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第6章:迷宮勇者と巨人王編
第239話:応用
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スケルトンは強い。ゲーム等ではそこまで手こずった記憶が無かったのだが、実際に戦ってみて思ったのは、骨だけでどうしてあんな動きが出来る?である。
これはもしかしたらゲーム等に出て来たものを見た時に誰しもが疑問に思う事なのかも知れないが、骨だけとは到底思えない動きをする。
俊敏で力強く、そして戸惑いが一切無いのだ。それは、相手を傷付ける事への戸惑いでは無く、自分が傷付く事をだ。
だからか、肉を斬らせて成らぬ骨を斬らせて骨を断つ様な事を平気でやるものだから、ここだと思い深く踏込み決定打を与え様とするスケルトンも踏み込んで来たりする。
経験則上、この間でこの踏込みをすれば防御体勢を取らざるを得ないだろうと動くと反対に踏み込んでくるので、逆にこちらが虚を突かれる。
下手をすればそのまま反対に決定打を与えられ兼ねない。
「あッ、ぶねぇ!」
そう叫んだドエインは、双剣使いと思しきスケルトンと対峙しており、二本のショートソードから繰り出される素早い剣撃に若干翻弄されていた。
スケルトンは個体としての俊敏さや力強さと言った膂力があるのは勿論、自ら傷付く事への恐れの無さ、更にはそれを自身で理解していると言わんばかりにそれを戦術的に利用する知能、強かさも併せ持つ。
そして何よりも恐ろしいのは―――
「魔法無しッ、弓も無いわ!」
イリアは後方から前線に向けてそう叫ぶ。
俺達の前に出現したスケルトンは全部で八体。その中な魔法を使う奴も、弓を使う奴も交じってはいない事を意味する訳だが、スケルトンには魔法を使う奴も、弓を使う奴も個体に寄っては存在する。更に言うならば近接戦闘を行う奴らの中には明らかに剣技の様なものを使う奴までいるのだが、つまりはスケルトンは生前の記憶やスキルをそのまま受け継いでいるのだ。
「いやッ、無詠唱使う奴が二体居ます!!」
イリアの報告を補正するかの様に叫び、中盤に居る三体に斬り込むマサムネだが、その内二体は大きく回避行動を行って飛び退く。
残りの一体は直前まで回避を行わないのだが、明らかに何かしらのタイミングを見計らっている様だった。
「――シッ!!」
マサムネはその一体に向けて左薙ぎの一閃を放つ。その剣速はかなり速い。
移動を行いながら放ったとは思えない速度のそれをスケルトンは手に持つロンソードで迎え撃つ様な素振りをするのだが、明らかにその動作では間に合わないと思った。
それだけ緩慢な動きだったのだが、マサムネの剣撃がスケルトンにぶつかるその瞬間、ドンッと大気を何かが打つ様な音が聞こえる。
その音と同時にマサムネの攻撃に晒されていたスケルトンの身体が不自然に真後ろに吹き飛ぶ。
何かがぶつかった?
そう思った矢先、またしても先程と同じ様にドンッと大きな音が辺りに響く。
「ッ!?」
俺は驚愕した。目の前の光景が信じられずに目を見開いてしまったが、何かの衝撃を受けて後方に吹き飛んだスケルトンが、もう一度衝撃を受けて今度は先程とは真逆、マサムネに向かって自身の後方からの衝撃で加速して飛び込んでいたのだ。
此奴、自分に衝撃波をぶち当てて、強制的に加速したのか!?
