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第三章
ウィルカート街へようこそ!(5)
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アレフが目を覚ますと、馬車はまだ揺れていた。
未だに騎士学院の姿は見えず、アレフは眠い目を擦り体を起こした。
隣にはまだエトナが寄りかかっており、アレフが動いたせいか体勢を崩し、座席に倒れるがそれでも起きる気配はなかった。
怖いぐらいに寝ているため、アレフも思わずエトナを起こそうとする。
「アレフ君、エトナちゃんは寝かせてあげなさい」
その声の主はマース……、ではなく、アレフが声の方向へ振り向くと、座席に座っていたのは白いフード付きローブに身を包んだダァトだった。
いきなりの登場にアレフは思わず、飛び上がってしまう。
「こんにちは、アレフ君。あと五時間もすれば、騎士学院に到着すると思うよ」
まるで今まで同席していたかのように話し始めるダァトにアレフは怪訝そうな顔をした。
「どうやって入ってきたの?」
「どうやってって、そりゃあ私は占い師だからね。最初からここにいたのさ」
嘘くさい。
アレフの顔は疑惑に満ちており、胡散臭そうにダァトを見ていた。
「おや、信用していないようだね」
「まあね。それにマクレイン先生やマースも知らないみたいだし、……もしかして、悪騎士?」
「悪騎士じゃないよ。そもそも騎士でもない。だからマクレインさんもマース君もしらないのさ」
アレフはダァトの横で寝ているマースを見た。
いびきをかきながら寝ているその姿に、アレフは一つの安心感を得た。
「私を知っているのは、精々ローレンス君くらいだろう」
「ローレンス……」
アレフにとってまだ出会ったことのない人物。
みんなが口に出すものだから、自然と頭の中で立派で厳格そうなイメージが作られていた。
「まだあったことがないのに、みんなしてその名前も出すものだから、さぞかし厳格な方だと思っているだろう。彼は人に優しい良い人だ。人望が厚いというのはまさしく彼のことを指すだろうね」
「そ、そうですか……」
アレフは自分の頭の中を見透かされているようで、なんだか嫌な感覚になる。ダァトは鼻を少し鳴らし、得意げな態度を示した。
「ところで、何でここにいるのさ」
アレフはダァトの得意げな態度を壊してやろうと、ふてぶてしく言った。そんな様子を介せず、ダァトは話を始めた。
「君に一つ渡すものがあってね。これさ」
ダァトはそう言って、片手に持っていた杖を振りかざした。
しかし、何も起こらなかった。
はて、と首を傾げたダァトはもう一度、杖を振りかざした。
しかし、何も起こらなかった。三回目、ダァトが杖を振ろうとしたとき、どこからともなく声が聞こえた。
「いい加減、振り回すのやめてくれんかのう……」
アレフは目を見開いた。
杖が喋っているのだ。
お辞儀などではなく、今回は杖の先端から口の形を作り話し始めた。
「ええー、ロマンある演出をしたいじゃないか、何で協力してくれないのさ。コトボー」
アレフが驚いていると、コトボーと呼ばれた杖はため息をついた。
「別に杖から出す必要はなかろうて」
「やだ、わからずや。甲斐性なし」
「酷い」
アレフは思わず声に出してしまった。
ダァトが「ほらひどいって」というと、コトボーは「お前のことじゃい」と反論し、喧嘩をし始める。
「それで渡すものって何?」
喧嘩を制するようにアレフは、二人(?)に質問をした。
「これだよこれ」
ダァトはポケットの中から、柄だけの物を取り出し、アレフの手のひらに落とした。
「これって……」
「そうこれは、君専用の木剣だよ。君はまだ訓練用の木剣を持っていなかったはずだからね」
コトボーが「最初からそう渡せ」とぼやいていたが、そんなことよりもアレフは自分にも剣を貰えたことに歓喜する。
