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混沌を極める2学期
七十話
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教師と保健室にやってきた姫川は、保健医に手当てをしてもらいながら話をした。
最初は保健医も姫川の特に足の状態に驚き、病院を勧めてきたが、それをやんわり断ると、メイド喫茶で男達と会ってからの一連の出来事を詳細に教師に伝えた。
話を聞き終えた教師は一度大きく息を吐き出すと、
「ここも男子校だから、瀬戸田がされたような被害は俺も何度か耳にしたことはあるが、流石に外部の男達がこんな事件を起こすなんて前代未聞だぞ。一体どうなっているんだ。」
と、憤りを隠せない様子で呟いた。
当たらず障らず無事にこの一年を乗り切ろうと思っていた姫川だったが、よりによって自分が風紀委員長をしている年にこんなことが起こってしまった。その事に責任を感じずにはいられなかった姫川は、静かに目を伏せる。
「すまない。姫川を責めているわけではないからな。」
そんな姫川の様子に教師が慌てて声をかけた。
「はい。ありがとうございます。」
姫川が暗い表情のままそう言うと、教師は失言だったと困ったように頭を掻いた。
「あの3人の男達はどうなりますか?」
しかしすぐに姫川がその場の空気を変えるように教師に質問した。
これ幸いと教師も姫川の問いにすぐに返す。
「あ?あぁ、あの男達は先生達が詳しく話を聞いた後、親御さんに連絡するなり、警察に連絡するなりするさ。」
「それなら、あいつらが何でわざわざここに来て、こんな事件を起こしたか、しっかり聞き出すよう伝えてください。俺が倉庫に駆けつけた時、いつも閉まっている筈の倉庫の鍵が開いていました。奴らがあの頑丈な南京錠を自分で開けたとは考えにくいので、おそらく協力者が学校内にいると思います。」
流石に現段階で柏木の名前は出せなかったが、男達から柏木の名前が出ればやっと尻尾を掴めると姫川は思った。
「あぁ、わかった。先生達に伝えとくよ。」
教師は姫川の発言に特に驚きもせずそう答えた。
その反応に若干の違和感を覚えながらも姫川は先程からずっと気になっていたことを教師に聞いた。
「倉庫で男達を見た時、先生が1人の男を野嶋圭介って呼んでいましたよね?あの男のことをなぜ知っていたのですか?」
教師は姫川の問いに一瞬眉を顰めたが、すぐに話し始めた。
「あの状況で、先生があいつの名前を言ったのをよく覚えていたな。野嶋は元々、ここの生徒だったんだ。姫川が入学する少し前だったかな。この学校で暴力事件を起こして退学になったんだ。。だからあいつなら、この学園の生徒と結託していても不思議はないな。」
予想外の答えに姫川は軽く目を見開いた。しかし、それと同時に、学校内に協力者がいることに対して教師が然程驚かなかった理由はわかった。
気がつくと予想以上に話し込んでいた様で、手当はとっくに済んでいた。粗方話を聞き終わった教師は、
「お大事に。」
と一言姫川を気遣って、3人の男達の所に向かった。
姫川は包帯でぐるぐる巻きにされた足へと視線を向けた。
手当てしても尚、ズキズキとした鈍い痛みが姫川を襲っていた。
「姫川くん。これはあくまでも応急処置だからね。これ以上痛みが強くなる様なら、必ず病院へ行って診てもらうこと。いいね?」
保健医に念を押され、姫川は素直に首を縦に振った。
最初は保健医も姫川の特に足の状態に驚き、病院を勧めてきたが、それをやんわり断ると、メイド喫茶で男達と会ってからの一連の出来事を詳細に教師に伝えた。
話を聞き終えた教師は一度大きく息を吐き出すと、
「ここも男子校だから、瀬戸田がされたような被害は俺も何度か耳にしたことはあるが、流石に外部の男達がこんな事件を起こすなんて前代未聞だぞ。一体どうなっているんだ。」
と、憤りを隠せない様子で呟いた。
当たらず障らず無事にこの一年を乗り切ろうと思っていた姫川だったが、よりによって自分が風紀委員長をしている年にこんなことが起こってしまった。その事に責任を感じずにはいられなかった姫川は、静かに目を伏せる。
「すまない。姫川を責めているわけではないからな。」
そんな姫川の様子に教師が慌てて声をかけた。
「はい。ありがとうございます。」
姫川が暗い表情のままそう言うと、教師は失言だったと困ったように頭を掻いた。
「あの3人の男達はどうなりますか?」
しかしすぐに姫川がその場の空気を変えるように教師に質問した。
これ幸いと教師も姫川の問いにすぐに返す。
「あ?あぁ、あの男達は先生達が詳しく話を聞いた後、親御さんに連絡するなり、警察に連絡するなりするさ。」
「それなら、あいつらが何でわざわざここに来て、こんな事件を起こしたか、しっかり聞き出すよう伝えてください。俺が倉庫に駆けつけた時、いつも閉まっている筈の倉庫の鍵が開いていました。奴らがあの頑丈な南京錠を自分で開けたとは考えにくいので、おそらく協力者が学校内にいると思います。」
流石に現段階で柏木の名前は出せなかったが、男達から柏木の名前が出ればやっと尻尾を掴めると姫川は思った。
「あぁ、わかった。先生達に伝えとくよ。」
教師は姫川の発言に特に驚きもせずそう答えた。
その反応に若干の違和感を覚えながらも姫川は先程からずっと気になっていたことを教師に聞いた。
「倉庫で男達を見た時、先生が1人の男を野嶋圭介って呼んでいましたよね?あの男のことをなぜ知っていたのですか?」
教師は姫川の問いに一瞬眉を顰めたが、すぐに話し始めた。
「あの状況で、先生があいつの名前を言ったのをよく覚えていたな。野嶋は元々、ここの生徒だったんだ。姫川が入学する少し前だったかな。この学校で暴力事件を起こして退学になったんだ。。だからあいつなら、この学園の生徒と結託していても不思議はないな。」
予想外の答えに姫川は軽く目を見開いた。しかし、それと同時に、学校内に協力者がいることに対して教師が然程驚かなかった理由はわかった。
気がつくと予想以上に話し込んでいた様で、手当はとっくに済んでいた。粗方話を聞き終わった教師は、
「お大事に。」
と一言姫川を気遣って、3人の男達の所に向かった。
姫川は包帯でぐるぐる巻きにされた足へと視線を向けた。
手当てしても尚、ズキズキとした鈍い痛みが姫川を襲っていた。
「姫川くん。これはあくまでも応急処置だからね。これ以上痛みが強くなる様なら、必ず病院へ行って診てもらうこと。いいね?」
保健医に念を押され、姫川は素直に首を縦に振った。
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