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2学期までの1週間
四話
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すっかり失念していた。
姫川は清木に自己紹介をされて、初めて思い出した。
2学期になると、成績が1位と2位の生徒が研修として役員に仲間入りする。姫川自身、去年の2学期に風紀委員に入って、そこから先輩たちに委員の仕事について色々教えてもらっていた。ここから成績順が変動しても、10位以下に落ちる生徒は今までいなかったようだ。
2位の清木が風紀という事は、1位の柏木は生徒会か。
そう思うと姫川は頭を抱えたくなった。次から次へと厄介ごとが出来て、心が疲弊していく。
「そうだったのか・・・これからよろしく頼む。」
前で未だにこちらをジッと見つめる清木にそう言えば、またスマホから音がした。
姫川は、ふぅっと息を吐くと清木の腕を握って、自分の方へ引き寄せた。
「これから俺たちと委員の仕事をしていくつもりなら、そういう行為は控えろ。」
射抜く様な目で清木を見れば、怖がるどころか顔を赤くしていた。
掴みどころのない清木に姫川は呆れ、直ぐに腕を離すと席に深く腰掛けた。
その時、
「あれっ?正くんもう来てたの?早いね。」
と柔らかい佐々木の声がした。
その途端さっきまで顔を赤らめていた清木は一気に無表情になる。その急な変化に姫川は少し驚いた。
「あぁ、姫川もおかえり。実家の生活はどうだった?楽しかった?」
そう言いながら、佐々木が姫川の方へ歩いてきた。
「いい息抜きになったよ。こっちに帰ってくるのが遅くなって悪いな。」
柏木の事をこの1週間任せっきりにしていたことを佐々木に謝った。
「あいつのことを言ってんなら、別にいいよ。でも、その事で話があって早めに此処に来たんだけど•••正くんが居たら少し話しにくいな。」
そう言って、佐々木が清木をチラッと見る。すると、その空気を直ぐに清木が察する。
「僕は姫川先輩に挨拶をしたかっただけですから、今日は失礼します。」
そう言うと、何の感情もない顔で一礼して部屋を去って行った。
清木が出て行った事を確認すると佐々木が口を開く。
「あいつ、此処に顔出すようになってもう4日くらい経つけど、ずっとあの調子なんだよね。あの、無表情じゃ何か考えてるのかさっぱり分かんないよね。」
それを聞いて姫川が首を傾げる。
だったら自分に向けてきたあの表情は何だったのか?
「どうした?難しい顔して。」
佐々木の指摘で姫川は考えを中断した。今は清木の事よりもっと気にしなければならない事柄があるからだ。
「いや、何でもない。それで、柏木について話って何だ?」
姫川の問いかけに佐々木は一瞬真面目な顔をした。
姫川は清木に自己紹介をされて、初めて思い出した。
2学期になると、成績が1位と2位の生徒が研修として役員に仲間入りする。姫川自身、去年の2学期に風紀委員に入って、そこから先輩たちに委員の仕事について色々教えてもらっていた。ここから成績順が変動しても、10位以下に落ちる生徒は今までいなかったようだ。
2位の清木が風紀という事は、1位の柏木は生徒会か。
そう思うと姫川は頭を抱えたくなった。次から次へと厄介ごとが出来て、心が疲弊していく。
「そうだったのか・・・これからよろしく頼む。」
前で未だにこちらをジッと見つめる清木にそう言えば、またスマホから音がした。
姫川は、ふぅっと息を吐くと清木の腕を握って、自分の方へ引き寄せた。
「これから俺たちと委員の仕事をしていくつもりなら、そういう行為は控えろ。」
射抜く様な目で清木を見れば、怖がるどころか顔を赤くしていた。
掴みどころのない清木に姫川は呆れ、直ぐに腕を離すと席に深く腰掛けた。
その時、
「あれっ?正くんもう来てたの?早いね。」
と柔らかい佐々木の声がした。
その途端さっきまで顔を赤らめていた清木は一気に無表情になる。その急な変化に姫川は少し驚いた。
「あぁ、姫川もおかえり。実家の生活はどうだった?楽しかった?」
そう言いながら、佐々木が姫川の方へ歩いてきた。
「いい息抜きになったよ。こっちに帰ってくるのが遅くなって悪いな。」
柏木の事をこの1週間任せっきりにしていたことを佐々木に謝った。
「あいつのことを言ってんなら、別にいいよ。でも、その事で話があって早めに此処に来たんだけど•••正くんが居たら少し話しにくいな。」
そう言って、佐々木が清木をチラッと見る。すると、その空気を直ぐに清木が察する。
「僕は姫川先輩に挨拶をしたかっただけですから、今日は失礼します。」
そう言うと、何の感情もない顔で一礼して部屋を去って行った。
清木が出て行った事を確認すると佐々木が口を開く。
「あいつ、此処に顔出すようになってもう4日くらい経つけど、ずっとあの調子なんだよね。あの、無表情じゃ何か考えてるのかさっぱり分かんないよね。」
それを聞いて姫川が首を傾げる。
だったら自分に向けてきたあの表情は何だったのか?
「どうした?難しい顔して。」
佐々木の指摘で姫川は考えを中断した。今は清木の事よりもっと気にしなければならない事柄があるからだ。
「いや、何でもない。それで、柏木について話って何だ?」
姫川の問いかけに佐々木は一瞬真面目な顔をした。
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