異端の紅赤マギ

みどりのたぬき

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第1章:異世界と吸血姫編

第29話:出発

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 その後アリシエーゼはすぐに屋敷に戻って来て、俺を見つけるなり元気良く口を開いた。

「一軍には伝えたのじゃ!」

 いや、だから一軍て・・・

「そう、ありがと」

「うむ、それで何を考えておったのじゃ?」

 そう言ってアリシエーゼは俺の隣に無理矢理身体を捩じ込む様に座ろうとして来た。

 狭いだろッ
 辞めろやッ

「なんだお前、狭いだろ。あっちに座れよ」

 俺はそう言って四人掛けのソファーを見る。

「ここ、妾の屋敷なんじゃが・・・」

「んなの分かってるよ」

「だったらお主が退けば良いじゃろッ」

「はぁ」

 俺は溜息を一つ付き、四人掛けソファーに移動した。

「やっぱりダンジョンって宝箱とかポップするのかな?」

「・・・・・・そんな訳ないじゃろ」

 アリシエーゼはそう言いながら俺の座るソファーへ移動してきてまた俺の隣に座り直した。

「でもダンジョンだろ?ダンジョって言ったら階層が別れてて、中はモンスターも宝箱もリポップするのが定番じゃないのか・・・って何でこっち来るんだよッ」

「いいじゃろ別に!普通に考えて宝箱なんてそこいらにポップしてたら意味が分からんわ」

 ソファーから足を投げ怠らけて座るアリシエーゼを横目で見つつ、確かに意味が分からないなと思った。

「まぁ確かに意味が分からないな」

「そうじゃろ。ただ、お宝は出ると言ったであろう?」

「あぁ、言ってたな」

「ダンジョン内の悪魔なり魔物なりが持っていて倒して戦利品とするが、それがお宝と言う事じゃ」

「どんなもの持ってるんだ?」

「武器に防具に魔導具、後は金じゃな」

「武器や防具は敵が装備してたものを戦利品とするのは分かるんだが、何で魔物が金なんて持ってるんだ・・・?」

 魔物が金貨とか持ってても使え無いだろ・・・

「さあな。悪魔や魔物が住む街がダンジョン内にあってそこの通貨とかではないか?」

 そんな馬鹿な・・・

「有り得ないだろ・・・」

「何でも良いでは無いか。そんな細かい事気にしておっては異世界を楽しめんぞ」

「いや、まぁ・・・そうなんだが」

 実際そんなゲームみたいな事あるんだろうかと思ってしまう。

 ハルは敵を倒した!
 100G手に入れた!

 って事なんじゃと思ったりしたが、アリシエーゼが言った様にそんな事気にしてたら確かに異世界は楽しめないのかもしれない。

「魔物の素材とかも金になったりするのかな」

「さあの。そこまでは知らん」

「とりあえず行ってみればいいか」

「ちなみにそのダンジョンの難易度ってどんなもんなんだ?」

 その何気無い俺の疑問にアリシエーゼは達観した様な表情で答えた。

「地獄級じゃ」

 ヘルモード!?

「え、そんなヤバいの・・・?」

「ヤバいなんてモノでは無いらしいぞ。噂でしか聞いてはいないがの」

「そうなのか・・・」

「数百人で挑んで帰って来れるのは数十人だとか、英雄だなんだと騒がれとる奴らが何人も行って誰も帰って来んじゃとか色々言われとるよ」

「・・・」

 大隊で行って生還は小隊規模とか何処の戦地だよって話だ・・・

「少数先鋭で挑むのは・・・」

「無謀と言うか、阿呆じゃの」

「ですよね・・・」

 ちょっと甘くみていた
 やっぱり俺の異世界ライフはヘルモード確定なんじゃ・・・

「やっぱり今からここの奴ら全員で行く事にした方がいいかな・・・?」

「現地ですれば良いのでは無いかの?」

「そんな都合良く集められるか?」

「問題無いと思うぞ。今魔界周辺は中立地帯と言ったであろう?」

「うん」

「じゃから三国、それ以外もおるがその傭兵団やら何やらが挙って大挙しておる様じゃぞ。それに三国の軍も小康状態の間に魔界攻略を進めようと大軍を投入しとる。非戦闘がお題目に掲げられとるが実際はかなりの数が駐留していることから、そう言った魔界攻略を目指す軍や傭兵団目当ての商人も沢山集まっておって、もう周辺は街と呼べるものが形成されとるらしいわ」

 迷宮都市!?

