a pair of fate

みか

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【第一部】

始業式

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夢のように楽しかった夏休みも終わって二学期が始まる。



ちなみに昨日、正臣さんと凛堂さんにもう一回ちゃんと挨拶してきた。

プレゼントのお礼も言ったら、いい子だってまたプレゼントを貰ってしまって、凛堂さんからも何か高そうなシャーペンを貰ってしまった。

俺は何しに行ったんだろって気分になった。



そして今日、朝から元気に鳴いている蝉のうるささも太陽の暑さも健在。

受験組は気持ちピリピリしてるけど、俺と爽は今日もあちぃな~なんて言いながら登校していた。

教室に入ると不自然に俺の席の両隣が空席になっている。



「華の周り何あれ」

「…本当だ。何事?」



あれ?二人転校したか?と思ったけど、両隣だったはずのクラスメイトは一番後ろの席に移動している。



「とりあえず体育館行こうぜ」
「…うーん」



疑問は残るが、とりあえず体育館に行って始業式を受けた。
目玉が飛び出そうになったのは始業式が終わってからのHR。



「え~こんな時期ですが転校生が二人来ます」



急な担任の発言にクラスはザワつく。

3年生のこんな中途半端な時期に転校なんて前の学校で問題を起こしたのか、とか色々考えてしまう。

担任が二人の名前を黒板に書きだした。

転校生ってだけでも珍しいのに、それも二人なんて絶対何かあるだろ。
名前を書き終わって振り向く担任。


『黒川 理央』『佐伯 琉唯』


「……いやいや…、マジで?」


「はい、二人とも入って~」


教室のドアに向かって声を掛けると、ドアがスライドして開く。
入ってきたのは黒板に名前を書かれた二人。


ザワつくクラスメイト。


二人は当たり前だけど俺と同じ制服を着ている。



理央を知っている爽がこっちを見ているのを感じるけど、俺も驚きすぎて反応できない・・・黒川さんも理央が来るなんて言ってなかった。


これは裏の力使ったか?


ぺこりと頭を下げる二人。
まだ琉唯くんは分かる。どうせ俺の護衛とかだろ?



「黒川理央です」

「佐伯 琉唯です、宜しくお願いします」



なんでバカ理央までいるんだよ。

クラスはザワザワと騒がしくなり『黒川くん可愛い』とか言われてる。


だけど俺は絶対に認めないからな。
絶対話してやらねーから。



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