せっかく異世界から帰ってきたのに、これじゃあ意味がない

乙藤 詩

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番外編

黒の執着14

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はぁはぁはぁ・・・
栄の荒い息が室内に響いている。栄の挑発によって力を取り戻したクロノはあれから栄を離す事なく、抜かずに更に2回イった。
栄も最初は痛かった穴が回を重ねるごとにクロノの液で滑らかになり、最終的には声を抑えるのが難しい程、感じてしまった。
「職場で倒れた俺にここまでするか?」
まだ息が整わない栄が、クロノを睨みながら忌々しそうにそう吐いた。
「栄さんが俺を煽るのが悪い。俺だって最初は本当にここまでするつもりはなかったんだから。」
そう言って勝手に冷蔵庫から出したミネラルウォーターに口をつけながら言った。
「はぁ、これでお前も満足しただろ。約束だからな。これ以上俺の生活を邪魔するなよ。」
「・・・。」
栄の言葉にクロノは答えずその代わり水を飲みながら無言で栄に近づいてくる。
「おい無視すっー!?」
そしてクロノに声を掛けようとした栄の唇に齧り付いた。
その瞬間栄の口に少し緩くなった水が流し込まれた。
「ぐっゴホッ・・・何してんだ。」
少し咳き込みながら言う栄にクロノは
「その体のままだと気持ち悪いだろ?早く風呂に入ってこいよ。」
と耳元で囁いた。
飲ませ方は大問題だが、クロノに水を流し込まれて、自分は喉が渇いていたんだという事を栄は初めて自覚した。クロノの持っている水を横から奪うと、それを飲み干し、だるい体を起こして風呂に行こうと立ち上がった。
酷使した栄の体は一刻も早く休みたがっている。
急激な眠気に襲われ、クロノと話すのも億劫になった栄はそのまま風呂場へと歩を進めた。
クロノに約束の話を有耶無耶にされたような気もしたが、それよりも早く寝たい気持ちの方が強くなった。
重い体を引きずり、脱衣所に向かっていると、
ゴポッ
という音と共にクロノの残滓が栄の足を伝った。その気持ち悪さに栄は顔を顰める。
「うわっ、エッロ!」
「黙れ!」
クロノの言葉に栄が怒りを露わにして睨みつける。その顔を余裕の笑みで躱わすクロノにまた苛立ちを感じ栄は力任せに脱衣所の扉を閉めた。

シャワーの音が浴室から聞こえ始めた。先程まで栄の体を組み敷いていたベッドにクロノはそっと腰掛けた。
先程の情事を思い出しただけで、クロノはまた体が火照っていくのを感じる。それほどまでに栄の乱れる姿は魅力的だった。
はぁぁぁ・・・
クロノはベッドに大の字に転がった。
とてもじゃないがこの一回で満足できそうになかった。一度知ってしまえば何度でも味わいたくなる。栄はそんな男だった。
当初は一回抱けばそれで満足すると思ったが、その考えは間違いだったと思い知る。
一回だけで終わらせてたまるか。
クロノは次はどうやって栄を抱こうかとその事を考え、1人でニヤッと笑った。
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