渡し出来なかったのは残念だけど、王妃様も喜んでらしたから」
「どうして姉上はあれに甘いんですか・・・・・・」
「甘い、かしら? 課題の資料集めはどうせ私も同じものを使うし、人とお喋りするのは好きだからそこまで苦じゃないだけよ」
ユララとしては特にイシサに甘い対応をしているという自覚はなかった。
資料を集められなくて課題が提出出来なかったら可哀想だな、手伝ってあげようくらいの気持ちだった。
ユララは要領が良かったので、多少の負担を掛けられることは気にしなかったので特に苦言を呈することはしなかったが、今回の浮気のように、第三者を巻き込んだ時はそれとなく注意をしてた。聞き入れられたことはないが。
「そんなことになってたのか・・・・・・ユララ、大丈夫か?」
「全然平気ですよ~。むしろ、大丈夫じゃないのはイシサ殿下の方かもしれません。もしかしたら、殿下も両陛下に婚約破棄するって宣言してるかもしれませんし」
「「「ああ」」」
ユララの言葉にハルウララ夫妻とヒレイは大いに頷いた。
つまり、どういうことかと言うと、王族全員がイシサのようだったら、ゴールレッド王国はとうに滅んでいるということである。
普段、家族揃って食事をする広間にハルウララ家が全員集合していた。
最奥の上座に当主・ボーノア・ハルウララが座り、ボーノアを挟むように手前に妻であるラピンク・ハルウララとユララ、ユララの隣にヒレイという席順になっている。
壁際には入室を許可された上級の使用人たちが待機しており、入れなかった他の使用人の面々は広間のドアの側にごった返して密やかに聞き耳を立てている。
「ではでは~、第一回『イシサ殿下に婚約破棄って言われたけどどうしましょう会議』を始めま~す」
両手を合わせて、渦中の人物であるユララが朗らかに言った。
「姉上、そもそも何故いきなりイシサ殿下は婚約破棄と? 今日学園で何かあったのですか?」
「んっとね~、イシサ殿下がラシュッチ嬢とイチャイチャチュッチュしてたの」
「イチャイチャチュッチュ?」
まだ十三歳で純粋培養で育ってきたため、そういった言葉に疎いヒレイがユララの台詞を反芻する。
「えっとね~・・・・・・ひそひそひそひそ・・・・・・って感じかしら?」
いまいちよく分かっていない弟の耳元で、ユララは昼休みに見たイシサとラシュッチのことをオブラートかつ分かりやすいように説明した。
思春期真っ盛りのヒレイは、男女のアレコレに対して興味よりも潔癖な面が強いのか、ユララの説明に顔をしかめて、この場にいないイシサに軽蔑を念を向けた。
「何ですか、それ。最低のドクズ野郎じゃないですか。まさかその浮気相手がいいから姉上との婚約を破棄したいなんて言い出したんですか? あの人」
「そうみたい~」
ユララは察しがよくて助かるわぁと、のほほんとしている。
「ふぅむ。王子じゃなかったら殴り倒してたぞい」
「ふふ、貴方ぁ? 気持ちは分かるけど、今手元でピカピカに磨いている槍は脳内だけで使ってねぇ?」
「お母様はどうしてお皿の裏面にナイフを擦りつけてらっしゃるの?」
「こうやって磁器の高台でエッジを研ぐととぉってもいい切れ味になるのよぉ」
常に目を糸のようにして微笑んでいるラピンクの手元で、ギラリンと冷酷無比な銀光が煌めいた。
よくよく見ると、二人の背後には剣や槍を初め、投擲用ナイフ、弓矢、猟銃、明らかにヤバそうな紫色の液体が入った小瓶、鞭、巨大ハンマー、標縄、大鎌、レイピア、棍棒などか無作為に散乱していた。
これは飽くまで、先祖代々伝わってきたハルウララ家の精神統一のための道具だ。
武器を手入れし、心を落ち着け、武器を手放すことで怒りを収めるといった手法だった。
別にこれらを掲げて王城に殴り込みしようとは思っていない。
だが、武器を磨いている以上、二人がイシサ王子の可愛い愛娘に対する仕打ちに怒っているのは明白だった。
「父上、母上、何を暢気にしているのですか。だから俺は反対したんですよ。いくら王子とはいえ、あんなのの婚約者なんて。
