28 / 335
第1章:異世界と吸血姫編
第28話:魔界
しおりを挟む
俺が思っている情報収集ネットワークを構築する為には先ずは分からない事を解決しておきたい。
「と、その前にちょっと聞きたい」
「?」
「先ず、この国ってアリシエーゼの実家がある国か?」
「そうじゃ」
「あ、そうなのね。てっきり国を出たのかと思ってたよ」
「知らない国に行くとか嫌じゃろ。知り合い誰もいないのに」
「・・・まぁいいや。じゃあここってアリシエーゼの実家が収めてる領なのか?」
「いや、違うぞ。ここはエンフェンフォーズ伯爵領とはまるっきり反対側のダリス侯爵領の更に外れにある森の中じゃ」
おっ、侯爵出てきましたよ~
これはお決まりパターンな、辺境伯ってやつですな?
「なにニヤニヤしておるんじゃ・・・このダリス侯爵領は北の守護を任されておっての、領の西側はモライアス公国、北側は魔界とハイスタード帝国に接しておる」
「魔界?」
「悪魔が作ったとされる、所謂お主が大好きであろうダンジョンじゃ」
むほほぉぉおお!!
ダンジョン来ましたよー!みなさーん!
「はぁ、やはりそんな反応になるか」
「そりゃそうだろ!ダンジョンだよ!?ってか、アリシエーゼはどうなんだ?」
「何がじゃ?」
「だから、ラノベなりアニメなり漫画なりゲームなり、多少は嗜んでたのかって事だ」
「多少?」
そう言ってアリシエーゼはニチャる。
はい、来ましたよ二チャリ顔ー!
「バカにして貰っては困るのう。嗜んでたどころではないぞ!かなり腐っておったわ!異世界!?転生!?転移!?その要素―――大好きじゃ!」
「おぉ~!」
俺は思わずパチパチと拍手を送る。アリシエーゼはそれに気を良くしてわははと姿勢を仰け反らせながら豪快に笑っている。
「だったらダンジョンなんて聞いたらもう転生者冥利に尽きるってもんだろ」
「そうじゃのう!ワーッハッハッハ」
言っていて自分でも何言ってるのかよく分からなくなってきた・・・
まあいいか
「大体分かったけど、ここは魔界ってのの近くなのか?」
「いや、モライアス公国との境の森の中じゃ」
「国境が面してるそれぞれのモライアス公国とハイスタード帝国ってのとの関係はどんな感じなんだ?」
「モライアス公国とは友好関係を築いておる。元々、北側もモライアス公国の領土じゃったんじゃが、ハイスタード帝国が近年どんどん軍事力を強化しておっての、領土をかなり取られてしもうたんじゃ。今はエバンシオ王国のこのダリスとモライアス公国でハイスタード帝国を抑えとると言った構図じゃ」
「なるほどね、大体理解したよ」
そう言って俺は逡巡する。
魔界ってのはとりあえず置いておくとしてハイスタード帝国の脅威に晒されているのは事実だろう。
そうするとやはり傭兵団は需要が有りそうだ
「ちなみに魔界、ダンジョンってどこの国の領土にあるんだ?」
「まあ三国がそれぞれ所有権を主張しとるよ。元々はモライアス公国内にあり、エバンシオ王国はダンジョンに潜る時だけモライアス公国に使用料みたいなものを払っておった様じゃが、ダンジョンがハイスタード帝国に狙われての。一時期ダンジョン周辺のみ成らず、モライアス公国領の三分の一以上がハイスタード帝国に占領されてしまったんじゃ。」
「うわ、マジかよ・・・」
「このままだと更に押し込まれて、取り返しのつかない事になりそうじゃったから、エバンシオ王国に支援を要請し、エバンシオ王国も王国で実はダンジョンを欲しておった様での。ダンジョンの所有権を何割かは分からんが見返りとして求めて、モライアス公国も背に腹はかえられぬ状況じゃったからそれを承諾して、ダリス侯爵軍の奮闘もあり今の様な構図になったんじゃ。なのでダンジョンの周りは中立地帯となっておっての、一応この地帯での軍事行動は条約で禁止されとるの今の所わの。」
「は~、そんな事になってるんだな。ちなみにもう一つ聞いておきたい。」
まあ大体予想付くんだけどな。
「なんじゃ?」
「ダンジョンにはお宝が眠ってるって事でいいか?」
「その様じゃぞ」
「テンプレだな」
「テンプレじゃの」
「よし、アリシエーゼ」
そう言って俺は真剣な眼差しでアリシエーゼを正面から見詰める。
「本当は情報収集の為の拠点を大きい街とかに作って、ここの村には人材育成の為の教育施設になってもらう予定だったが変更だ。ダンジョンを攻略するぞ」
「まあそうなると思っておったよ」
アリシエーゼは小さくため息を付いたがそんなに嫌そうでも無さそうだ。
アリシエーゼの話を聞いて、ダンジョンの存在を知って、俺のこの魔力無し状態からの一発逆転は、そのダンジョン産のお宝が現状一番可能性あるんじゃないかと思った。
「だだそうするとさっきも言った通り、こことポロン達を有効活用しようと思ってたから、どうするかって話になる」
「全員でダンジョン攻略しに行けば良いでは無いか」
「え?」
「うん?」
あれ、そんな感じでもオッケーなの?
