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開店前夜編
第10話 日常生活を楽しんだ
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真っ暗な部屋を、記憶を頼りにすり足で歩き、部屋の電気のスイッチを押した。
-見慣れた本棚、見慣れたテレビ、見慣れたPC…
そして見慣れた家族の写真
その部屋は時が止まっているかの様に、3年前と変わっていなかった。
「ただいま…」
誰もいない部屋で一人呟き、ふとテーブルを見るとスマートフォンが置かれていた。
懐かしいと思いながら、手に取り電源を入れてみるが入らない。
充電ケーブルに端末を差し込んだ後、パソコンを起動した。
起動後直ぐに日付を確認すると…
「令和元年…何だ?この元号は!」
これは別の世界の日本だ!パラレルワールドの日本へ来てしまったのだ!
確かに時間が経過したとは思えない位に部屋が綺麗だ…
つまり…この世界のオレがいる!?
パニック状態のオレはふとPCの画面を見ると…
「2019年7月1日…西暦では3年経っている…」
訳がわからないオレは令和と言う謎の元号をネットで調査した。
----
完全に早とちりでした…
どうやらオレが転移した直後に平成天皇が譲位の意を示し、当時の皇太子様が天皇となり、元号が変わっていたのだ。
つまりはオレの知っている日本で間違いなかったのだ。
転移してから約3年。地球も同じ様に経過していた。
地球でオレは行方不明者となっているんだな…
忽然と姿を消してしまったんだから、友達に迷惑かけちゃっただろうな…
気を取り直してオレは3年ぶりの日常生活を楽しんだ。
まずはパソコンでニュースや動画を楽しみ、ベッドに横たわり、充電中のスマホでメールのチェックを行った。
思っていたよりも安否メールは少なかった。
確かに人付き合いは少ない方で、頻繁に連絡する親友も数人だ。あとで返信しておこう。
それよりも会社からのメールが大量に送られてきていた。
はじめは
「何処にいるんだ!早く出社しろ!」
「バックレられると思ってるのか?直ぐに見つけ出してやる」
「お前を訴える準備をしている!覚悟しておけ!」
などなど…高圧的な催促メールが送られて来ていたが、次第にトーンダウンしていき…
「貴方がいないと会社が潰れてしまいます…」
「お願いですからご連絡を下しい」
といった、最後は誤字も気にせず今にも泣きそうな嘆願メールへと変わっていた。
悪い事しちゃったなと思いつ…な訳がない!
サーバ管理を俺だけに任せ、しまいにはシステムのほとんどをオレ一人に作らせるといった超絶ブラック会社だったので、正直ざまあみろと心から思ってしまった…
その後を調べてみると、何とか立て直し、業績もかなりいいみたいだ…
今のオレのパワーでまた復讐してやろうと、密かに思うのだった。
そんな事を考えながらゴロゴロしていると、突如として睡魔が襲って来た。
今日は色んな事がありすぎて、精神的に疲れてしまっているのだろう…
オレは睡魔に完全服従し、眠りに就くのだった…
◇
目が覚めると、窓の外はオレンジ色の朝焼けになっていた。
シャワーを浴び、久しぶりに髪をシャンプーで洗い、シャワーから出るとTシャツにジーパンを履き、歯を磨きを始めた。
ガチャ
ドアノブが回り、人が入ってきた
「誰だ?」
「え!?…シュウ?シュウじゃん!帰ってきたのか!」
「ヒデ!」
目の前にはオレの親友ヒデが立っていた。
3年ぶりの再会で心が震え、暫しの沈黙が流れた。
その流れを断ち切ったのはヒデだった。
「シュウ…」
「おう…」
「その歯ブラシ…オレの…」
「………」
オレは3年ぶりのえづきをいつまでも続けるのだった…
-見慣れた本棚、見慣れたテレビ、見慣れたPC…
そして見慣れた家族の写真
その部屋は時が止まっているかの様に、3年前と変わっていなかった。
「ただいま…」
誰もいない部屋で一人呟き、ふとテーブルを見るとスマートフォンが置かれていた。
懐かしいと思いながら、手に取り電源を入れてみるが入らない。
充電ケーブルに端末を差し込んだ後、パソコンを起動した。
起動後直ぐに日付を確認すると…
「令和元年…何だ?この元号は!」
これは別の世界の日本だ!パラレルワールドの日本へ来てしまったのだ!
確かに時間が経過したとは思えない位に部屋が綺麗だ…
つまり…この世界のオレがいる!?
パニック状態のオレはふとPCの画面を見ると…
「2019年7月1日…西暦では3年経っている…」
訳がわからないオレは令和と言う謎の元号をネットで調査した。
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完全に早とちりでした…
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つまりはオレの知っている日本で間違いなかったのだ。
転移してから約3年。地球も同じ様に経過していた。
地球でオレは行方不明者となっているんだな…
忽然と姿を消してしまったんだから、友達に迷惑かけちゃっただろうな…
気を取り直してオレは3年ぶりの日常生活を楽しんだ。
まずはパソコンでニュースや動画を楽しみ、ベッドに横たわり、充電中のスマホでメールのチェックを行った。
思っていたよりも安否メールは少なかった。
確かに人付き合いは少ない方で、頻繁に連絡する親友も数人だ。あとで返信しておこう。
それよりも会社からのメールが大量に送られてきていた。
はじめは
「何処にいるんだ!早く出社しろ!」
「バックレられると思ってるのか?直ぐに見つけ出してやる」
「お前を訴える準備をしている!覚悟しておけ!」
などなど…高圧的な催促メールが送られて来ていたが、次第にトーンダウンしていき…
「貴方がいないと会社が潰れてしまいます…」
「お願いですからご連絡を下しい」
といった、最後は誤字も気にせず今にも泣きそうな嘆願メールへと変わっていた。
悪い事しちゃったなと思いつ…な訳がない!
サーバ管理を俺だけに任せ、しまいにはシステムのほとんどをオレ一人に作らせるといった超絶ブラック会社だったので、正直ざまあみろと心から思ってしまった…
その後を調べてみると、何とか立て直し、業績もかなりいいみたいだ…
今のオレのパワーでまた復讐してやろうと、密かに思うのだった。
そんな事を考えながらゴロゴロしていると、突如として睡魔が襲って来た。
今日は色んな事がありすぎて、精神的に疲れてしまっているのだろう…
オレは睡魔に完全服従し、眠りに就くのだった…
◇
目が覚めると、窓の外はオレンジ色の朝焼けになっていた。
シャワーを浴び、久しぶりに髪をシャンプーで洗い、シャワーから出るとTシャツにジーパンを履き、歯を磨きを始めた。
ガチャ
ドアノブが回り、人が入ってきた
「誰だ?」
「え!?…シュウ?シュウじゃん!帰ってきたのか!」
「ヒデ!」
目の前にはオレの親友ヒデが立っていた。
3年ぶりの再会で心が震え、暫しの沈黙が流れた。
その流れを断ち切ったのはヒデだった。
「シュウ…」
「おう…」
「その歯ブラシ…オレの…」
「………」
オレは3年ぶりのえづきをいつまでも続けるのだった…
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