上 下
4 / 43
本編

紹介

しおりを挟む
この学園では身分関係なく、王族から貴族、そして平民まで入れる事が長所である。しかし、マナーや行儀を重んじる貴族と、行儀作法を学んでいない平民とはあまり気が合わない。

貴族は平民を疎み避け、平民は貴族を羨み近づく。

このような状況がずっと続いてるのを私は知っているわ。


だから平民でも男でも女でも誰これ構わずハーレムにしてみせるクロウ様は、ある意味尊敬できる。ああ、これがもし悪い方向に進んでいなければ…と何度思ったことか。


「昼食は、どこで食べますか?」

「そうね…今日は天気が良いので暖かい場所で食べたいわ」

「あっ…なら、ここのガーデンパラソルの付いた…可愛いお机にいたしません?」

最初に私に声をかけてきたのは男のアルツ様、次に可憐な声で机を選んだ子はシュナ様。今日は彼らと一緒に食べるつもりである。


「ええ、そこにしましょう」


私はドレスが地につかないよう配慮しながら座る。前までは、クロウの瞳の色のものを着ていたり、なんてしていたけど…もう良いわよね。私の好きな色のドレスを身につけたって。


シュナ様が手を叩くと、執事らしい人が現れてバスケットからティーカップやサンドイッチを取り出し机の上に置いてくれた。

「ありがとうございます」

「いえいえ…。皆さんと食べるのも…久しぶりですわねぇ」

シュナ様が嬉しそうに言う。確かに、私はしばらく彼等と一緒にしていなかった。最後に共にしたのはクロウが三人目の女性に手を出した時かしら。クロウ様とご一緒した方が良いのでは?とシュナ様が申すものだから、頑張ってみようとし始めたのだっけ。…もしかしたら、私はクロウ様が取られる、と焦っていたのかもしれないと、今になって思う。

「本当に…!久々に幼馴染みの君たちと食べることが出来て嬉しいです。…ところでイアリス様、何処か疲れた顔をしているように見えます。もしかして…」

もしかして、クロウ様の事?

アルツ様が口パクパクさせて、言葉をつけたす。
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【完結】婚約解消ですか?!分かりました!!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:156pt お気に入り:362

敷かれたレールのその先

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:5

美食の聖女様

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:478

【完結】貴方と貴方のとなりのあの子を見倣います!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:177pt お気に入り:342

忍びの末裔の俺、異世界でも多忙に候ふ

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:611pt お気に入り:197

公爵様と行き遅れ~婚期を逃した令嬢が幸せになるまで~

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:78pt お気に入り:32

処理中です...