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本編

クロウの状況一方その頃

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「民の異常な領ばなれ…それに、周りのガドナー家への認識。どうしてこうなった………すべてお前の!!お前のせいだクロウ」
「そうね………、私たちこれからどうやって信用を取り戻せばいいの」

少なくなった使用人と、クロウとその両親が一つの部屋に集まっていた。
クロウの一件は瞬く間に広がり、多くの信用を失った。時期領主となる男が嫉妬してほしかったがために、浮気を繰り返し、使用人を通して殺したのだ。そんな男が治めることになる街になど入れる訳がないと、多くの民は土地を離れた。

彼らの雇っている使用人でさえ、クロウへの忠誠心などない。あるのは見下しの、感情だった。

クロウの華の学園生活も、ほぼ終わったようなものであった。
彼の取り巻きの女は、また新しい標的を見つけクロウを見向きもしなかった。それどころか、イアリスの友人が流した話や今までの浮気相手の持つクズエピソードを流されて、まさに地獄の学園生活そのものだった。

彼を取り巻いているのは、孤独感と後悔。

「くそぅ…クソ。俺は……おれは」

毎晩、学園から帰ると枕に顔をうずくめ、元気さが亡くなった顔を擦りながら、嘆いていた。




一方そのころイアリスとシエルは幸せに暮らしていた。子爵夫人として。シエルの嫁として。

「あっリズ様~!」「みてみて、お花のネックレス!」

青色の花畑にシエルとイアリスは来ていた。すると五人の子供達がわっと二人を取り囲む。
イアリスはリズという偽名を使っている。髪や瞳の色をシエルの魔法で変え、顔の形こそ変わっていないもののパッとみただけでは誰もイアリスと気が付かないようにはなっていた。

領地の子供達と戯れながら、シエルに溺愛される毎日。

前の国では得られなかった幸せがある…とイアリスは、子供にネックレスをかけてもらいながら思うのであった。
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