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番外編
黒の執着10
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栄をベッドに寝かせたクロノは殊更ゆっくりと衣服を剥がしていった。そして、首筋、鎖骨、胸の突起と、はだけた衣服から見える栄の素肌を指先で撫でていった。
「ふっ、っ•••」
栄はそんなもどかしい刺激に息を漏らす。
「お前、正気か?元々俺の事好きじゃなかった筈だろ。」
栄がそんな刺激に耐えながらも、呆れたようにクロノに言葉をかける。その間にも少しずつ素肌が露わになっていく。
「まぁ確かに口煩くて面倒くさいとは思ってたな。でもあの夜、あんたが俺に見せた顔が忘れられない。どうしてもあんたを抱いてみたくなった。こんなに1人に執着するのは俺も初めてなんだ。」
我慢できないと言うように、クロノは言葉を紡ぎながらも栄の体に指や唇を這わせた。
「たった一回の遊びみたいなキスだろ。」
たまにゾクっとするような感覚に苛まれながらも栄はクロノに話しかける。
「あぁ、あんたは遊びのつもりだったかもしれないが、俺にとっては中々衝撃的な体験だった。」
「そっ、それはあの時ヤリ損ねたからだろ?中途半端にお前の性欲を刺激したから、最後まで出来なくて意地になってるだけだ。」
クロノの爪が胸の突起を弾いたことで、栄は一瞬言葉に詰まるが、何とか思いを伝える。
「だから、それを確かめたいんだ。あんたを抱いて。この気持ちがなんなのかきちんと知りたい。」
漆黒の目を栄に向けながら、それでもクロノは真剣な声音で栄に言った。そんなクロノの思いに栄の心がグラッと揺れる。そして一度固く目を瞑ると、
「ああーもうわかったから、取り敢えずこの変な術を解け。」
と投げやりにクロノに言った。
その言葉の意図がわからず、一瞬クロノが動きをとめる。
「だから、一回だけ抱かせてやるって言ったんだ。でも、こんな術をかけられて無理やりされるのは俺の趣味じゃない。だから、これを解けって言ってるんだ。」
「いやいや、おかしいだろ!さっきまであんなに嫌がってたのに、急にその気になったのか?術を解いたら逃げるつもりだろ?」
今までの栄の態度が急に一変した事で、逆にクロノが疑いの目を向ける。
「お前は俺が逃げても逃げても追いかけてくるだろう。俺もいい加減この押し問答に嫌気がさしていた所だ。いい機会だから相手をしてやるよ。但し、後腐れなく一回きりだ。わかったな?」
ゴクっとクロノが唾を呑み込む。栄の体をこれから抱けると思うとそれだけで気持ちが高揚した。
クロノは漆黒に染めていた瞳を元に戻した。そうすると自分の意思で栄は手足を動かす事ができた。
「厄介な術だな。流石に俺も驚いた。」
今まで突飛な言動や行動はあっても、この世界の人間と変わらないと思っていたのに、こんな術を使われては、クロノの事を異世界人だと認識せざるを得なかった。
自由に動かせるようになった手足を一通り動かし、確認すると、栄はクロノの顔を真正面から見た。その目は情欲に燃えていた。
「くくっ、よくこんなおっさんにそんな目ができるもんだ。」
栄が額にかかった髪を掻き上げながらそう言うと、クロノが齧り付くようにキスをした。
「ふっ、っ•••」
栄はそんなもどかしい刺激に息を漏らす。
「お前、正気か?元々俺の事好きじゃなかった筈だろ。」
栄がそんな刺激に耐えながらも、呆れたようにクロノに言葉をかける。その間にも少しずつ素肌が露わになっていく。
「まぁ確かに口煩くて面倒くさいとは思ってたな。でもあの夜、あんたが俺に見せた顔が忘れられない。どうしてもあんたを抱いてみたくなった。こんなに1人に執着するのは俺も初めてなんだ。」
我慢できないと言うように、クロノは言葉を紡ぎながらも栄の体に指や唇を這わせた。
「たった一回の遊びみたいなキスだろ。」
たまにゾクっとするような感覚に苛まれながらも栄はクロノに話しかける。
「あぁ、あんたは遊びのつもりだったかもしれないが、俺にとっては中々衝撃的な体験だった。」
「そっ、それはあの時ヤリ損ねたからだろ?中途半端にお前の性欲を刺激したから、最後まで出来なくて意地になってるだけだ。」
クロノの爪が胸の突起を弾いたことで、栄は一瞬言葉に詰まるが、何とか思いを伝える。
「だから、それを確かめたいんだ。あんたを抱いて。この気持ちがなんなのかきちんと知りたい。」
漆黒の目を栄に向けながら、それでもクロノは真剣な声音で栄に言った。そんなクロノの思いに栄の心がグラッと揺れる。そして一度固く目を瞑ると、
「ああーもうわかったから、取り敢えずこの変な術を解け。」
と投げやりにクロノに言った。
その言葉の意図がわからず、一瞬クロノが動きをとめる。
「だから、一回だけ抱かせてやるって言ったんだ。でも、こんな術をかけられて無理やりされるのは俺の趣味じゃない。だから、これを解けって言ってるんだ。」
「いやいや、おかしいだろ!さっきまであんなに嫌がってたのに、急にその気になったのか?術を解いたら逃げるつもりだろ?」
今までの栄の態度が急に一変した事で、逆にクロノが疑いの目を向ける。
「お前は俺が逃げても逃げても追いかけてくるだろう。俺もいい加減この押し問答に嫌気がさしていた所だ。いい機会だから相手をしてやるよ。但し、後腐れなく一回きりだ。わかったな?」
ゴクっとクロノが唾を呑み込む。栄の体をこれから抱けると思うとそれだけで気持ちが高揚した。
クロノは漆黒に染めていた瞳を元に戻した。そうすると自分の意思で栄は手足を動かす事ができた。
「厄介な術だな。流石に俺も驚いた。」
今まで突飛な言動や行動はあっても、この世界の人間と変わらないと思っていたのに、こんな術を使われては、クロノの事を異世界人だと認識せざるを得なかった。
自由に動かせるようになった手足を一通り動かし、確認すると、栄はクロノの顔を真正面から見た。その目は情欲に燃えていた。
「くくっ、よくこんなおっさんにそんな目ができるもんだ。」
栄が額にかかった髪を掻き上げながらそう言うと、クロノが齧り付くようにキスをした。
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