嬉しさのあまりアレフは「〝グラディウス・リグネウス(木剣よ)〟」と唱えると、柄だけの物は木剣へと移り変わる。
「おっと、一つ忠告。そのアーティファクトはただのアーティファクトじゃないぞ。言ってしまえば、とある方のお下がりだ。不用意に〝グラディウス(剣よ)〟とは言ってはいけないよ。それの剣はすでに折れてしまっているからね」
「折れている?」
「そう折れている。だから、剣だと思わないことさ。あくまで、訓練用の木剣だと思いなさい」
アレフは持っている剣に「〝レベルテレ(戻れ)〟」と言った後に、「〝グラディウス(剣よ)〟」と唱えると持っている剣が姿を変えた。
現れた剣は折れているどころか、刀身の一片もなく、ただの柄と変わりがなかった。
「ほらね。折れている」
「折れているどころか、刀身がないけど……」
「違いはないさ」
アレフは持っていた剣に「〝レベルテレ(戻れ)〟」と言った後、大事そうに柄を見た。
「ありがとう。ダァト」
「お安い御用さ」
「それ、盗品だから感謝するでないぞ、小僧」
コトボーがそんなこと言うものだから、アレフは驚きダァトを睨みつけた。
「いや、違うんだ!」と降参だと言わんばかりに手を振った。
「言っただろう、お下がりだって。その持ち主は使わなくなったんだ。だから君に譲ったんだ。本当だぞ」
「それは本当だ」
だったら何故盗品と言うのか、アレフはそう思うが、ダァトに意地悪したくてそのように言ったのだろうと解釈し納得した。
「あ、そうだった。あとこれを渡さなければ」
そう言ってダァトはまたもや、杖を振り回した。
アレフはまたコトボーが愚痴を言いだすだろうと見ていたが、そんなことはなく、杖の先端から線香花火のようにバチバチと光りだすと、その光はアレフの手元に落ちていった。
思わず見とれてしまったアレフだったが、落ちた光の先を見ていると、百合のような一輪の白い花がアレフの手元に現れた。
「花?」
「そう、花。この花を持ってローレンスのところまで行って欲しい。
そしてお花を渡した後に、彼はこちらの方に決断した、と行って欲しい」
アレフは意味も分からず、相槌を打った。
アレフがダァトたちから目を離し、荷物を内ポケットにしまっていると、その間にダァトたちは、弁当にあったお菓子の袋を開けていた。
ダァトがベイビーチップスと言われていたお菓子をボリボリ口の中に放り込んでは、コトボーにも大きく開けた口の中に放り込んでいた。
「これは塩っけないくせに、そこそこ固いからおいしさよりも、先に顎が疲れてしまうな」
「人間はこんなの食べるのか、病気じゃのう」
お菓子への悪口を言いながら、袋の中の物を次から次へと口に運ぶ仕草に、アレフは食べなきゃいいのに、と思っていた。
二人を見ていたアレフに気づいたのか、ダァトがどうぞとお菓子の袋を差し出した。
アレフは「いただきます」と言い、袋に手を突っ込み、チップスを取り出した次の瞬間だった。
「ぎゃぁぁぁあああ!」
アレフの手に取ったチップスから、けたたましい赤ん坊の泣き声が馬車の中を響かせた。
「うわぁ!」
アレフは思わずチップスを落とすと、それを見ていたダァトが「あはは、外れを引いてるや!」と笑っているのが伺えた。
この騒音に伴って、エトナとマースは飛び上がるように起きると、なんだなんだと耳を塞ぎながら辺りを確認した。
マースが泣きじゃくるチップスを見つけると、すぐさま足で潰し粉々にした。それと同時に馬車の中に静寂が戻ってきた。
「なんだって、ベイビーチップスがこんな時に……」
マースはそう呟くと、額の汗を拭った。
エトナはアレフの手に持っているものに注目し尋ねた。
「それってさっき貰ったお菓子?」
いつの間にかアレフはベイビーチップスの袋を手に持っていた。
「う、うん」
