a pair of fate

みか

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【第一部】

5 side 金条 華

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ふわふわ、と揺れる脳内。

突然浮遊感に包まれ、次は身体に痛みが走り、重いまぶたを開ける。


「どうしたっ!」


バァン!とドアが壊れそうな勢いで部屋に入ってきたスーツの男。
『大丈夫か?』と言いながらベッドから落ちたらしい俺の傍に慌てて寄ってくる。


「っ」


その人の真っ黒な目と目が合った瞬間、またさっきのように心臓がバクバク鳴り出し身体が熱くなる。
手足は勝手に震えて力も上手く入らない。今度は股間も元気になるってオプション付き。
後ろもダラダラと愛液が出ているのを感じて、ただでさえふわふわしていた頭がもう何も考えられなくなるくらいどろどろに溶ける。

身体の急な変化についていけない。


「おい、大丈夫か?」

「ぁ、暑い、熱いです」


朦朧とする意識の中で男に手を伸ばす。
それに応えて男は手をぎゅっと握り返してくる。

ふわりと抱き上げられベッドに着地した。


「たすけて」


霧がかかったようにボヤける思考が怖くて握られたままの右手を自分の方に引き寄せると、ベッドのスプリングを軋ませ男が覆いかぶさってきた。

視界が黒でいっぱいになる。

ゴツゴツしてるけど綺麗な指が黒いネクタイを緩め、ワイシャツのボタンを上から幾つか外す。サラっと揺れる黒髪がとても綺麗だった。


あぁ....これから何するのかな....まぁいいか.....。

早々に思考放棄して男を見上げる。
目が合うとあのネオン街の時のように頬をするりと撫でられ、またピリッとした。


「はぁっ」

「すぐ楽にしてやる」


男の股間を俺のにぐりィッと押し付けられ腰がびくんと揺れた。

それを見た男は嬉しそうに笑い俺のズボンを下着ごとずるっと下ろす。パンツのゴムが反り返ってるモノに引っかかり先走りが一層垂れて後ろまで伝うのがわかった。


「脚、抱えてろ」


特別低くもないけど心地よい声が腰に響く。

声を出すのも辛くてウンウンと頷き膝裏に腕を回す。
大事なところが全部丸見えなんて気にする余裕はなくて、早く熱をどこかに逃がして楽になりたかった。

カチャカチャ、とベルトを外す音が聞こえたと思うと太腿の間にヌルッと滑り込んでくる男のそれ。いつの間にかちゃんと避妊具を着けている。

ゴム越しでも伝わる男の熱に喉がヒュッと鳴った。


「あっ、あつ、ぃい」

「ハッ、我慢汁で妊娠されると困るからな」


そんなのあるわけない、と思ったが一応番っている?から否定はできない。

男が腰をゆるゆると前後に動かすと俺の裏筋が擦られ、お互いのカリがひっかかる。


「はぁ、ぁあ、…」

「気持ちいい?」


たった数回擦られただけで絶頂が見えてきて内腿がピクピク痙攣する。


「....っ、はッ.....早いな....」

「ん、ん、」


それに気付き前後運動を速める男。
やめてくれ、なんて言っても遅いだろうと蕩ける頭でボンヤリ諦めた。



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