風紀委員長は××が苦手

乙藤 詩

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混沌を極める2学期

四十八話

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長い準備期間を経て、遂に文化祭の日を迎えた。
2日間に分かれて開催されるこのイベントは、歳明治学園の行事の中でも1番盛大であり、辺鄙な場所にあるこの学園にも、外部から大勢の人がやってきてその年1番の賑わいをみせる。
生徒会は朝早くから集まり、開会式の流れや、パンフレットの確認、放送内容や各役割などを再確認した。
一方風紀は、各会場の当日分の搬入を手伝ったり、舞台やイベント系の大道具を運ぶのを手伝ったり、誰がどの辺りの見回りをするかなどの最終の打ち合わせに余念がなかった。
学園内はどこもかしこも装飾で溢れており、それだけでも華やかな様子が見てとれた。
学園の生徒達はこの日を心待ちにしており、また自分達の企画が通って、店やイベントを開催する生徒達もこの日のために、寝る間も惜しんでアイデアを形にしてきた。
いくら正木と姫川が仲違いをしていても、外部からも多く人が集まるこの2日間をより良いものにしたいと思う気持ちは同じであった。
しかしその陰で不穏な計画を建て、この日を狙って実行しようとする人物がいることには未だ誰も気づいていなかった。

「本日は我が歳明治学園の文化祭にお越しくださりありがとうございます。今年も生徒達が自ら企画し、協力して作り上げたこの祭りを皆さんもどうか楽しんでいってもらいたいと思います。この文化祭は生徒達の思いを汲み・・・」
門を入ってすぐの広場に本部席が設けられ、そこで開会式が行われていた。
普段校長室で1日の大半を過ごしている校長も今日ばかりは本部席に立ち、来校した生徒や一般の人達に向けて、やたら長ったらしい挨拶をしていた。
まだ開場して間もないにも関わらず、本部席にはたくさんの一般客や生徒が集まっていた。
門の付近では伊東や津田や戸田、そして柏木が文化祭の会場マップやパンフレットを配ったり、混雑を避けるための誘導を行ったりしていた。
一方、本部席では、流が開会式の司会進行を担っていた。そしてその後客足が落ち着けば、門の付近の4人も本部へ合流することになっていた。
昨日の事もあったからか、今朝の伊東は正木と目を合わせようともしなかった。また姫川の事で苛々していた時期が長かったからか、他のメンバーともどこかギクシャクしており、正木は居心地の悪さを感じていた。ただ、柏木だけがそんな空気を感じ取っていないように正木にも他のメンバーにも接していた。
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