アレフは返事を返すとすぐにダァトの方を向くが、既にそこにはダァトはおらず跡形もなく消えていた。
アレフは内心、あの野郎……、と思うのだった。
未だに騎士学院の姿は見えず、アレフは眠い目を擦り体を起こした。
隣にはまだエトナが寄りかかっており、アレフが動いたせいか体勢を崩し、座席に倒れるがそれでも起きる気配はなかった。
怖いぐらいに寝ているため、アレフも思わずエトナを起こそうとする。
「アレフ君、エトナちゃんは寝かせてあげなさい」
その声の主はマース……、ではなく、アレフが声の方向へ振り向くと、座席に座っていたのは白いフード付きローブに身を包んだダァトだった。
いきなりの登場にアレフは思わず、飛び上がってしまう。
「こんにちは、アレフ君。あと五時間もすれば、騎士学院に到着すると思うよ」
まるで今まで同席していたかのように話し始めるダァトにアレフは怪訝そうな顔をした。
「どうやって入ってきたの?」
「どうやってって、そりゃあ私は占い師だからね。最初からここにいたのさ」
嘘くさい。
アレフの顔は疑惑に満ちており、胡散臭そうにダァトを見ていた。
「おや、信用していないようだね」
「まあね。それにマクレイン先生やマースも知らないみたいだし、……もしかして、悪騎士?」
「悪騎士じゃないよ。そもそも騎士でもない。だからマクレインさんもマース君もしらないのさ」
アレフはダァトの横で寝ているマースを見た。
いびきをかきながら寝ているその姿に、アレフは一つの安心感を得た。
「私を知っているのは、精々ローレンス君くらいだろう」
「ローレンス……」
アレフにとってまだ出会ったことのない人物。
みんなが口に出すものだから、自然と頭の中で立派で厳格そうなイメージが作られていた。
「まだあったことがないのに、みんなしてその名前も出すものだから、さぞかし厳格な方だと思っているだろう。彼は人に優しい良い人だ。人望が厚いというのはまさしく彼のことを指すだろうね」
「そ、そうですか……」
アレフは自分の頭の中を見透かされているようで、なんだか嫌な感覚になる。ダァトは鼻を少し鳴らし、得意げな態度を示した。
「ところで、何でここにいるのさ」
アレフはダァトの得意げな態度を壊してやろうと、ふてぶてしく言った。そんな様子を介せず、ダァトは話を始めた。
「君に一つ渡すものがあってね。これさ」
ダァトはそう言って、片手に持っていた杖を振りかざした。
しかし、何も起こらなかった。
はて、と首を傾げたダァトはもう一度、杖を振りかざした。
しかし、何も起こらなかった。三回目、ダァトが杖を振ろうとしたとき、どこからともなく声が聞こえた。
「いい加減、振り回すのやめてくれんかのう……」
アレフは目を見開いた。
杖が喋っているのだ。
お辞儀などではなく、今回は杖の先端から口の形を作り話し始めた。
「ええー、ロマンある演出をしたいじゃないか、何で協力してくれないのさ。コトボー」
アレフが驚いていると、コトボーと呼ばれた杖はため息をついた。
「別に杖から出す必要はなかろうて」
「やだ、わからずや。甲斐性なし」
「酷い」
アレフは思わず声に出してしまった。
ダァトが「ほらひどいって」というと、コトボーは「お前のことじゃい」と反論し、喧嘩をし始める。
「それで渡すものって何?」
喧嘩を制するようにアレフは、二人(?)に質問をした。
「これだよこれ」
ダァトはポケットの中から、柄だけの物を取り出し、アレフの手のひらに落とした。
「これって……」
「そうこれは、君専用の木剣だよ。君はまだ訓練用の木剣を持っていなかったはずだからね」
コトボーが「最初からそう渡せ」とぼやいていたが、そんなことよりもアレフは自分にも剣を貰えたことに歓喜する。
嬉しさのあまりアレフは「〝グラディウス・リグネウス(木剣よ)〟」と唱えると、柄だけの物は木剣へと移り変わる。