恐らく、相当な衝撃がスケルトンの骨だけの身体には加わっている。
音と加速具合から見るに、生身で、身体強化や障壁の展開が無かったらと言う条件付きだが、それを受けた場合、痛みや衝撃で一瞬で身動きが取れなくなりそうなくらいだと思った。
そこまで思ってハッとする。
左薙ぎを放った直後、攻撃による硬直状態とも言えるマサムネの目の前にスケルトンが迫っていた。
ドンッドンッと続け様に衝撃波を自分に当てて、回避と反撃の速度を急激に上げたスケルトンは、マサムネへロングソードを振り下ろした。
「残念ッ」
俺がマサムネに危機を知らせるよりも早く、スケルトンの横から現れたコテツがそんな事を言いながらデス隊の正式採用武器となりつつある、刀擬きを移動に合わせた右薙ぎを剣を振り上げてガラ空きとなったスケルトンの横っ腹にぶち当てる。
「ッ!?」
声帯が無く、声を出せないスケルトンは一瞬で自身の上半身と下半身が別れた事に驚いている様だが、実際はどうだかは分からなかった。
コテツの一撃で半分となったスケルトンの頭部を攻撃後の硬直が解除されたマサムネが踏み砕いてその戦闘は終了するが、全体としてはまだ終わっていない為、二人は目配せする事も無く別々の敵へと駆け出した。
「今の見たか・・・?」
俺は殿で後方警戒と共に仲間達が戦う様を観察していた隣のアリシエーゼへと声を潜めて言った。
「今のとは何じゃ?」
つまらなそうに後頭部辺りで後ろ手に手を組んで居たアリシエーゼがそう返すが、俺はそんな態度よりも先程のマサムネとコテツが繰り広げた戦闘の方が気になって仕方無かった。
「何か衝撃波みたいの自分に当てて加速してただろ?」
「あぁ、アレは精霊魔法を自分に当てていただけじゃぞ」
「いや、だけってお前・・・そんな事出来んのか?」
「出来るじゃろ。現にやっておったでは無いか」
一度俺をチラリと見るアリシエーゼだが、さも当然の様に言い放つ。
自分自身を対象として精霊魔法を放つと言う事は別に出来るだろうとは思うのだが、それで怪我をしないのかとか、精霊魔法はどこまで応用が効くんだとか色々疑問はある。
「―――そんなもん、応用など無限じゃよ。何にでも応用が効くが、制御はそれなりに難しい。それが無詠唱ならば尚更じゃ」
アリシエーゼ曰く、先程のスケルトンが行った自信に精霊魔法をぶち当てての超加速なんてものは大雑把で見るに堪えない雑なものと言う事だった。
精霊魔法とは、万物が引き起こす事象を精霊を使い再現する魔法であり、それ即ち人間の思い描く事なら大抵は精霊魔法で実現へ可能との事だった。
因みに神聖魔法は、神の奇跡を体現する魔法である。
精霊魔法により起こせる事象が、この世界の物理法則やその他法則の範疇にあるものならば、それと同じ事を精霊魔法で再現する事も出来ると言う事だとアリシエーゼは言った。
熾した火の火力を上げる事も、その場で突風を起こす事も、土を泥に変える事も可能であり、センスと努力次第でそれらは無詠唱で行う事も出来る。
「じゃからな、ほれ―――」
そう言ってアリシエーゼはその場で跳躍した。
この通路の天井は十メートル程あり、そのスレスレまでいきなり飛んだアリシエーゼはそのまま物理法則に沿って落下をしてくる。
それを見上げながら、何がしたいんだ?と思うが、そんな思いは次の瞬間には吹き飛んだ。
「お、おぉッ!?お前・・・!?」
「――よっと」
俺が目を剥いている様子を見て、着地をしたアリシエーゼは二チャリと笑う。
「どうじゃ、精霊魔法ならこんな事も可能じゃ」
「すげぇな!」
アリシエーゼはその場で跳躍し、すぐ様落下して来たのだが、その落下の最中に落下速度が緩んだ。
明らかに落下速度が落ちて、一瞬空中に浮遊しているのかとさえ思った程だったが、ゆっくりと落下して来て、地面から一メートル程の所でそれを解除したのだ。
「まぁ、完全に物体をーーと言うか、人程大きい物を浮遊させたり飛ばしたりはかなり厳しいがの」
「それも精霊魔法って事か」
「そうじゃ」