「あ、いや、ダンジョンだよね?」
「そうじゃが?」
「ここって百人くらい居たよね?」
「うむ」
「その人数がぞろぞろとダンジョン行って大丈夫なの・・・かい?」
「大丈夫じゃろ」
「いやいや、ダンジョンだよ?」
「うっさいのう、そんなに心配なら一度見に行けば良いでは無いか」
えぇ・・・だってダンジョンだぜ?
ダンジョンって言ったらパーティで挑むものだろ
パーティって言ったら四人とか五人だろ普通
「・・・じゃあとりあえず見に行ってみるか」
「うむ。いつから向かうつもりじゃ?」
「そうだな・・・この人数だと準備もあるしな。でもそもそもこの人数での移動は流石に厳しいよな」
「何故じゃ?」
「いや、街に着くまでの移動中はいいけど街とかに着いたらどうすんだよ。いきなり百人くらいで宿屋押しかけて泊めてくれって言っても絶対無理だろ」
「あぁ、そんな事気にしておったのか。別にそんなの街の外でキャンプすればいいじゃろ」
「えぇ、何だよそれ」
「考えてもみよ、戦時中に傭兵団や軍はぞろぞろとそれこそ数千人単位で移動するのなんてざらじゃろ。そんな数こそ街になんて入れんだろう」
あ、確かに
そう言われればそうだな
「そんな時は基本的には街の外などにキャンプを張る事になるし、街で何かあるなら傭兵団の代表が街に入る事になる」
「なるほど」
「それに今は一応戦時中時じゃしな。そんな事やってる傭兵団なんて沢山あると思うぞ」
「勉強になりやす、アリシエーゼお嬢!」
「な、なんじゃ突然」
「いやぁ、俺の知らない事はいっぱいあるなぁと思ってさ」
「そりゃそうじゃろ。お主はまだこの世界に来て数日じゃぞ」
「それはそうなんだけどね」
それにしても分からない事は沢山あるし、俺が読んで来た聖典の数々を主体に考えてる脳では思い付かない事も当然沢山ある。
「全員で移動する事に関しては問題無い事は理解したよ。でも、全員で出て行ったらここどうするんだ?」
「まぁ、魔界まではかなりの距離がある。途中で補給する事などを考えてると、少なくとも片道一ヶ月は掛かるかの」
「あの速度でそんなに掛かるのか」
「そうじゃの。つまりここに帰って来るとしても二ヶ月以上は掛かるし、破棄するしかなかろう」
「やっぱそうなんだな・・・」
「まぁ仕方あるまい。この森は何だかんだ危険な魔物や獣が多数徘徊しておるし、そうなると二ヶ月以上無人じゃと維持は望めまい」
そう言うアリシエーゼを端目で見ると少し寂しそうにも見えた。
そこまで長い年月を過ごした訳では無いだろうが、一からここまで立派な集落にしたんだ。それなりの愛着も湧くんだろうなと思った。
「・・・やっぱり全員で行くのは辞めよう」
「何故じゃ?」
「いや、この屋敷や村を放棄するなんて勿体無いし、寂しいだろ?」
「べ、別にそんな事考えんでもいいわ!好きな様にすれば良かろう」
「うん、だから好きな様にするよ。数人だけ連れて後は残ってここを維持させよう」
「良いのか・・・?」
「いいんだよ。やっぱり帰る場所があった方がいいだろ」
そう言って俺はアリシエーゼを見て微笑むと、アリシエーゼも俺に微笑み返した。
「うん」
アリシエーゼは吸血鬼になった際に早々に実家、家族、友人、その他関わりがあった全ての人との関係を絶つべく、すぐに実家を飛び出した。
それは吸血鬼になってしまったらもう今まで通りの生活は送れないと気付いてしまったから。
吸血鬼になる前もそうだろうとは思っていたはずだ。だが、やはり甘かった。軽く見ていた。
闇の世界はどこまで行っても闇。決して光と交わる事は無い。交わってしまったら壊れずにはいられない。
それを吸血鬼になった瞬間理解してしまった。家族を、友人を愛していたアリシエーゼはもし自分が吸血鬼であることが周囲にバレてしまったら、きっと家族に迷惑が掛かると、断腸の思いで家を飛び出したのだろう。
やり方は結構エグいが仲間を見付けそして流れ着いたこの土地で腰を据えて生活をするに至る。森の中を一から開拓して、百人規模の人が住む村に変える。
言葉にすれば一行で終わってしまうがそれは途方も無い事で、頑張ったに違い無い。
家とかは近くの街の大工を片っ端から無理矢理連れて来て突貫工事させてたみたいだが・・・
だからやっぱりアリシエーゼにはこの帰るべき場所を無くして欲しく無かった。
「とりあえず魔界に向かうメンバーを考えるか」
「そうじゃの。妾は当然一軍じゃろ!?」
「一軍って・・・」
誰にするかなぁ
でもポロン、アルアレ、ナッズ、トイズ、後は料理を作ってくれた人くらいしか絡んで無いからなぁ
「そう言えば、アルアレって神聖魔法使えるんだろ?」
「うむ」
「回復魔法も使えるって思っていいのか?」
少人数と言う事はつまりパーティを組むって事だ
パーティならやはりロールを考慮して組むのは常識!
