風紀委員長は××が苦手

乙藤 詩

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混沌を極める2学期

七話

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難易度の高いキスをされ思考が追いつかない姫川がボーッとしていると、
「おっ!やっぱりこっちも反応するようになったよな。」
と正木が嬉しそうに姫川の下半身を撫でる。
そこを刺激されて姫川の体がビクッと大袈裟なくらい跳ねた。
「もう、トマト食べられたんだからそれでいいだろ。」
下半身を刺激されたことで正気を取り戻した姫川は自分に乗り掛かりながらまた下半身に手を伸ばそうとしている正木を腕で退けようとした。
しかし正木は抵抗しようとする姫川の腕を取るとそれをソファに縫い付けた。
「ダメ。お前も反応してるって事は体が刺激を求めてるんだよ。好きな人がそんな反応してるのを無視できるほど俺は理性的じゃないからな。」
そう言ってペロッと唇を舐めて見せる正木は男性の魅力に溢れて見えた。
姫川は赤い顔のまま正木の顔から目が離せずにいた。
「これから文化祭の準備で忙しくなるだろ。そうしたらこうやって会える機会も減っちまうから今のうちにな。」
そう言って正木は姫川の額や頬、唇、首元に唇を這わせていく。
皮膚に当たるか当たらないかの際どい刺激に姫川は身を捩る。
「待てって。俺はまだお前の気持ちにも答えてないし。その・・・」
そこで一旦言葉を切った姫川を訝しむように正木が目線を上げる。そこには少し困った顔で体を上気させる姫川がいた。
「は、恥ずかしいんだよ。こういうの。慣れてないし・・・いつもお前だけ余裕で俺だけ余裕がないのも嫌なんだよ・・・」
恥ずかしそうに顔を背けながら思いを伝える姫川が堪らなく愛おしくて再び正木が姫川の唇に齧り付いた。
「んーっ!」
抗議するように姫川が言葉を発するが、正木の口の中に飲み込まれていく。
両手を押さえられ、ソファに沈み込んだ姫川は碌な抵抗が出来ず、正木はそれを良いことに舌を喉の方まで差し込んだ。
「ん“ん!」
姫川が苦しそうな顔で声を上げる。目には涙が溜まっており、嘔吐きそうになりながらも必死に耐えている様子だった。
「グッ・・・ケホッゴホッ・・・お前・・・ふざけんな。」
唇を離すと、姫川が咳き込みながら正木を睨んだ。
するとそのまま正木はポスっと姫川の体の上に優しく倒れ込んだ。
「はぁぁぁ、今のは無しだって。マジで心臓が壊れるかと思った。」
そう言った正木の心臓は姫川でもわかるくらい鼓動が速かった。
「俺が余裕だなんてそんな訳ないだろ。お前のちょっとした表情や言動に振り回されっぱなしだよ。」
姫川の上で呟くように話す正木を姫川も放っておけなくなって、正木の早鐘が落ち着くよう正木の背中に腕を回した。
思わぬ姫川の行動に正木が顔をバッと上げた。
少し照れながらぎこちなく背中を撫でる姫川に、正木の理性は呆気なく崩れていった。
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