今の落下速度が明らかに緩んだ事象も精霊魔法を使って行ったもので、先程のスケルトンの超加速もそうだし、例えば腕の振りだけを加速させるだとか、跳躍した力の方向を少し変えるだとか、跳躍して上昇する身体を精霊の力で更に押し上げて跳躍力を押し上げるだとか、他にも様々なものが存在するらしい。
「――それら全て精霊魔法じゃ。つまりは魔法詠唱を本来ならしなければならないのじゃ」
精霊を使って起こした現象は全て精霊魔法となる為、どんなに小さな現象でも必ず詠唱が本来なら必要となる。
が、それは攻撃魔法などと同じ様に詠唱の破棄も可能であるとアリシエーゼは言う。
「・・・成程な。つまりさっきのスケルトンは無詠唱で突風を生み出したって分けか」
「まぁ、あの骨だけの身体で声が出せるのかは疑問じゃが、その通りじゃ」
そうなると、やはり手強い相手だなと俺は漏らす。そんな言葉を聞いたアリシエーゼは鼻を鳴らした。
「多少厄介じゃが、その程度じゃよ」
そう言ったアリシエーゼの視線の先を見ると、仲間達が全てのスケルトンを倒した、丁度すぐ後だだった。
この程度、百や千出て来た所で対応出来ないと困ると言って、アリシエーゼは仲間の元へと歩いて行った。
まぁ、その通りかもな
俺はそう心の中で思い、後方を一度確認してから仲間の元へと向かった。
これはもしかしたらゲーム等に出て来たものを見た時に誰しもが疑問に思う事なのかも知れないが、骨だけとは到底思えない動きをする。
俊敏で力強く、そして戸惑いが一切無いのだ。それは、相手を傷付ける事への戸惑いでは無く、自分が傷付く事をだ。
だからか、肉を斬らせて成らぬ骨を斬らせて骨を断つ様な事を平気でやるものだから、ここだと思い深く踏込み決定打を与え様とするスケルトンも踏み込んで来たりする。
経験則上、この間でこの踏込みをすれば防御体勢を取らざるを得ないだろうと動くと反対に踏み込んでくるので、逆にこちらが虚を突かれる。
下手をすればそのまま反対に決定打を与えられ兼ねない。
「あッ、ぶねぇ!」
そう叫んだドエインは、双剣使いと思しきスケルトンと対峙しており、二本のショートソードから繰り出される素早い剣撃に若干翻弄されていた。
スケルトンは個体としての俊敏さや力強さと言った膂力があるのは勿論、自ら傷付く事への恐れの無さ、更にはそれを自身で理解していると言わんばかりにそれを戦術的に利用する知能、強かさも併せ持つ。
そして何よりも恐ろしいのは―――
「魔法無しッ、弓も無いわ!」
イリアは後方から前線に向けてそう叫ぶ。
俺達の前に出現したスケルトンは全部で八体。その中な魔法を使う奴も、弓を使う奴も交じってはいない事を意味する訳だが、スケルトンには魔法を使う奴も、弓を使う奴も個体に寄っては存在する。更に言うならば近接戦闘を行う奴らの中には明らかに剣技の様なものを使う奴までいるのだが、つまりはスケルトンは生前の記憶やスキルをそのまま受け継いでいるのだ。
「いやッ、無詠唱使う奴が二体居ます!!」
イリアの報告を補正するかの様に叫び、中盤に居る三体に斬り込むマサムネだが、その内二体は大きく回避行動を行って飛び退く。
残りの一体は直前まで回避を行わないのだが、明らかに何かしらのタイミングを見計らっている様だった。
「――シッ!!」
マサムネはその一体に向けて左薙ぎの一閃を放つ。その剣速はかなり速い。
移動を行いながら放ったとは思えない速度のそれをスケルトンは手に持つロンソードで迎え撃つ様な素振りをするのだが、明らかにその動作では間に合わないと思った。
それだけ緩慢な動きだったのだが、マサムネの剣撃がスケルトンにぶつかるその瞬間、ドンッと大気を何かが打つ様な音が聞こえる。
その音と同時にマサムネの攻撃に晒されていたスケルトンの身体が不自然に真後ろに吹き飛ぶ。
何かがぶつかった?
そう思った矢先、またしても先程と同じ様にドンッと大きな音が辺りに響く。
「ッ!?」
俺は驚愕した。目の前の光景が信じられずに目を見開いてしまったが、何かの衝撃を受けて後方に吹き飛んだスケルトンが、もう一度衝撃を受けて今度は先程とは真逆、マサムネに向かって自身の後方からの衝撃で加速して飛び込んでいたのだ。
此奴、自分に衝撃波をぶち当てて、強制的に加速したのか!?