タンク、アタッカー、ヒーラーの基本構成で考えると、ナッズをタンク兼アタッカー(物理)にするか?
俺とアリシエーゼをアタッカーで遊撃的な配置にして、アリシエーゼは物理、魔法両方で適時最適な攻撃方法を取らせるとしてアルアレはアタッカー(魔法)兼ヒーラーか?
「いや、アルアレが信奉している神は回復系の奇跡は起せなかったはずじゃ」
「あ、そうなのか・・・」
そうすると、やっぱりヒーラーは別で必要だな
トイズは・・・いらねーや
「じゃあこんな感じでどうだろう――」
俺は今考えていた事をアリシエーゼに伝えた。
「ふむ、ではヒーラーを一人加えて、他は妾とお主、アルアレかの。タンクはナッズで良いのか?」
「そこちょっと悩むんだけど、盾持ちのタンク役なんてこの中にいるのか?」
「うーん・・・小盾を装備する者はおるが、お主が考えておるタンクは別物じゃろ?」
「そうだな。ラウンドシールドなりの大盾を持って立ち回るのを想像してる」
「やはりそうか。そうなるとここにはおらんのう」
「じゃあそれはどこかデカい街に行って、傭兵なりなんなりをスカウトすればいいかな」
「スカウト、な」
アリシエーゼは含みのある言い方をしたが、その辺は自重する気は全く無く、いい人材が居れば即スカウトだ。
「とりあえずメンバーはそんな感じにしよう。アリシエーゼから皆に伝えて貰っていいか?」
「うむ。メンバーには明日経てる様に準備もさせておこう」
「宜しく頼む。あ、もう一つ」
「うん?」
「この辺りで何か金儲け出来そうな素材を入手出来たりしないか?」
「金になる素材・・・うーん」
「何でもいいんだ、木材でも食料でも」
「妾は金に無頓着じゃったからまったく分からん!」
「そ、そうか・・・」
今までどうやって暮らして来たんだ・・・
あ、コイツら自給自足だったわ
「でも例えば、着ている服とかダメになったらどうするんだ?流石に筋骨隆々なアイツらがせっせと裁縫している姿なんて想像出来ないんだが・・・」
「さあ?」
おい・・・
「はぁ・・・もういいよ。誰がその辺分かるんだ?」
「ポロンじゃろ。アイツに面倒くさい事は全て任せておるからの!」
そう言ってアリシエーゼはまたもや誇らしげに胸を張る。何か言うのもバカバカしくなり俺はポロンを探しに屋敷の方へ向かって歩き出した。
アリシエーゼも当たり前の様に俺の後を着いて来た。
途中で畑仕事をしている者にポロンが何処に居るか聞いてみた。
「今日は外で周辺の魔物狩りの班だったと思うぜ」
首にかかっていたタオルで汗を拭きながら男はそう言った。
剣を鍬に持ち替えたその男はどこからどう見ても農業に従事する百姓や酪農家にしか見えない。
これで傭兵って言うんだから・・・
何とも言えないなぁ
「いつ頃戻って来るのか分かる?」
「うーん、たぶん日が沈む前には戻って来ると思うぞ」
「そうか、じゃあ戻って来たら屋敷に来る様に伝えて貰えるかな?」
「あぁ、わかった」
「よろしくー」
俺はそう言って畑を後にした。
「アリシエーゼはアルアレとかに伝えるの忘れないでね」
「うむ、今から伝えに行って来るのじゃ」
そう言ってアリシエーゼは二十人程が集まって訓練の様な事をしている集団へと掛けて行った。
俺はそれを見送ると屋敷に戻り、リビングの二人掛けソファーに座りゆっくりと息を吐いた。
「はぁぁ、遂に俺も人外になってしまったかー」
まぁそれはそれで面白そうだと思い自然と口角が持ち上がる感覚を意識して更に深くソファーへ身体を沈めた。
魔界か・・・
楽しみだぜ
「と、その前にちょっと聞きたい」
「?」
「先ず、この国ってアリシエーゼの実家がある国か?」
「そうじゃ」
「あ、そうなのね。てっきり国を出たのかと思ってたよ」
「知らない国に行くとか嫌じゃろ。知り合い誰もいないのに」
「・・・まぁいいや。じゃあここってアリシエーゼの実家が収めてる領なのか?」
「いや、違うぞ。ここはエンフェンフォーズ伯爵領とはまるっきり反対側のダリス侯爵領の更に外れにある森の中じゃ」
おっ、侯爵出てきましたよ~
これはお決まりパターンな、辺境伯ってやつですな?
