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第一章 魔法のない世界
第一話 江戸川涼真という男
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死んだはずの俺が目を覚ますと、見知らぬ部屋の知らないベッドの上にいた。慌てて周りの魔力を調べてみると辺りに俺以外の魔力は感じられない。かくいう俺も大分魔力を消耗してしまっている。簡単な魔法なら問題ないが、攻撃系魔法は今の身体には耐えられないかもしれない。
ベッドから出てこの部屋に何か手がかりがないか探ってみることにした。すぐ側にある机の上に一冊のノートが置いてあった。表紙には江戸川涼真の文字が書かれている。
その他色々見て回ったが総合的に考えてこの部屋の持ち主は高院生(こちらで言う高校生)ほどの年齢だろう。
「涼真ぁ、朝よ!」
部屋の外から女の声が聞こえた。どうやらこの部屋に向かっているようだ。ややこしいことにこの部屋の主も俺の名前も同じ音で「りょうま
」の為一瞬色々と考えてしまった。そして今は杖も無いことから魔法を使うのは避けたい。
と、色々考えているうちに扉が開き40代女性と思わしき人間が部屋に入ってきた。
「あ、えっ!?起きてたの?」
女は俺が起きていることに大層驚いているようで、目をまんまるに見開いてこちらを見ている。
「お、おはようございます。」
俺も何を言ったらいいのか分からず適当に挨拶をしてしまった。状況的に考えてこの人は俺の事を知っているようだ。俺の記憶には無いが、気を失っているうちに関係が作られたのかもしれない。
「お、起きたんなら顔洗って、朝ごはん食べるわよ!!」
女性が部屋を出てすぐ後に俺は念の為魔法の杖を召喚した。杖の存在を悟られないように袖口に隠しながらドアを開いた。
廊下には眩しい朝の光が差し込んでいて木材の床がキラキラと反射して光っている。
「ルート」
小声で詠唱し洗面室がどこにあるのか示した。ここから一番近い扉が洗面台の入り口のようだ。
洗面室の扉を開け、室内に設置されていた鏡に映った自分の姿を見て自分の眼を疑った。
俺の顔は「全くの別人の顔」に変わってしまっていたのだ。いや、状況を総合的に考えて「俺は全くの別人に転生」してしまったのだろう。
恐らく俺は国王の前で殺された。その後何らかの力が働いて俺は転生されたのだ。それも、平行世界の誰かに。
さっきの部屋や洗面室の様子を見る限り、俺がいた世界の習慣や技術とはかなりの相違点が見られる。その上、先程から俺以外の魔力を感じていない。もしかしたらこの世界には魔法というものが存在しないのかもしれない。
「涼真~。いつまで顔洗ってるの?早くいらっしゃい!」
それから、俺が転生した先の人物についても見当はついている。「江戸川涼真」という男。なぜ彼に転生したのかは分からないが、彼に転生したことは確かだろう。
全くどういうことなのかよく分からないが、せっかくもらった新しい人生、楽しむしかないだろう!!
ベッドから出てこの部屋に何か手がかりがないか探ってみることにした。すぐ側にある机の上に一冊のノートが置いてあった。表紙には江戸川涼真の文字が書かれている。
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「涼真ぁ、朝よ!」
部屋の外から女の声が聞こえた。どうやらこの部屋に向かっているようだ。ややこしいことにこの部屋の主も俺の名前も同じ音で「りょうま
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と、色々考えているうちに扉が開き40代女性と思わしき人間が部屋に入ってきた。
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「お、起きたんなら顔洗って、朝ごはん食べるわよ!!」
女性が部屋を出てすぐ後に俺は念の為魔法の杖を召喚した。杖の存在を悟られないように袖口に隠しながらドアを開いた。
廊下には眩しい朝の光が差し込んでいて木材の床がキラキラと反射して光っている。
「ルート」
小声で詠唱し洗面室がどこにあるのか示した。ここから一番近い扉が洗面台の入り口のようだ。
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俺の顔は「全くの別人の顔」に変わってしまっていたのだ。いや、状況を総合的に考えて「俺は全くの別人に転生」してしまったのだろう。
恐らく俺は国王の前で殺された。その後何らかの力が働いて俺は転生されたのだ。それも、平行世界の誰かに。
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「涼真~。いつまで顔洗ってるの?早くいらっしゃい!」
それから、俺が転生した先の人物についても見当はついている。「江戸川涼真」という男。なぜ彼に転生したのかは分からないが、彼に転生したことは確かだろう。
全くどういうことなのかよく分からないが、せっかくもらった新しい人生、楽しむしかないだろう!!
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