上 下
39 / 40

第三十六話 ここのダンジョンマスターはルール違反を許さないそうです

しおりを挟む

暁は瞬時に再生する石版を計100回以上、数分で破壊しまくっていた。

無言でひたすらに石版をかわし続けるのはある種の恐怖を感じ得なかった。

「暁、落ち着いて、攻略し直そう?」

暁は一旦石版破壊をやめて振り向いた。

「なあ、ルシいいこと思いついたんだ。」

「い、いいこと?」

「もう、普通の攻略が難しいならさ、を破壊して進めばいいんだ。」

ルシファーはもうそれは攻略とは言わないのでは?と思ったが口には出さなかった。

「あのくそダンジョンマスターのお望み通りに、テイクツーといこうじゃねぇか!」

そう言って、暁は近くにある壁を全力で攻撃し始めた。

かなり大きな音がなり、確かにダンジョンの壁は破壊された、だが

「はあ!?再生早すぎだろ!?」

ダンジョンの壁は石版よりも少し遅いが瞬時に再生されていた。

「くそっ、なら再生される前に向こう側に行ってやらぁ!」

暁は再びトライした。

そして、ダンジョンの壁が破壊されると同時に飛び込んで向こう側に行くことに成功した、ルシファーとアリアンを置いていって。

だが、

「よっしゃぁ!成功したうぉぉぉぉ!」

暁はまた穴に落ちたらしい。

「「……………………………」」

ルシファーとアリアンはなんとも言えない空気になった。

数分後


「うぉぉぉぉぉぉぉ!?」

どう言う理屈かは知らないが、何故か下に落ちたはずの暁が戻ってきた。

ルシファーは予想はしていたのか驚きはしなかった。

「お帰り、暁。」

「ああ、ただいま、ってそうじゃねぇ!なんであんなところに落とし穴があるんだよ!?」

「えーっと、お、お兄さんの運が悪すぎた、とか?」

「運が悪いで済むわけねぇだろ!?死ぬかと思ったわ!」

ルシファーは少しだけ考え、結論を出した。

「多分だけど、ルール違反をしたから、とか?」

「る、ルール違反、だと?」

何か思いついた暁は咄嗟に石版を見てみた、すると、




もぉぉぉぉ!ダンジョンの壁を破壊するなんて、非常識すぎるよ!
もう僕はおこだよ!激おこだよ!
ダンジョンはちゃんとした方法で攻略してくれないと見ていてつまらないよ!
だから暁くんには罰ゲームだよ!
罰ゲームの内容は起こってからのお楽しみ~!
by罰ゲームを準備中のダンジョンマスター

案の定ダンジョンマスターから不吉なメッセージが届いていた。

「………………嫌な予感しかしねぇ。」


その時だった、

ガコンッ、カチャッカチャッカチャッ!

「……………は?」

暁に向かって大量にある銃が照準を向けていた。

「ちょ!ま!それは洒落にならないって!」

そして放たれた。

ルシファーたちも突然のことで動けなかった。

だが、

「イタタタタタタタタタタ!」

銃の中に入っていたのは鉛の玉ではなくBB弾だった。

「ちょっと、待てや、だから、なんで、俺の防御力を、貫通してくんだよ!」

皆さんも知っているだろうか?BB弾は当たると地道に痛いのだ、その地味な痛みを暁は味わっていた。

暁はそれから数分間はBB弾に撃たれ続けたままだった。

銃声が止むとそこには大量のBB弾と倒れ伏している暁がいた。

「「暁ぃー!(お兄さんー!)」」

ルシファーたちはすぐに駆け寄った、すると暁はすくっと立ち上がった。

「ふ、ふふ、ふふふ、ふふふふ、ふふふふふ、ふははははは!」

ルシファーとアリアンは暁の異様な様子に引いていた。

暁は笑うのをやめると、切れた。

「あんの、くそダンジョンマスターがぁー!覚悟してやがれ!絶対にその横っ面殴ってやらぁ!」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

強制無人島生活

デンヒロ
ファンタジー
主人公の名前は高松 真。 修学旅行中に乗っていたクルーズ船が事故に遭い、 救命いかだで脱出するも無人島に漂着してしまう。 更に一緒に流れ着いた者たちに追放された挙げ句に取り残されてしまった。 だが、助けた女の子たちと共に無人島でスローライフな日々を過ごすことに…… 果たして彼は無事に日本へ帰ることができるのか? 注意 この作品は作者のモチベーション維持のために少しずつ投稿します。 1話あたり300~1000文字くらいです。 ご了承のほどよろしくお願いします。

上司に「これだから若い女は」「無能は辞めちまえ!」と言われた私ですが、睡眠時間をちゃんと取れば有能だったみたいですよ?

kieiku
ファンタジー
「君にもわかるように言ってやろう、無能は辞めちまえってことだよ!」そう言われても怒れないくらい、私はギリギリだった。まともになったのは帰ってぐっすり寝てから。 すっきりした頭で働いたら、あれ、なんだか良く褒められて、えっ、昇進!? 元上司は大変そうですねえ。ちゃんと睡眠は取った方がいいですよ?

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

処理中です...