「なにニヤニヤしておるんじゃ・・・このダリス侯爵領は北の守護を任されておっての、領の西側はモライアス公国、北側は魔界とハイスタード帝国に接しておる」
「魔界?」
「悪魔が作ったとされる、所謂お主が大好きであろうダンジョンじゃ」
むほほぉぉおお!!
ダンジョン来ましたよー!みなさーん!
「はぁ、やはりそんな反応になるか」
「そりゃそうだろ!ダンジョンだよ!?ってか、アリシエーゼはどうなんだ?」
「何がじゃ?」
「だから、ラノベなりアニメなり漫画なりゲームなり、多少は嗜んでたのかって事だ」
「多少?」
そう言ってアリシエーゼはニチャる。
はい、来ましたよ二チャリ顔ー!
「バカにして貰っては困るのう。嗜んでたどころではないぞ!かなり腐っておったわ!異世界!?転生!?転移!?その要素―――大好きじゃ!」
「おぉ~!」
俺は思わずパチパチと拍手を送る。アリシエーゼはそれに気を良くしてわははと姿勢を仰け反らせながら豪快に笑っている。
「だったらダンジョンなんて聞いたらもう転生者冥利に尽きるってもんだろ」
「そうじゃのう!ワーッハッハッハ」
言っていて自分でも何言ってるのかよく分からなくなってきた・・・
まあいいか
「大体分かったけど、ここは魔界ってのの近くなのか?」
「いや、モライアス公国との境の森の中じゃ」
「国境が面してるそれぞれのモライアス公国とハイスタード帝国ってのとの関係はどんな感じなんだ?」
「モライアス公国とは友好関係を築いておる。元々、北側もモライアス公国の領土じゃったんじゃが、ハイスタード帝国が近年どんどん軍事力を強化しておっての、領土をかなり取られてしもうたんじゃ。今はエバンシオ王国のこのダリスとモライアス公国でハイスタード帝国を抑えとると言った構図じゃ」
「なるほどね、大体理解したよ」
そう言って俺は逡巡する。
魔界ってのはとりあえず置いておくとしてハイスタード帝国の脅威に晒されているのは事実だろう。
そうするとやはり傭兵団は需要が有りそうだ
「ちなみに魔界、ダンジョンってどこの国の領土にあるんだ?」
「まあ三国がそれぞれ所有権を主張しとるよ。元々はモライアス公国内にあり、エバンシオ王国はダンジョンに潜る時だけモライアス公国に使用料みたいなものを払っておった様じゃが、ダンジョンがハイスタード帝国に狙われての。一時期ダンジョン周辺のみ成らず、モライアス公国領の三分の一以上がハイスタード帝国に占領されてしまったんじゃ。」
「うわ、マジかよ・・・」
「このままだと更に押し込まれて、取り返しのつかない事になりそうじゃったから、エバンシオ王国に支援を要請し、エバンシオ王国も王国で実はダンジョンを欲しておった様での。ダンジョンの所有権を何割かは分からんが見返りとして求めて、モライアス公国も背に腹はかえられぬ状況じゃったからそれを承諾して、ダリス侯爵軍の奮闘もあり今の様な構図になったんじゃ。なのでダンジョンの周りは中立地帯となっておっての、一応この地帯での軍事行動は条約で禁止されとるの今の所わの。」
「は~、そんな事になってるんだな。ちなみにもう一つ聞いておきたい。」
まあ大体予想付くんだけどな。
「なんじゃ?」
「ダンジョンにはお宝が眠ってるって事でいいか?」
「その様じゃぞ」
「テンプレだな」
「テンプレじゃの」
「よし、アリシエーゼ」
そう言って俺は真剣な眼差しでアリシエーゼを正面から見詰める。
「本当は情報収集の為の拠点を大きい街とかに作って、ここの村には人材育成の為の教育施設になってもらう予定だったが変更だ。ダンジョンを攻略するぞ」
「まあそうなると思っておったよ」
アリシエーゼは小さくため息を付いたがそんなに嫌そうでも無さそうだ。
アリシエーゼの話を聞いて、ダンジョンの存在を知って、俺のこの魔力無し状態からの一発逆転は、そのダンジョン産のお宝が現状一番可能性あるんじゃないかと思った。
「だだそうするとさっきも言った通り、こことポロン達を有効活用しようと思ってたから、どうするかって話になる」
「全員でダンジョン攻略しに行けば良いでは無いか」
「え?」
「うん?」
あれ、そんな感じでもオッケーなの?