「ってかその中立地帯の、三国の国境線のバチバチ状態ってどれくらいの期間続いてんだ?」

「バチバチって・・・不可侵条約はおよそ十五年前に結ばれたはずじゃ」

 十五年・・・
 そんな長い期間だとは思わなんだ・・・

「じゃからその間に魔界周辺に街が出来て、街の中にも国境線が存在するくらい混沌としておるぞ」

「なんだそれ」

 街の中にも国境って何て面倒臭い仕様だよと心の中で毒付いた。

「エバンシオ王国とモライアス公国の街の中の国境は身分証があれば特に何の弊害も無く行き来出来るんじゃが、ハイスタード帝国側の人間は二国の国境を超える事は叶わん。逆も然りじゃ」

「街中でいきなり戦闘になったりしないのかな」

 国境線一歩でも超えたら警告無しの射殺オッケーみたいなさ
 そんな感じだったら何かのほんの些細なキッカケでその不可侵条約的な物は何の意味も為さなくなる気がする

「その街はいつの間にかホルスと言う名で呼ばれる様になったんじゃが15年も経つと色々と独自のルールの様な物が出来てる様での。今ではもう街中でどうこうと言うのはほぼ起きないと聞いておる」

「ふーん。まあそれならいいか」

「ただ、街の外にも国境線は当然広がっておるんじゃが、街から遠く離れた所では未だに小競り合いを続けておる様じゃぞ」

「まあ国境線を押し上げたらホルスの街を包囲出来そうだしな」

「そうじゃ。二国間同盟とハイスタード帝国はそれぞれお互いの裏を取ろうと15年間必死じゃよ」

 そう聞くとホルスの街は確かに混沌としていそうだと思った。

「いつこの不可侵条約が破棄されるか分からんから、行くのなら早い方が良いじゃろうな」

「何でだ?」

「何で三国が魔界に固執しておると思う?」

「そりゃお宝にかなりの価値があるからだろう?」

「そうじゃ。不可侵条約が締結される数年前じゃったはずじゃが、ある国の傭兵団がとあるお宝を魔界から持ち帰ったんじゃ」

「三国以外の国の傭兵団って事か?」

「そうじゃ。その頃はエバンシオ王国もその他の国も魔界に入るのに通行料、持ち帰った戦利品の価値に応じて税が掛けられてそれを各国支払っておったんじゃが、その件の傭兵団は戦利品の申告をせず自国に持ち帰ったそうじゃ」

「なんでまた?」

 まぁ、お宝に原因があるのだろう

「お宝が遺物アーティファクトじゃったからじゃよ」

 遺物アーティファクト・・・

「ダンジョンから出て来た時に戦利品のチェックとかしなかったのか?」

「しておったよ。ただ、昨日も話したじゃろ。魔導具の発動は魔力を必要とすると。その中で魔力循環で自然と魔導具にも魔力を流しておいて、自動で効果が発動するタイプと発動時だけ魔力を流すタイプが存在すると言う話もしたの。」

「覚えてるぞ」

「うむ。これが意味する事が分かるか?」

 魔力を常に流しておくタイプと発動時だけ魔力を流すタイプか・・・
 何だ?ちょっと分からないな・・・

「いや、どう言う事だ?」

「魔導具は、それ単体ではと言う事じゃよ」

「あぁ、なるほど!武器や防具は魔導具という括りでなくて、武器や防具は強力な物は魔力を帯びてるって事だな?」

「そうじゃ。それにこの世界には、アイテムボックスじゃとかインベントリなんて物は存在せんからの。ダンジョンに入る際に大きな袋などを持ち込んだり、荷車などを持ち込んでそこに戦利品を詰めたりしてた訳じゃ。小さい物なら魔力を帯びていないものを隠して持ち帰るなんて事も当時は出来た様での、まんまと持ち出して自国に持ち帰ったのじゃよ」

「チェックはザルだった訳だな」

「まぁ、今ではかなりチェックは厳しくなったおる様で、入る前に装備品から所持品まで細かくリスト化されて、出て来た時にまた厳しく身体検査をされてリストに無い物があったらそれを持ち帰りの戦利品としておる様じゃ」

「なるほどね」

 でも、大隊規模の装備品やらを入口でチェックとかするならかなり時間を要すのでは無いだろうかと疑問が沸いたのでアリシエーゼにそのままぶつけてみた。

「知らんッ」

 安定の残念っぷりに溜め息も出て来なかった。

「でもなんで持ち帰られた物が遺物だなんて分かったんだ?」

「まあそれは人の口に戸はたてられぬと言う事じゃ。噂であったり密告であったりと色々あったらしくての。後日、モライアス公国がその事実を知るとその国に抗議し、それが突っぱねられるとモライアス公国は一万の軍を率いて国境線に乗り込んだそうじゃ」