「おっと、一つ忠告。そのアーティファクトはただのアーティファクトじゃないぞ。言ってしまえば、とある方のお下がりだ。不用意に〝グラディウス(剣よ)〟とは言ってはいけないよ。それの剣はすでに折れてしまっているからね」
「折れている?」
「そう折れている。だから、剣だと思わないことさ。あくまで、訓練用の木剣だと思いなさい」
アレフは持っている剣に「〝レベルテレ(戻れ)〟」と言った後に、「〝グラディウス(剣よ)〟」と唱えると持っている剣が姿を変えた。
現れた剣は折れているどころか、刀身の一片もなく、ただの柄と変わりがなかった。
「ほらね。折れている」
「折れているどころか、刀身がないけど……」
「違いはないさ」
アレフは持っていた剣に「〝レベルテレ(戻れ)〟」と言った後、大事そうに柄を見た。
「ありがとう。ダァト」
「お安い御用さ」
「それ、盗品だから感謝するでないぞ、小僧」
コトボーがそんなこと言うものだから、アレフは驚きダァトを睨みつけた。
「いや、違うんだ!」と降参だと言わんばかりに手を振った。
「言っただろう、お下がりだって。その持ち主は使わなくなったんだ。だから君に譲ったんだ。本当だぞ」
「それは本当だ」
だったら何故盗品と言うのか、アレフはそう思うが、ダァトに意地悪したくてそのように言ったのだろうと解釈し納得した。
「あ、そうだった。あとこれを渡さなければ」
そう言ってダァトはまたもや、杖を振り回した。
アレフはまたコトボーが愚痴を言いだすだろうと見ていたが、そんなことはなく、杖の先端から線香花火のようにバチバチと光りだすと、その光はアレフの手元に落ちていった。
思わず見とれてしまったアレフだったが、落ちた光の先を見ていると、百合のような一輪の白い花がアレフの手元に現れた。
「花?」
「そう、花。この花を持ってローレンスのところまで行って欲しい。
そしてお花を渡した後に、彼はこちらの方に決断した、と行って欲しい」
アレフは意味も分からず、相槌を打った。
アレフがダァトたちから目を離し、荷物を内ポケットにしまっていると、その間にダァトたちは、弁当にあったお菓子の袋を開けていた。
ダァトがベイビーチップスと言われていたお菓子をボリボリ口の中に放り込んでは、コトボーにも大きく開けた口の中に放り込んでいた。
「これは塩っけないくせに、そこそこ固いからおいしさよりも、先に顎が疲れてしまうな」
「人間はこんなの食べるのか、病気じゃのう」
お菓子への悪口を言いながら、袋の中の物を次から次へと口に運ぶ仕草に、アレフは食べなきゃいいのに、と思っていた。
二人を見ていたアレフに気づいたのか、ダァトがどうぞとお菓子の袋を差し出した。
アレフは「いただきます」と言い、袋に手を突っ込み、チップスを取り出した次の瞬間だった。
「ぎゃぁぁぁあああ!」
アレフの手に取ったチップスから、けたたましい赤ん坊の泣き声が馬車の中を響かせた。
「うわぁ!」
アレフは思わずチップスを落とすと、それを見ていたダァトが「あはは、外れを引いてるや!」と笑っているのが伺えた。
この騒音に伴って、エトナとマースは飛び上がるように起きると、なんだなんだと耳を塞ぎながら辺りを確認した。
マースが泣きじゃくるチップスを見つけると、すぐさま足で潰し粉々にした。それと同時に馬車の中に静寂が戻ってきた。
「なんだって、ベイビーチップスがこんな時に……」
マースはそう呟くと、額の汗を拭った。
エトナはアレフの手に持っているものに注目し尋ねた。
「それってさっき貰ったお菓子?」
いつの間にかアレフはベイビーチップスの袋を手に持っていた。
「う、うん」
アレフは返事を返すとすぐにダァトの方を向くが、既にそこにはダァトはおらず跡形もなく消えていた。
アレフは内心、あの野郎……、と思うのだった。
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