「あ、いや、ダンジョンだよね?」
「そうじゃが?」
「ここって百人くらい居たよね?」
「うむ」
「その人数がぞろぞろとダンジョン行って大丈夫なの・・・かい?」
「大丈夫じゃろ」
「いやいや、ダンジョンだよ?」
「うっさいのう、そんなに心配なら一度見に行けば良いでは無いか」
えぇ・・・だってダンジョンだぜ?
ダンジョンって言ったらパーティで挑むものだろ
パーティって言ったら四人とか五人だろ普通
「・・・じゃあとりあえず見に行ってみるか」
「うむ。いつから向かうつもりじゃ?」
「そうだな・・・この人数だと準備もあるしな。でもそもそもこの人数での移動は流石に厳しいよな」
「何故じゃ?」
「いや、街に着くまでの移動中はいいけど街とかに着いたらどうすんだよ。いきなり百人くらいで宿屋押しかけて泊めてくれって言っても絶対無理だろ」
「あぁ、そんな事気にしておったのか。別にそんなの街の外でキャンプすればいいじゃろ」
「えぇ、何だよそれ」
「考えてもみよ、戦時中に傭兵団や軍はぞろぞろとそれこそ数千人単位で移動するのなんてざらじゃろ。そんな数こそ街になんて入れんだろう」
あ、確かに
そう言われればそうだな
「そんな時は基本的には街の外などにキャンプを張る事になるし、街で何かあるなら傭兵団の代表が街に入る事になる」
「なるほど」
「それに今は一応戦時中時じゃしな。そんな事やってる傭兵団なんて沢山あると思うぞ」
「勉強になりやす、アリシエーゼお嬢!」
「な、なんじゃ突然」
「いやぁ、俺の知らない事はいっぱいあるなぁと思ってさ」
「そりゃそうじゃろ。お主はまだこの世界に来て数日じゃぞ」
「それはそうなんだけどね」
それにしても分からない事は沢山あるし、俺が読んで来た聖典の数々を主体に考えてる脳では思い付かない事も当然沢山ある。
「全員で移動する事に関しては問題無い事は理解したよ。でも、全員で出て行ったらここどうするんだ?」
「まぁ、魔界まではかなりの距離がある。途中で補給する事などを考えてると、少なくとも片道一ヶ月は掛かるかの」
「あの速度でそんなに掛かるのか」
「そうじゃの。つまりここに帰って来るとしても二ヶ月以上は掛かるし、破棄するしかなかろう」
「やっぱそうなんだな・・・」
「まぁ仕方あるまい。この森は何だかんだ危険な魔物や獣が多数徘徊しておるし、そうなると二ヶ月以上無人じゃと維持は望めまい」
そう言うアリシエーゼを端目で見ると少し寂しそうにも見えた。
そこまで長い年月を過ごした訳では無いだろうが、一からここまで立派な集落にしたんだ。それなりの愛着も湧くんだろうなと思った。
「・・・やっぱり全員で行くのは辞めよう」
「何故じゃ?」
「いや、この屋敷や村を放棄するなんて勿体無いし、寂しいだろ?」
「べ、別にそんな事考えんでもいいわ!好きな様にすれば良かろう」
「うん、だから好きな様にするよ。数人だけ連れて後は残ってここを維持させよう」
「良いのか・・・?」
「いいんだよ。やっぱり帰る場所があった方がいいだろ」
そう言って俺はアリシエーゼを見て微笑むと、アリシエーゼも俺に微笑み返した。
「うん」
アリシエーゼは吸血鬼になった際に早々に実家、家族、友人、その他関わりがあった全ての人との関係を絶つべく、すぐに実家を飛び出した。
それは吸血鬼になってしまったらもう今まで通りの生活は送れないと気付いてしまったから。
吸血鬼になる前もそうだろうとは思っていたはずだ。だが、やはり甘かった。軽く見ていた。
闇の世界はどこまで行っても闇。決して光と交わる事は無い。交わってしまったら壊れずにはいられない。
それを吸血鬼になった瞬間理解してしまった。家族を、友人を愛していたアリシエーゼはもし自分が吸血鬼であることが周囲にバレてしまったら、きっと家族に迷惑が掛かると、断腸の思いで家を飛び出したのだろう。
やり方は結構エグいが仲間を見付けそして流れ着いたこの土地で腰を据えて生活をするに至る。森の中を一から開拓して、百人規模の人が住む村に変える。
言葉にすれば一行で終わってしまうがそれは途方も無い事で、頑張ったに違い無い。
家とかは近くの街の大工を片っ端から無理矢理連れて来て突貫工事させてたみたいだが・・・
だからやっぱりアリシエーゼにはこの帰るべき場所を無くして欲しく無かった。
