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本編
シエル
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シエルは崖に目掛けて、手を向けると、またもや、紫の光が放たれた。私に良く似た死体を作るんだろうけど…一体どんなものが出来上がっているのか見たくなる。けれど、シエルは危ないから駄目、と言って見せてはくれない。そうとうリアルな出来なのかしら。でもそうよね、こんな崖から落ちた人というのはもう形も残らないほど、潰されるでしょうし、綺麗なままだとおかしい。多分…凄くグロいでしょうね。
シエルが僕の体に捕まって、と私に目線を合わせて言う。私は何をするのか良くわかっていなかったから、軽く彼の裾をちょいとだけ掴んだ。それがいけなかった。シエルと私は上空を勢いよく飛び始める。ドレスも、髪も強風に靡かれ、ほんと今すぐにでも、置いていかれそうになった。悲鳴も出しそうになる。
このままじゃ本当に落ちるわ、とシエルにぎゅうと掴まる。
するとシエルの心音が聞こえた。激しい、トクトクトクなんてものじゃない。本当にもの凄く早かった。
しばらくすると、地に降り立った。
たった数秒しか浮いていないはずなのに、地上が安心する。生きて帰れてよかったという安堵感からだろうか。
「ついたよ、ここが僕の国さ」
彼の国は私の国から、一個離れたところにあった。馬車で2時間ぐらいだろうか。彼はこんな遠いところから、私の元に来てくれていたのね。
シエルは私に町を案内してくれた。
「私こんなに堂々と歩いていていいのかしら、」
「大丈夫だよ。ほら僕お得意のアレをかけているから」
ああ、と納得した。周りには私はどう映っているのでしょう?・
そしてたくさん歩いて、いろんな事を知って、楽しかった。
「疲れたろ?休憩しよう僕の家に案内するよ、」
「ありがとう。ところでこれからだけど、私どうしようかしら。ほら家とか」
連れ出してくれたのはよかったけれど、これ以上シエルに迷惑をかける訳にはいかないし…
「え?…僕はこれ駆け落ちだと思ってたけれど……」
「?」
シエルは何か呟いていた。何を言っているのか聞こえない。
「そのことについては…後で話すよ!まずはお腹空いてない?何か食べよう」
「空いているわ」
そしてシエルの家に向かう。
シエルが僕の体に捕まって、と私に目線を合わせて言う。私は何をするのか良くわかっていなかったから、軽く彼の裾をちょいとだけ掴んだ。それがいけなかった。シエルと私は上空を勢いよく飛び始める。ドレスも、髪も強風に靡かれ、ほんと今すぐにでも、置いていかれそうになった。悲鳴も出しそうになる。
このままじゃ本当に落ちるわ、とシエルにぎゅうと掴まる。
するとシエルの心音が聞こえた。激しい、トクトクトクなんてものじゃない。本当にもの凄く早かった。
しばらくすると、地に降り立った。
たった数秒しか浮いていないはずなのに、地上が安心する。生きて帰れてよかったという安堵感からだろうか。
「ついたよ、ここが僕の国さ」
彼の国は私の国から、一個離れたところにあった。馬車で2時間ぐらいだろうか。彼はこんな遠いところから、私の元に来てくれていたのね。
シエルは私に町を案内してくれた。
「私こんなに堂々と歩いていていいのかしら、」
「大丈夫だよ。ほら僕お得意のアレをかけているから」
ああ、と納得した。周りには私はどう映っているのでしょう?・
そしてたくさん歩いて、いろんな事を知って、楽しかった。
「疲れたろ?休憩しよう僕の家に案内するよ、」
「ありがとう。ところでこれからだけど、私どうしようかしら。ほら家とか」
連れ出してくれたのはよかったけれど、これ以上シエルに迷惑をかける訳にはいかないし…
「え?…僕はこれ駆け落ちだと思ってたけれど……」
「?」
シエルは何か呟いていた。何を言っているのか聞こえない。
「そのことについては…後で話すよ!まずはお腹空いてない?何か食べよう」
「空いているわ」
そしてシエルの家に向かう。
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