日記風な記録

家族ってなんだ

結婚の理由

　ここまで読んでくださったアナタは「じゃあなんで結婚したの」と言うだろう。

　理由は簡単である、めんどくさくなったのだ。


　今の私なら断固として主張し拒否出来たかもしれない「アナタは自分の理想というフィルターごしに、私を見ているよね？」そう言って会うのを止めただろう。けれど、あの時点の私には無理だった。

　何度か言ってはみたのだ「しばらく会うのを止めよう」「アナタにはもっとお似合いの人がいる」「私たち考え方が根本的に違うよね」ーーーけれど、自分たちは両思いなのだと思い込んでいる彼には通じなかった。
　「疲れているの？」「何だか変だよ？」「どうしたの？　悩みでもあるの？　誰かに何か言われた？」ーーー私は…拒否し続けることに、疲れてしまったのだ。

　同じ職場というのもよくなかった、未婚の同年代がお互いだけなのも悪かった。何より一番問題なのは、その職場が私の身内の会社だという事だろう。伯父伯母従兄弟、伯父の兄。
　所謂中小企業、職員の半分は身内である。

　全員が「二人は結婚する」と思っていた「私が彼を恋愛対象として見ている」と、皆が勘違いしていると気づいた時にはもう、引き返せないところまで来ていた。

　いや…引き返せないところまで来ている、と思い込んでいたのかもしれない。


　もしも、と考える。あの時もっと頑張って拒否していたら…


…
……
…………


　そもそも私は結婚と言うものに全く憧れていなかったし、夢も希望も持ってはいなかった。しかし、何かを期待していたのかも知れない…いや、期待していたのだろう。

　自惚れかも知れないが、自分はこの人に好かれているという自信と、この人なら大丈夫だろうという根拠のない確信と、子供が産みたいという…渇望が、私に結婚という決断をさせたのだ。

　ここまで思ってくれるなら…。

　みんながそう言うんだから、それが正しいんじゃないの？

　いつも私は間違ってた、コレも私が間違ってるんじゃないの？

　疲れきった私はそう思ったのだ。もうどうとでもなれと、楽な方に流されたのだ。