「とりあえず魔界に向かうメンバーを考えるか」
「そうじゃの。妾は当然一軍じゃろ!?」
「一軍って・・・」
誰にするかなぁ
でもポロン、アルアレ、ナッズ、トイズ、後は料理を作ってくれた人くらいしか絡んで無いからなぁ
「そう言えば、アルアレって神聖魔法使えるんだろ?」
「うむ」
「回復魔法も使えるって思っていいのか?」
少人数と言う事はつまりパーティを組むって事だ
パーティならやはりロールを考慮して組むのは常識!
タンク、アタッカー、ヒーラーの基本構成で考えると、ナッズをタンク兼アタッカー(物理)にするか?
俺とアリシエーゼをアタッカーで遊撃的な配置にして、アリシエーゼは物理、魔法両方で適時最適な攻撃方法を取らせるとしてアルアレはアタッカー(魔法)兼ヒーラーか?
「いや、アルアレが信奉している神は回復系の奇跡は起せなかったはずじゃ」
「あ、そうなのか・・・」
そうすると、やっぱりヒーラーは別で必要だな
トイズは・・・いらねーや
「じゃあこんな感じでどうだろう――」
俺は今考えていた事をアリシエーゼに伝えた。
「ふむ、ではヒーラーを一人加えて、他は妾とお主、アルアレかの。タンクはナッズで良いのか?」
「そこちょっと悩むんだけど、盾持ちのタンク役なんてこの中にいるのか?」
「うーん・・・小盾を装備する者はおるが、お主が考えておるタンクは別物じゃろ?」
「そうだな。ラウンドシールドなりの大盾を持って立ち回るのを想像してる」
「やはりそうか。そうなるとここにはおらんのう」
「じゃあそれはどこかデカい街に行って、傭兵なりなんなりをスカウトすればいいかな」
「スカウト、な」
アリシエーゼは含みのある言い方をしたが、その辺は自重する気は全く無く、いい人材が居れば即スカウトだ。
「とりあえずメンバーはそんな感じにしよう。アリシエーゼから皆に伝えて貰っていいか?」
「うむ。メンバーには明日経てる様に準備もさせておこう」
「宜しく頼む。あ、もう一つ」
「うん?」
「この辺りで何か金儲け出来そうな素材を入手出来たりしないか?」
「金になる素材・・・うーん」
「何でもいいんだ、木材でも食料でも」
「妾は金に無頓着じゃったからまったく分からん!」
「そ、そうか・・・」
今までどうやって暮らして来たんだ・・・
あ、コイツら自給自足だったわ
「でも例えば、着ている服とかダメになったらどうするんだ?流石に筋骨隆々なアイツらがせっせと裁縫している姿なんて想像出来ないんだが・・・」
「さあ?」
おい・・・
「はぁ・・・もういいよ。誰がその辺分かるんだ?」
「ポロンじゃろ。アイツに面倒くさい事は全て任せておるからの!」
そう言ってアリシエーゼはまたもや誇らしげに胸を張る。何か言うのもバカバカしくなり俺はポロンを探しに屋敷の方へ向かって歩き出した。
アリシエーゼも当たり前の様に俺の後を着いて来た。
途中で畑仕事をしている者にポロンが何処に居るか聞いてみた。
「今日は外で周辺の魔物狩りの班だったと思うぜ」
首にかかっていたタオルで汗を拭きながら男はそう言った。
剣を鍬に持ち替えたその男はどこからどう見ても農業に従事する百姓や酪農家にしか見えない。
これで傭兵って言うんだから・・・
何とも言えないなぁ
「いつ頃戻って来るのか分かる?」
「うーん、たぶん日が沈む前には戻って来ると思うぞ」
「そうか、じゃあ戻って来たら屋敷に来る様に伝えて貰えるかな?」
「あぁ、わかった」
「よろしくー」
俺はそう言って畑を後にした。
「アリシエーゼはアルアレとかに伝えるの忘れないでね」
「うむ、今から伝えに行って来るのじゃ」
そう言ってアリシエーゼは二十人程が集まって訓練の様な事をしている集団へと掛けて行った。
俺はそれを見送ると屋敷に戻り、リビングの二人掛けソファーに座りゆっくりと息を吐いた。
「はぁぁ、遂に俺も人外になってしまったかー」
まぁそれはそれで面白そうだと思い自然と口角が持ち上がる感覚を意識して更に深くソファーへ身体を沈めた。
魔界か・・・
楽しみだぜ
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
今日も聖女は拳をふるう
こう7
ファンタジー
この世界オーロラルでは、12歳になると各国の各町にある教会で洗礼式が行われる。
