日記風な記録

子供と一緒に成長する

分かります ー無償の愛ってやつですねー

　小さな公園には、ちょっとした遊具の他になんだかよく分からない記念碑があったのだが、これが何故かちびっ子の人気遊具の一つになっていた。

　その石壁が子供の冒険心をくすぐる作りになっていて、今で言うロッククライミング状態。
　ワラワラと子供たちは集まり、よじよじと登っていく。少し大きな子達は頂上の石碑の上まで登頂し、えいやっ！　と飛び降りるという、順番待ちまで出来る人気遊具と化していた。

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　よちよちと歩き始めたばかりの我が家の姫は、自力で登れない事に気づくと、私母親に期待の眼差しを向けた。
　キラキラ輝く幼児の眼差しに、母はイチコロである。

　私は娘を抱き上げ、他の子供たちの邪魔にならない場所に登らせてあげる。高さ的には普通身長の私の腰の当たり。

　娘はそこからバンジーするのが大好きだった。なんという恐ろしい遊びであることか！
　抱き上げる、立ち上がる、私に向かって飛び降りる。繰り返す繰り返す何度も何度も…。

　何の疑いも無く、我が姫は私に向かって飛び降りる。

　信頼って怖い。そこに寄せられる裏切れない思い…。母は嬉しいけど怖かった。そんなに信じてどうするんだよと怒りたかった。
　怒れるわけもなく、ぎゅうっと抱きしめる。

　それは私が無償の信頼を知った日。初めて知った『見返りを求めない信頼』は、とても重くてあたたかかった。

　その日彼女は私を母親の何たるかを教えてくれた。