 取り立てに一万の軍か・・・

「その国の規模ってどうだったんだ?」

「モライアス公国とハイスタード帝国に挟まれた小国じゃよ。但し傭兵団含めてその国の戦士達はかなり精強であったらしくての。ただ国境に1万も集められる程ではなかった様じゃが、遺物が手に入って気が大きくなったか、自国の戦力に自信があったのかは定かでは無いが兎に角、戦力差は数倍はあったはずじゃ」

「結局どうなったんだ?」

「遺物を使って――」

 そう言ってアリシエーゼは少し溜めてから吐き出した。

「――ドカン!じゃ」

「ドカン?」

「うむ。国境線で遺物である魔導具を使用して、両国併せて一万数千の軍は壊滅。更にはその国の首都も壊滅。全て更地じゃよ」

「マジで!?」

「マジじゃ。小国じゃったからの。首都から国境まで数十キロしかなかったんじゃが、それはつまりその魔導具は半径数十キロを一瞬で更地にする程の威力を秘めておった事を示す訳じゃ」

「その魔導具は今どこにあるんだ?」

「見付かっておらんよ。使用と同時に消滅したのかどうか」

「まあそれで各国は魔導具と言うか遺物の有用性と言うかそう言うものに気付いてしまって争奪戦が勃発したと」

「そう言う事じゃ」

 つまり魔界にはそんなとんでもない威力を秘めた兵器みたいな魔導具があり、いつどの国が持ち帰るか分からないと
 更にどこかが手に入れてしまってそれを他国が知ったら・・・
 自国で使われでもしたら一発で国を壊滅出来る事を意味する魔導具・・・ヤバいな・・・
 でも――

「そんな核兵器みたいな物があるのなら、魔力無しの俺を鬼神の如く強くする魔導具もあるかもな」

「どうじゃろうな。ただ可能性はあるであろうな」

「そうだよな。そうなんだよ」

 俺は改めて自分を納得させた。

「とりあえず明日出発は変更無しって事で」

「うむ」

 そこまで話したところでリビングに入ってくる人の気配を感じた。

「姫様、昼食の用意を始めても良いでしょうか」

 声の方を見ると、昨日夕食を作っていた男が立っていた。

「もうそんな時間か。よし、今日も頼むぞ!」

「はい」

 そう言って男はニコリと微笑み会釈をしてキッチンに向かった。

「今日の昼食は何かの!?」

「聞けばいいだろうに」

 アリシエーゼの様子にツッコミを入れるがアリシエーゼはそれをつまらなそうに聞き流した。

「ふんッそれでは楽しみが減るわ」

「俺はパスタと見た」

「なに!?何故分かる!?―――あッ!」

 アリシエーゼは俺の能力を思い出して大きな声をあげた。

「お主ッズルいぞ!」

「何でだよ」

「楽しみが半減してしまったではないかッ」

 そんな事を言い戯れあっている内に昼食が完成した。
 昨日と同じ位置に料理が並べられアリシエーゼは無言になるが、俺は気にせずそのまま着席した。

「おい・・・」

「頂きます」

「おいッ待つのじゃ!」

「何でだよ」

「何でじゃない!昨日も言ったでは無いか!」

「もう面倒臭いしいいだろ。食べようぜ」

「嫌じゃ!」

 そう言ってアリシエーゼは今度は自分の皿を俺の方に持って来て着席した。

「これで良い。ではッ頂きます!」

「・・・はぁ」

 気を取り直して俺は料理を見る。
 今日の昼食のメニューは、トマトっぽい何かのソースに何かの肉、ナスの様な物のパスタと、白パン、後は野菜のスープの三品だ。

「異世界でパスタが食えるとは」

「この世界の料理、と言うか食材はあっちの世界のものと同じ様な物がいっぱいあるぞ」

「そうなのか?」

「うむ。世界中の食材を知っている訳では無いが、妾が今まで食べて来たものは殆どあっちの世界でも見た事あるものばかりじゃったぞ。中には稀に見た事も無い物もあったがの」

