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第十五話 永遠の理想郷

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無限龍ウロボロスとの戦闘を終えて3時間が経過した。
ウロボロスが守っていた扉に向かうことにした。
「じゃあ、開けるぞ。」
「うん。」
ガコンッゴゴゴゴォウ
扉が重い音を響かせながら徐々に開いて行った。
扉の向こうにはたくさんの木々に草花、靡く風綺麗な湖、正しく楽園のような光景が広がっていた。
暁とルシファーはしばらく歩いていると。
後ろから声が聞こえた。

「ようこそ、永遠の理想郷アヴァロンへ」
「っ!誰だっ!」
暁は振り返りながら抜剣した。
暁はダンジョンでは常に気配感知を使っていたので、背後に気配を微塵も感じさせずに現れたことに、驚いていた。
だいたい10歳くらいの金髪金眼の少女がそこに立っていた。
「お待ちしておりました。神楽坂暁様、ルシファー様」
自分の名前を呼ばれてさらに驚いてしまった。
「おい、貴様なんで俺の名前を知ってる?」
少女は答えた。
「それはですね、暁様私はずーっと見ていたからですよ。それこそあなたがダンジョンに入って来た時からです。」
この少女は何者なのだろうか?
「お前は何者だ?」
「申し遅れました、私はここ永遠の理想郷であるアヴァロンの管理人にして、このダンジョンアヴァロンのダンジョンマスターである、ミルと申します。よろしくお願いしますね、攻略者様?」

この少女がこのダンジョンのダンジョンマスターだと?
「ダンジョンマスターってことはお前を殺したらここはどうなるんだ?」
「そうですねぇ、私をもし殺せたのならこのダンジョンは崩壊するでしょうね。」
まるで、他人事のようにそう口にした。
「まあ、私を殺せる存在はいないでしょう。」
「んっ?何故だ?」
「私はここ永遠の理想郷アヴァロンにいる限り死ぬことは許されません。」
「なんだと?」
「俗に言う不死ですね。」
それは、ある意味呪いではないだろうか?
「ああ、同情は辞めて下さいね。ここは以外と楽しいですし。」
「お前は、人間だったのか?」
「?はいそうですが何か?」
どんな気持ちなののだろうか?いつも一人だったのだろうか?
「言っときますけど、私のほかにも部下がいますから一人じゃないですよ?」
「はっ?それ先に言えよ!」
「はっはーん?同情しましたか?しましたよねぇ?どうなんですか?ねぇねぇ?」
(突然うざくなりやがった。な、殴りてぇー、どうしようもなく。)
「私はもう人ではありません、神の一柱です。人としての未練はありません。な、の、でぇー。同情は今後一切なしでお願いしますね?」
「ああ、分かった。」
(マスター、地上への行き方聞かなくていいんですか?)
「ああ、そうだなミル地上へはどうすれば戻れる?」
「それはですね、私とお茶、してくれたらおしえてあげますよ?」
「はぁ、わかったよ。」
「あっ、オリンちゃんとラナちゃんも一緒ですよ、もちろんルシちゃんも!」
「はい、はいわかったよ。」
そのあと、ミルとお茶を楽しんだ。
時が過ぎるのを忘れて久しぶりの平穏な時間を楽しんだ。ダンジョンでは、気が休まる場所が無かったのだ。
なんやかんや三日が過ぎた。

「それでは、改めて暁様、ルシファー様、アヴァロン攻略 おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。」
「ありがとう。」
「んっ、ありがと。」
「では、アヴァロン攻略報酬として、こちらを差し上げますっ!」
俺に渡されたのはフード付きの黒コートでルシファーは紫色の蛇の絵が刻まれたレイピアだった。
「暁様には隠密神のコート、ルシファー様には紫電の蛇剣アルデウスヴァイパーを差し上げますっ!」

・隠密神のコート(神話級)…隠密神の力が、込められたコート。着ているだけで音を出さずに行動可能になり、フードを被ると自分のことを周りは認識不能となる。自動修復。

・紫電の蛇剣(神話級)…この武器は、伸縮自在であり雷神の加護がかかっているので、雷を自由自在に操れるようになる。破壊不可。

すご過ぎる性能にちょっと引きながらお礼を言った。
「ありがとよ。」
「んっ、ありがと。」
「まだですよ、さ、ら、に、私の加護をあげちゃいます!」
「加護を貰うとなんかあるのか?」
「いいことが、ありますっ!」
ずっこけた。
「そのいいことを聞いているんだよっ!」
「私から言うと面白くないので自分で感じて下さい!まあ、ぶっちゃけ考えるな、感じろですよっ!」
「だから、なんでそれを知っているんだよ!?」
(マスター)
「ああ、そうだなじゃあなミルまた、いつか。」
「じゃあね?」
(ありがとうございました。)
(ありがとねー!)
(ありがとうございました。)
帰還用の魔法陣の上に乗ったどこに繋がっているかはミルでも分からないらしい。
「行ってらっしゃいませ、ご武運を。」
そうして、転移した。





「まさか、本当にあのウロボロスを倒すとは思いませんでしたよ。暁さん。ウロボロスは絶対に倒せ無いように難易度を挑戦者に合わせていたはずです。あなたには今後色々な困難が待ち受けているでしょうが、諦めては駄目ですよ?あなたの旅路に幸がありますように。」
そう言ったときのミルの表情はさっきまでの人懐っこそうな顔ではなく慈愛に満ちた正しく女神のごとき表情だった。





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