恐らく、相当な衝撃がスケルトンの骨だけの身体には加わっている。
音と加速具合から見るに、生身で、身体強化や障壁の展開が無かったらと言う条件付きだが、それを受けた場合、痛みや衝撃で一瞬で身動きが取れなくなりそうなくらいだと思った。
そこまで思ってハッとする。
左薙ぎを放った直後、攻撃による硬直状態とも言えるマサムネの目の前にスケルトンが迫っていた。
ドンッドンッと続け様に衝撃波を自分に当てて、回避と反撃の速度を急激に上げたスケルトンは、マサムネへロングソードを振り下ろした。
「残念ッ」
俺がマサムネに危機を知らせるよりも早く、スケルトンの横から現れたコテツがそんな事を言いながらデス隊の正式採用武器となりつつある、刀擬きを移動に合わせた右薙ぎを剣を振り上げてガラ空きとなったスケルトンの横っ腹にぶち当てる。
「ッ!?」
声帯が無く、声を出せないスケルトンは一瞬で自身の上半身と下半身が別れた事に驚いている様だが、実際はどうだかは分からなかった。
コテツの一撃で半分となったスケルトンの頭部を攻撃後の硬直が解除されたマサムネが踏み砕いてその戦闘は終了するが、全体としてはまだ終わっていない為、二人は目配せする事も無く別々の敵へと駆け出した。
「今の見たか・・・?」
俺は殿で後方警戒と共に仲間達が戦う様を観察していた隣のアリシエーゼへと声を潜めて言った。
「今のとは何じゃ?」
つまらなそうに後頭部辺りで後ろ手に手を組んで居たアリシエーゼがそう返すが、俺はそんな態度よりも先程のマサムネとコテツが繰り広げた戦闘の方が気になって仕方無かった。
「何か衝撃波みたいの自分に当てて加速してただろ?」
「あぁ、アレは精霊魔法を自分に当てていただけじゃぞ」
「いや、だけってお前・・・そんな事出来んのか?」
「出来るじゃろ。現にやっておったでは無いか」
一度俺をチラリと見るアリシエーゼだが、さも当然の様に言い放つ。
自分自身を対象として精霊魔法を放つと言う事は別に出来るだろうとは思うのだが、それで怪我をしないのかとか、精霊魔法はどこまで応用が効くんだとか色々疑問はある。
「―――そんなもん、応用など無限じゃよ。何にでも応用が効くが、制御はそれなりに難しい。それが無詠唱ならば尚更じゃ」
アリシエーゼ曰く、先程のスケルトンが行った自信に精霊魔法をぶち当てての超加速なんてものは大雑把で見るに堪えない雑なものと言う事だった。
精霊魔法とは、万物が引き起こす事象を精霊を使い再現する魔法であり、それ即ち人間の思い描く事なら大抵は精霊魔法で実現へ可能との事だった。
因みに神聖魔法は、神の奇跡を体現する魔法である。
精霊魔法により起こせる事象が、この世界の物理法則やその他法則の範疇にあるものならば、それと同じ事を精霊魔法で再現する事も出来ると言う事だとアリシエーゼは言った。
熾した火の火力を上げる事も、その場で突風を起こす事も、土を泥に変える事も可能であり、センスと努力次第でそれらは無詠唱で行う事も出来る。
「じゃからな、ほれ―――」
そう言ってアリシエーゼはその場で跳躍した。
この通路の天井は十メートル程あり、そのスレスレまでいきなり飛んだアリシエーゼはそのまま物理法則に沿って落下をしてくる。
それを見上げながら、何がしたいんだ?と思うが、そんな思いは次の瞬間には吹き飛んだ。
「お、おぉッ!?お前・・・!?」
「――よっと」
俺が目を剥いている様子を見て、着地をしたアリシエーゼは二チャリと笑う。
「どうじゃ、精霊魔法ならこんな事も可能じゃ」
「すげぇな!」
アリシエーゼはその場で跳躍し、すぐ様落下して来たのだが、その落下の最中に落下速度が緩んだ。
明らかに落下速度が落ちて、一瞬空中に浮遊しているのかとさえ思った程だったが、ゆっくりと落下して来て、地面から一メートル程の所でそれを解除したのだ。
「まぁ、完全に物体をーーと言うか、人程大きい物を浮遊させたり飛ばしたりはかなり厳しいがの」
「それも精霊魔法って事か」
「そうじゃ」
今の落下速度が明らかに緩んだ事象も精霊魔法を使って行ったもので、先程のスケルトンの超加速もそうだし、例えば腕の振りだけを加速させるだとか、跳躍した力の方向を少し変えるだとか、跳躍して上昇する身体を精霊の力で更に押し上げて跳躍力を押し上げるだとか、他にも様々なものが存在するらしい。
「――それら全て精霊魔法じゃ。つまりは魔法詠唱を本来ならしなければならないのじゃ」
精霊を使って起こした現象は全て精霊魔法となる為、どんなに小さな現象でも必ず詠唱が本来なら必要となる。
が、それは攻撃魔法などと同じ様に詠唱の破棄も可能であるとアリシエーゼは言う。
「・・・成程な。つまりさっきのスケルトンは無詠唱で突風を生み出したって分けか」
「まぁ、あの骨だけの身体で声が出せるのかは疑問じゃが、その通りじゃ」
そうなると、やはり手強い相手だなと俺は漏らす。そんな言葉を聞いたアリシエーゼは鼻を鳴らした。
「多少厄介じゃが、その程度じゃよ」
そう言ったアリシエーゼの視線の先を見ると、仲間達が全てのスケルトンを倒した、丁度すぐ後だだった。
この程度、百や千出て来た所で対応出来ないと困ると言って、アリシエーゼは仲間の元へと歩いて行った。
まぁ、その通りかもな
俺はそう心の中で思い、後方を一度確認してから仲間の元へと向かった。
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*2020年まで某サイトで投稿していたものですがサイト閉鎖に伴い、加筆修正して完結を目標に再投稿したいと思います。
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