a pair of fate

みか

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【第一部】

紫と黒

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「ッくしゅ!…っは!」


ぱちっと目を開けると、寝起きのぼやけた視界にオレンジ色の照明。

眩しくて手の甲で目を擦る。


「お、起きた?」

「おはようございます」


横から頭を撫でられた。

右隣には、爽やかに微笑んでいる黒川さん。スマホで誰かとメールしてたっぽい。
ていうか、黒のベッドの上で黒いTシャツを着て、本当に黒が好きなんだなぁ・・・。

黒川さんの方に寝返りをうつと、俺も同じ黒いTシャツを着ているのに気付いた。


「急に飛ぶなよ、焦るから」


ちょっとむすっとして、俺のデコに軽くデコピンをしてきた。


「…ぃてっ…すみません」


どうやらいつかのタイミングで気を失っていたらしい。
体はかなりダルい気がするけど、俺が出した精液やら色々で汚れていたシーツは替えられて、綺麗になっていた。

しかも着替えてるって事は、多分風呂まで入れてもらってる。また迷惑かけてしまったけど、申し訳なさより、ここまでしてくれた事に対する嬉しさの方が大きい。


「ありがとうございます」

「気にすんな。無理させたから」


スマホをベッドボードに置いた黒川さんとの距離を縮めて、ぎゅーっと抱きつく。

首元に額をぐりぐりしようと少し顔を上げたその時。


「…?」


ふと首に何か違和感があり、自分の首を触る。


「ん??」


俺の首には何かが巻きついていた。



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