風紀委員長は××が苦手

乙藤 詩

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混沌を極める2学期

十四話

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その日はそのまま佐々木と共に風紀委員室に向かった。時間がかかっているとはいえ、企画書の選定は大詰めを迎えていた。
姫川と佐々木が部屋に着くと、既に他のメンバーは集まり机を囲んでいた。
「珍しく遅かったじゃん。」
姫川達の姿を認めた三田がそう声を掛けてきた。
「2人一緒に来るなんて珍しい。何かあったの。」
庄司が珍しく2人に口を開く。その感の鋭さに姫川は僅かに驚いた。
「いや、別にたまたまそこで一緒になっただけだよ。」
佐々木が間髪入れずにそう返すと、
「ふーん。」
と納得しているのかいないのか分からない様な返事が返ってきた。
「遅くなってすまないな。さぁさっさと終わらせて、今日は早めに帰ろう。流石に皆も体力が限界だろ。」
姫川のその言葉に皆が同意する様に頷いた。姫川達も直ぐ席につくと早速企画書に目を通し始めた。
それから2時間くらい経った頃、一度週末を挟み、6日間に及ぶ選定作業がやっと終了した。
皆一往にほっとした顔を見せ、連日の激務から解放された喜びを味わった。流石の清木もこの作業はしんどかったのか終わった時には密かにほっとした顔をしていた。
「来年はお前が主導でこれをするんだ。頼んだぞ。」
姫川の言葉に清木が若干顔を強張らせた。
「これを来年もするとなると、流石にゾッとしますね。」
初めて無表情ではない清木を見る他のメンバーはその顔に興味津々だった。
「さぁ、今日はもう解散だ。たまには早めに帰って体を休めよう。」
姫川の言葉に牧瀬や三田が目を輝かせた。
それを見て姫川が少し意地悪な顔をする。
「今度は生徒会のメンバーと一緒に更に企画を絞っていくんだ。これがまた大変だからな。今のうちに少しは休んどいた方がいいだろ?」
姫川の言葉に、まだ選定作業が残っている事を思い出した三田達がガクッと項垂れた。
その様子を見て姫川や佐々木が笑う。そして、空気が和んだ所で、今日は早めに解散となった。

姫川は寮のスーパーに寄って帰っていた。ここ連日忙しくて、まともに自炊が出来てなかったので、今日は自分で作ると決めていた。
明日の昼休みにでも瀬戸田の教室を覗いてみるか。
そんな事を考えながら、寮までの道を歩く。
最後に見た瀬戸田の様子を思い出して、自然に姫川の気持ちが沈んでいく。完全に自分を拒否する姿に少なからず姫川も落ち込んでいた。
勿論それほどまでに瀬戸田が追い込まれているのも分かっていた。だからこそ、明日はどうしても瀬戸田ときちんと話がしたかった。
今日はしっかり食べて寝て明日に備えるか。
屋上で佐々木と話してから瀬戸田の事ばかり考えていた姫川だったが、明日に備えて英気を養おうと密かに気合を入れるのだった。
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