その際、神様から聖女の称号を承ると、どんな傷も病気もあっという間に直す回復魔法を習得出来る。
そんな称号を手に入れたのは、小さな小さな村に住んでいる1人の女の子だった。
女の子はふと思う、「どんだけ怪我しても治るなら、いくらでも強い敵に突貫出来る!」。
これは、男勝りの脳筋少女アリスの物語。
魔法使いと彼女を慕う3匹の黒竜~魔法は最強だけど溺愛してくる竜には勝てる気がしません~
村雨 妖
恋愛
森で1人のんびり自由気ままな生活をしながら、たまに王都の冒険者のギルドで依頼を受け、魔物討伐をして過ごしていた”最強の魔法使い”の女の子、リーシャ。
ある依頼の際に彼女は3匹の小さな黒竜と出会い、一緒に生活するようになった。黒竜の名前は、ノア、ルシア、エリアル。毎日可愛がっていたのに、ある日突然黒竜たちは姿を消してしまった。代わりに3人の人間の男が家に現れ、彼らは自分たちがその黒竜だと言い張り、リーシャに自分たちの”番”にするとか言ってきて。
半信半疑で彼らを受け入れたリーシャだが、一緒に過ごすうちにそれが本当の事だと思い始めた。彼らはリーシャの気持ちなど関係なく自分たちの好きにふるまってくる。リーシャは彼らの好意に鈍感ではあるけど、ちょっとした言動にドキッとしたり、モヤモヤしてみたりて……お互いに振り回し、振り回されの毎日に。のんびり自由気ままな生活をしていたはずなのに、急に慌ただしい生活になってしまって⁉ 3人との出会いを境にいろんな竜とも出会うことになり、関わりたくない竜と人間のいざこざにも巻き込まれていくことに!※”小説家になろう”でも公開しています。※表紙絵自作の作品です。
最強の職業は付与魔術師かもしれない
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界から異世界に召喚された5人の勇者。彼等は同じ高校のクラスメイト同士であり、彼等を召喚したのはバルトロス帝国の3代目の国王だった。彼の話によると現在こちらの世界では魔王軍と呼ばれる組織が世界各地に出現し、数多くの人々に被害を与えている事を伝える。そんな魔王軍に対抗するために帝国に代々伝わる召喚魔法によって異世界から勇者になれる素質を持つ人間を呼びだしたらしいが、たった一人だけ巻き込まれて召喚された人間がいた。
召喚された勇者の中でも小柄であり、他の4人には存在するはずの「女神の加護」と呼ばれる恩恵が存在しなかった。他の勇者に巻き込まれて召喚された「一般人」と判断された彼は魔王軍に対抗できないと見下され、召喚を実行したはずの帝国の人間から追い出される。彼は普通の魔術師ではなく、攻撃魔法は覚えられない「付与魔術師」の職業だったため、この職業の人間は他者を支援するような魔法しか覚えられず、強力な魔法を扱えないため、最初から戦力外と判断されてしまった。
しかし、彼は付与魔術師の本当の力を見抜き、付与魔法を極めて独自の戦闘方法を見出す。後に「聖天魔導士」と名付けられる「霧崎レナ」の物語が始まる――
※今月は毎日10時に投稿します。
引きこもり転生エルフ、仕方なく旅に出る
Greis
ファンタジー
旧題:引きこもり転生エルフ、強制的に旅に出される
・2021/10/29 第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞 こちらの賞をアルファポリス様から頂く事が出来ました。
実家暮らし、25歳のぽっちゃり会社員の俺は、日ごろの不摂生がたたり、読書中に死亡。転生先は、剣と魔法の世界の一種族、エルフだ。一分一秒も無駄にできない前世に比べると、だいぶのんびりしている今世の生活の方が、自分に合っていた。次第に、兄や姉、友人などが、見分のために外に出ていくのを見送る俺を、心配しだす両親や師匠たち。そしてついに、(強制的に)旅に出ることになりました。
※のんびり進むので、戦闘に関しては、話数が進んでからになりますので、ご注意ください。
そして、アドレーヌは眠る。
緋島礼桜
ファンタジー
長く続いた大戦、それにより腐りきった大地と生命を『奇跡の力』で蘇らせ終戦へと導いた女王――アドレーヌ・エナ・リンクス。