以前から姉上の人の良さにつけ込んで課題の資料を揃わせたり、夜会で厄介な人間の話し相手を押しつけたり、この間の王妃様への誕生日の贈り物だってあれが横取りして、姉上はギリギリになって新しい物を見繕わなくなってしまって他の方の贈り物より質が劣って品のない貴族に笑われたんですよ」
「あら、あれはそういうことだったの?」
ラピンクは先々月の王妃の誕生祝いのパーティーを思い出していた。
確かにユララが王妃へと贈ったネックレスは、決して粗悪ではなかったが、王族が身につけるにしてはやや劣るくらいの品質くらいのものであった。
目が利くユララが選んだものにしては、と疑問に思ったものの王妃も喜んでいたし、ユララも何かあった素振りを見せなかったため、深く気に止めていなかった。
ヒレイは両親よりもユララと共にいる時間が多く、王妃へのプレゼント選びも一緒にしていたため、事情を知っていたのだ。
「ええ、まぁ~。あの時は流石に慌てましたね~」
「あれが我が物顔で姉上が用意したプレゼントを王妃様に渡してた時に、はっきりとあれにプレゼントを奪われたと言えば良かったんですよ。そもそも、代金だって払ってませんからね、あれ」
ヒレイは最早、イシサを名前を呼ぶのも嫌どころか、人間扱いするのも嫌レベルなようで、イシサをあれと言いまくっている。
王妃の誕生日のお祝いにユララが最初に用意したのは、喜んで上質で王族でも入手の難しい最高級の絹だった。ある一族の一子相伝の特殊な製法が用いられているため、量産されることはなく市場にも出回らない。とても希少価値が高く、その分値の張る代物であった。
ユララはその絹を人脈を使って、直接製造元の一族へ交渉に行き、時間をかけて承諾を貰い、王妃の好きな青薔薇の柄の生地を仕立てて貰ったのだ。
交渉、製造とかなりの時間がかかったため、出来上がったのはヒレイの言う通り王妃のたまえ数日前というギリギリだった。
イシサはユララがそれほど希少な品を用意したことが面白くなかったのか、息子の自分が渡した方が喜ばれると絹を持ち去ってしまったのだ。
ゴールレッド王国には「悪人ほど足が速い」という言葉があるが、その時のイシサは正にそれだった。
返してとお願いしてもイシサが絹を返さないことは容易に想像がついたので、ユララは仕方なく誕生日までに間に合う範囲にある宝石店をしらみ潰しに回って最も良い品を贈り物にした。しかし、既製品であるため、入念に準備された他のオーダーメイドの品々に比べるとやはり見劣りしてしまった。
王子の婚約者であるユララを快く思わない派閥の貴族たちは両親に聞こえないように陰口を叩いているのも聞いた。
王妃がネックレスを喜んでくれたことだけが唯一の救いだろう。
「だって、せっかくのお誕生日に息子が自分へのプレゼントを婚約者から強奪したなんて話聞きたくないでしょう? 直接お渡し出来なかったのは残念だけど、王妃様も喜んでらしたから」
「どうして姉上はあれに甘いんですか・・・・・・」
「甘い、かしら? 課題の資料集めはどうせ私も同じものを使うし、人とお喋りするのは好きだからそこまで苦じゃないだけよ」
ユララとしては特にイシサに甘い対応をしているという自覚はなかった。
資料を集められなくて課題が提出出来なかったら可哀想だな、手伝ってあげようくらいの気持ちだった。
ユララは要領が良かったので、多少の負担を掛けられることは気にしなかったので特に苦言を呈することはしなかったが、今回の浮気のように、第三者を巻き込んだ時はそれとなく注意をしてた。聞き入れられたことはないが。
「そんなことになってたのか・・・・・・ユララ、大丈夫か?」
「全然平気ですよ~。むしろ、大丈夫じゃないのはイシサ殿下の方かもしれません。もしかしたら、殿下も両陛下に婚約破棄するって宣言してるかもしれませんし」
「「「ああ」」」
ユララの言葉にハルウララ夫妻とヒレイは大いに頷いた。
つまり、どういうことかと言うと、王族全員がイシサのようだったら、ゴールレッド王国はとうに滅んでいるということである。
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