「へぇ、じゃあ料理も似たり寄ったりなのか」

「そうじゃの。ただ香辛料は高いからあまり大量に使えないと言う事情もあり、味は物足りなかったりするものもあるが、まあ慣れじゃな」

 香辛料が高いとかテンプレだな
 想定範囲内だ

「それに仙●もあるしな」

「●豆?あぁ、センビーンの事か。そう言われると正しく仙●じゃの!」

「今更かよッ」

 そう、この世界には仙●が存在するのだ・・・
 怪我も一発で治るのかは定かでは無いが空腹は一発で解消する。三粒程で。

「あれがあるから旅はつまらないな、この世界は」

「でも今回は街の外にキャンプも張るし、外で料理をしても良いのでは無いか?」

「本当か!?」

「う、うむ」

 声を張り上げた俺に若干戸惑いながらアリシエーゼは答える。

「それなら、あのコックも連れて行こう!」

「コックでは無いがな・・・」

「えッ違うのか!?てっきりコックだと思ってたぞ」

「料理が出来る傭兵じゃ」

「うん・・・まあいいや」

「じゃあコックにも伝えといてよ」

「コックじゃないがの・・・」

 そうして魔界へ向かうメンバーが出揃った訳であとはポロンとこの村の今後について話せば終わりか等と考えている内に昼食を食べ終わった。

「ふぅ、ご馳走様でした」

 アリシエーゼはまだ食べていたので俺はもう少し、この人外パワーを試そうと思った。

「ちょっとポロンが帰って来るまで外で身体動かして来るわ!」

「あッまふのふぁぁ」

 パスタを口に詰め込んで何か言っているアリシエーゼを無視して外に出て身体を動かし始めると結局アリシエーゼも直ぐに来たので身体を慣らしつつ疑問に思った事をアリシエーゼに質問したりしながら時間を潰した。
 ポロンは夕方、日が沈む頃に帰って来て、着替えが済むとすぐに屋敷に顔を出してくれた。

「何かありましたか?」

 屋敷に到着したポロンはそう言って俺とアリシエーゼを見た。

「なにかあった訳では無いんだけどさ――」

 アリシエーゼと俺は魔界に数人で行ってみる事などをポロンに話した。

「なるほど。ホルスに行ったっきり帰って来ない訳では無いんですね?」

「うむ。なので留守中の事はお主に任せる」

「分かりました」

「それでさ、ポロンに聞きたい事があるんだ」

「なんでしょう?」

「この辺りで金になる素材って何かあったりするの?って言うかここでも金は必要だよね?」

「金は必要になりますね。姫様の身の回りの物や我々の身の回りの物は購入しないといけないですから」

「そ、そうじゃったのか・・・」

 そうに決まってるだろ・・・

 肉などは森の中で、野菜や果実は村の中で栽培した物を食べればいいが、服や石鹸、その他身の回りの日用品、スパイスなど、そう言ったものはここで作ったりしていないのならどうしてるんだって話だ。

「それなりの規模の街がここから4日程の位置にあるので、数人が交代で行き、そこの傭兵団の請負い業務をこなしたり、森で飼った魔物などの素材を売ったりして金は稼いでますね。」

「そうすると採取とかって意味で言うと、魔物の素材って事になるか・・・」

「そうですね」

 大金を得る様な金策は難しいか

「分かった、ありがとう」

「はい。他には何かありますか」

「俺は無いかな」

「妾も無いぞ」

「わかりました。では失礼します」

「うむ、ご苦労じゃった」

 ポロンは会釈をして屋敷を後にした。

「これで終わりかの?」

「そうだな。俺も明日の準備しないとな」

「そう言えば、お主の来ていた服はもう洗濯をしして乾いておるから、部屋に置いてあるそうじゃぞ」

「お、助かる!」

 この借りた服も楽は楽なのだが、やはり化学繊維で出来た服の着心地には叶わない。

「あと、歯ブラシなどを入れるポーチも置いてあるはずじゃ」

「ありがとう。でも、歯ブラシ以外入れる物無いんだけどな」

「そうじゃのう。他の者はポーションや予備のセンビーンを入れたりしておるがの」

「センビーンを入れておくのはいいな。俺にも何個かくれないか」

「わかった。明日までに用意しておこう」

 そこまで話したら後は明日を待つだけなので、その後はアリシエーゼと他愛も無い話をして過ごし、夕食を食べて風呂に入って寝た。
 今回はサキュバスの夢は見なかった・・・

 翌朝、もう何時かは分からないが7時か8時頃だろうから起きて一階に行くとアリシエーゼは既に起きており、軽く二人で食事をして準備を整えて屋敷の外に出た。
 既にアルアレ、ナッズ、ヒーラーのパトリック、コック兼アタッカー(物理)のソニが玄関前に待機していた。

「全員揃っておるな。早速出発しよう。イシスの街、北の関所を超えるルートを抜けてミザウアの街を経由してホルスの街を目指すぞ。何か質問あるかの」

「ありません」

 アルアレが代表で答える。

「うむ、では出発じゃ!」

「「「「おうッ!!」」」」

 遂に俺の異世界本格旅の幕が上がった。

 ヘルモードみたいだけどねー
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