彼女はその偉業と引き換えに長い眠りについてしまいました。彼女を称え、崇め、祀った人々は彼女の名が付けられた新たな王国を創りました。
眠り続けるアドレーヌ。そこに生きる者たちによって受け継がれていく物語―――そして、辿りつく真実と結末。
これは、およそ千年続いたアドレーヌ王国の、始まりと終わりの物語です。
*あらすじ*
~第一篇~
かつての大戦により鉄くずと化し投棄された負の遺産『兵器』を回収する者たち―――狩人(ハンター)。
それを生業とし、娘と共に旅をするアーサガ・トルトはその活躍ぶりから『漆黒の弾丸』と呼ばれていた。
そんな彼はとある噂を切っ掛けに、想い人と娘の絆が揺れ動くことになる―――。
~第二篇~
アドレーヌ女王の血を継ぐ王族エミレス・ノト・リンクス王女は王国東方の街ノーテルの屋敷で暮らしていた。
中肉中背、そばかすに見た目も地味…そんな引け目から人前を避けてきた彼女はある日、とある男性と出会う。
それが、彼女の過去と未来に関わる大切な恋愛となっていく―――。
~第三篇~
かつての反乱により一斉排除の対象とされ、長い年月虐げられ続けているイニム…ネフ族。
『ネフ狩り』と呼ばれる駆逐行為は隠れ里にて暮らしていた青年キ・シエの全てを奪っていった。
愛する者、腕、両目を失った彼は名も一族の誇りすらも捨て、復讐に呑まれていく―――。
~第四篇~
最南端の村で暮らすソラはいつものように兄のお使いに王都へ行った帰り、謎の男二人組に襲われる。
辛くも通りすがりの旅人に助けられるが、その男もまた全身黒尽くめに口紅を塗った奇抜な出で立ちで…。
この出会いをきっかけに彼女の日常は一変し歴史を覆すような大事件へと巻き込まれていく―――。
*
*2020年まで某サイトで投稿していたものですがサイト閉鎖に伴い、加筆修正して完結を目標に再投稿したいと思います。
*他小説家になろう、アルファポリスでも投稿しています。
*毎週、火・金曜日に更新を予定しています。
異世界でもプログラム
北きつね
ファンタジー
俺は、元プログラマ・・・違うな。社内の便利屋。火消し部隊を率いていた。
とあるシステムのデスマの最中に、SIer の不正が発覚。
火消しに奔走する日々。俺はどうやらシステムのカットオーバの日を見ることができなかったようだ。
転生先は、魔物も存在する、剣と魔法の世界。
魔法がをプログラムのように作り込むことができる。俺は、異世界でもプログラムを作ることができる!
---
こんな生涯をプログラマとして過ごした男が転生した世界が、魔法を”プログラム”する世界。
彼は、プログラムの知識を利用して、魔法を編み上げていく。
注)第七話+幕間2話は、現実世界の話で転生前です。IT業界の事が書かれています。
実際にあった話ではありません。”絶対”に違います。知り合いのIT業界の人に聞いたりしないでください。
第八話からが、一般的な転生ものになっています。テンプレ通りです。
注)作者が楽しむ為に書いています。
誤字脱字が多いです。誤字脱字は、見つけ次第直していきますが、更新はまとめてになります。
砕魔のミョルニル
松山さくら
ファンタジー
〜「ミョルニルは重い。とてつもなく重い」エルフの王はそう言った。〜
冒険者となったその日に、オレはアーティファクト【ミョルニル】を手に入れた。
しかしこのアーティファクトは一癖も二癖もあり、なかなか扱いが難しい。
オレは駆け出しの冒険者仲間とともに、頭を使い知恵を絞りながら、少しずつミョルニルを使いこなしていった。
このアーティファクトが作られた真の理由を知ることもなく……
転生騎士団長の歩き方
Akila
ファンタジー
【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】
たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。
【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。
【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?
※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる