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第2章『悪夢の王国と孤独な魔法使い』編
第54話『再会/Reunion』Part.1
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スカースレット王国にやってきて二日目。
そんな素晴らしき一日の始まりは、ミサの叫び声で幕を開けた。
「……う~ん。どうしたの?」
またも、強引に眠りを妨げられたエレリアは、半ば苛つきながら、ゆっくりと重たいまぶたを開いた。なんとも不快な目覚めだ。
深夜もいきなり誰かに揺さぶり起こされたせいで、結局エレリアは満足に睡眠をとることができなかった。心なしか、疲労も少し肉体に染みついたまま残っているような気がする。
ふいに脳内に浮かび上がる謎の少女の姿。そう、月の光に照らされながら、自らをモフミと名乗ったあの少女だ。
結局あれは夢だったのだろうか。
しかし、夢の中の出来事にしては、彼女の声も、その姿も、交わしたやり取りも、何もかも鮮明に思い出すことができる。
となれば、彼女は現実のモフミが人に化けた姿だったのか。
そして、寝起きでぼやけた視界のままミサの方を見ると、何やら彼女はひどく驚いた表情で固まっていた。
「モフちゃん……?」
その時、不可解そうに漏らしたミサの呟きで、エレリアはぎくりと驚き、完全に意識が覚醒した。
そして、恐る恐る彼女の視線の先に目をやった。
「げっ、モフミ……」
「みぁ……!」
そう、そこには布団の上で背を丸め、目を細めなかわらこちらを鋭く睨みつけている白猫のモフミがいたのだ。
その鳴き声はまるで「昨夜は、よくも話の途中で呑気に寝てくれたわね……!」と、寝落ちしてしまったエレリアに対して怒りを表しているかのようだった。
コックル村からスカースレット王国へ向かう道中に出会ったものの、城の前で離ればなれになってしまった猫のモフミ。
寝る前には確かにいなかったはすのモフミが、今なぜかここに座っている。
ということは、昨夜の謎の少女は本当にモフミだったのだ。夢の中に出てきた可能性も捨てきれないが、どちらにせよモフミが関わっていることは間違いない。
「なんで、モフちゃんがここに……?」
しかし、何の事情も知らないミサはひたすらに困惑している様子だった。
それもそのはず、モフミは昨日ここにいなかったし、何よりエレリアとモフミの2人の会話をミサは知らないのだ。
確か、人間になったモフミは自身のことを『ミア』と呼んでいた気がする。彼女は「私はエレリアの妹で、満月の日にだけ人間になれる」といった趣旨の話をしていた。
発言の真意が気にかかるのはともかく、どうすればミサに昨夜の出来事を伝えようか。
人間になったモフミと話をした、なんて信じてくれるはずない。
「モフミ……」
エレリアがその名を唱えようとしたとき、いきなりモフミが何か言いたげに強く睨みつけてきた。
「じゃなくて、えぇっと。……ミア?」
慌てて咳払いでごまかしつつ、今度は正しい名前を言い直すエレリア。すると、モフミはやれやれと呆れたように目を閉じ、視線をそらすのだった。
見た目は猫のくせに、彼女はエレリアの言葉を完全に理解している。ただ、どうやら言葉を話す気配はない。本当に、普通の猫に戻ってしまったようだ。
どちらにせよ、夜中に起きた出来事を説明するには少しややこしいので、今はまだミサには黙っておくことにした。
顔を洗い、髪を整えて、朝食を食べる。
そして、そのまま必要な荷物を持つと、エレリアたちは宿屋の前の大通りに出た。
降り注ぐ朝日が目に眩しい。
すると、宿屋の入り口のすぐそばに、すでに退屈そうに空を見上げながらソウヤが待ってくれていた。
「あっ! おい、遅いぞ、おまえら!」
開口一番、エレリアたちを見つけた彼の口から出た飛び出たのは叱責の言葉だった。何やら、ずいぶん待ってくれたようで、すでにご立腹の様子だった。
「あぁ、ごめん、ソウくん! ちょっと、準備するのに手間どっちゃってて……」
「まぁ、別にいいけど。……って、おい!?」
すると、ふいにエレリアたちの足元に目をやったソウヤが、いきなり目をひん剥いて叫び声をあげた。
「な、なんで、ここにモフミがいるんだよ……!?」
ソウヤから不審な眼差しを向けられ、不満そうに尻尾を振るモフミ。
「そうそう。朝起きたら、この子がベッドの上にいたの。リアちゃんが言うには、窓の隙間から入ってきたらしいんだけど」
ミサもまたモフミが部屋に現れたことに納得がいってないらしく、ソウヤと共に腕を組んで不思議そうにモフミを見つめていた。
「エレリア。おまえ、モフミが入ってくるのみたのか?」
「えっ? うん、まぁね……」
だが、本当はモフミが窓から入り込んできた姿など目撃なんてしてはいない。なんとなく頷いてしまっただけだ。
「けどよ、ここ2階だぜ。どうやって窓から入ってきたって言うんだよ」
「あっ、言われてみれば」
ソウヤから言われて気がついた。
エレリアたちが寝ていた部屋は宿屋の2階だ。いくら猫と言えど、その高さから遥か頭上の窓へ飛び上がることはできるのか。
いや、そもそもの話、月の光を浴びれば、猫から人の姿に変身できるなんて発言自体どうかしてる。そうなると、全世界の猫は人間が化けたものだと言うのか。
考えれば考えるほど謎は深まるばかりで、エレリアたちは謎の白猫モフミを静かに見つめていた。
「ってか、俺さぁ、前から思ってたんだけど、モフミってなんか目つき悪くないか?」
「えっ? そう?」
ソウヤの問いに、ミサが首を傾げながら応える。
「ほら、俺って犬派じゃん?」
「いや、知らないよ……」
「なんかさぁ、犬の方がもっと可愛げがあるというか、愛嬌があるというか……。猫ってなんか、ムスっとしてて可愛くねぇよな」
「確か、コックル村のパン屋さんとこにかわいいワンちゃんがいたけど、それくらいしか私は知らないなぁ」
そして、ソウヤは膝を折りモフミと目の高さを近づけると、ふいに手のひらを向けた。
「もっとご主人様に愛想良くしたら、猫も好きになれるのによ。ほら、モフミ、お手」
「お手、ってワンちゃんじゃないのに……」
いきなりソウヤから差し出された手を、不愉快そうに見つめるモフミ。
すると、何を思ったのか、モフミはその手に向かって牙を向けるや否や、目にも留まらぬ速さで飛びかかった。
「なっ!? 痛っでえェッッッッッ!!!」
「ちょっと、ソウくん!? 大丈夫!?」
毛を逆立たせながらモフミは怒りのまま噛みつき続ける。
「おい! こういうとこだよ、モフミ! ってか、可愛くねぇとか言って悪かったって! だから、離してくれぇええええ!」
ソウヤ泣き叫びながら、手に絡みつくように噛みつき続けているモフミを必死に振りほどこうとしていた。
ただ、その姿がどこか可笑しくて、エレリアは思わず吹き出してしまった。
「おい、エレリア! 笑ってんじゃねぇぞ!」
エレリアも一回モフミから噛まれたことがあるから分かることなのだが、鋭い牙が肌に深く刺さる感覚は、本当に言葉にできない激痛だ。
だが、今回は全部ソウヤが悪い。モフミが怒るのも無理もないだろう。
そうやって、ほんの何気ないひとときを送っていた時だった。
「……あっ!!」
エレリアがふいに眺めた遠くの人混みの中に、昨日助けてくれた例の魔法使いの少女らしき人物が見えた気がしたのだ。
あの特徴的な若草色のカールがかった髪。横顔しか捉えることができなかったが、恐らく間違いないだろう。
すかさずエレリアは、彼女を見かけたことについてミサたちに伝えた。
「えっ!? あの子が!? だったら、急がないと!」
そして、あの少女を見失うなってしまう前に、エレリアたちは急いで彼女の跡を追うことにした。
そんな素晴らしき一日の始まりは、ミサの叫び声で幕を開けた。
「……う~ん。どうしたの?」
またも、強引に眠りを妨げられたエレリアは、半ば苛つきながら、ゆっくりと重たいまぶたを開いた。なんとも不快な目覚めだ。
深夜もいきなり誰かに揺さぶり起こされたせいで、結局エレリアは満足に睡眠をとることができなかった。心なしか、疲労も少し肉体に染みついたまま残っているような気がする。
ふいに脳内に浮かび上がる謎の少女の姿。そう、月の光に照らされながら、自らをモフミと名乗ったあの少女だ。
結局あれは夢だったのだろうか。
しかし、夢の中の出来事にしては、彼女の声も、その姿も、交わしたやり取りも、何もかも鮮明に思い出すことができる。
となれば、彼女は現実のモフミが人に化けた姿だったのか。
そして、寝起きでぼやけた視界のままミサの方を見ると、何やら彼女はひどく驚いた表情で固まっていた。
「モフちゃん……?」
その時、不可解そうに漏らしたミサの呟きで、エレリアはぎくりと驚き、完全に意識が覚醒した。
そして、恐る恐る彼女の視線の先に目をやった。
「げっ、モフミ……」
「みぁ……!」
そう、そこには布団の上で背を丸め、目を細めなかわらこちらを鋭く睨みつけている白猫のモフミがいたのだ。
その鳴き声はまるで「昨夜は、よくも話の途中で呑気に寝てくれたわね……!」と、寝落ちしてしまったエレリアに対して怒りを表しているかのようだった。
コックル村からスカースレット王国へ向かう道中に出会ったものの、城の前で離ればなれになってしまった猫のモフミ。
寝る前には確かにいなかったはすのモフミが、今なぜかここに座っている。
ということは、昨夜の謎の少女は本当にモフミだったのだ。夢の中に出てきた可能性も捨てきれないが、どちらにせよモフミが関わっていることは間違いない。
「なんで、モフちゃんがここに……?」
しかし、何の事情も知らないミサはひたすらに困惑している様子だった。
それもそのはず、モフミは昨日ここにいなかったし、何よりエレリアとモフミの2人の会話をミサは知らないのだ。
確か、人間になったモフミは自身のことを『ミア』と呼んでいた気がする。彼女は「私はエレリアの妹で、満月の日にだけ人間になれる」といった趣旨の話をしていた。
発言の真意が気にかかるのはともかく、どうすればミサに昨夜の出来事を伝えようか。
人間になったモフミと話をした、なんて信じてくれるはずない。
「モフミ……」
エレリアがその名を唱えようとしたとき、いきなりモフミが何か言いたげに強く睨みつけてきた。
「じゃなくて、えぇっと。……ミア?」
慌てて咳払いでごまかしつつ、今度は正しい名前を言い直すエレリア。すると、モフミはやれやれと呆れたように目を閉じ、視線をそらすのだった。
見た目は猫のくせに、彼女はエレリアの言葉を完全に理解している。ただ、どうやら言葉を話す気配はない。本当に、普通の猫に戻ってしまったようだ。
どちらにせよ、夜中に起きた出来事を説明するには少しややこしいので、今はまだミサには黙っておくことにした。
顔を洗い、髪を整えて、朝食を食べる。
そして、そのまま必要な荷物を持つと、エレリアたちは宿屋の前の大通りに出た。
降り注ぐ朝日が目に眩しい。
すると、宿屋の入り口のすぐそばに、すでに退屈そうに空を見上げながらソウヤが待ってくれていた。
「あっ! おい、遅いぞ、おまえら!」
開口一番、エレリアたちを見つけた彼の口から出た飛び出たのは叱責の言葉だった。何やら、ずいぶん待ってくれたようで、すでにご立腹の様子だった。
「あぁ、ごめん、ソウくん! ちょっと、準備するのに手間どっちゃってて……」
「まぁ、別にいいけど。……って、おい!?」
すると、ふいにエレリアたちの足元に目をやったソウヤが、いきなり目をひん剥いて叫び声をあげた。
「な、なんで、ここにモフミがいるんだよ……!?」
ソウヤから不審な眼差しを向けられ、不満そうに尻尾を振るモフミ。
「そうそう。朝起きたら、この子がベッドの上にいたの。リアちゃんが言うには、窓の隙間から入ってきたらしいんだけど」
ミサもまたモフミが部屋に現れたことに納得がいってないらしく、ソウヤと共に腕を組んで不思議そうにモフミを見つめていた。
「エレリア。おまえ、モフミが入ってくるのみたのか?」
「えっ? うん、まぁね……」
だが、本当はモフミが窓から入り込んできた姿など目撃なんてしてはいない。なんとなく頷いてしまっただけだ。
「けどよ、ここ2階だぜ。どうやって窓から入ってきたって言うんだよ」
「あっ、言われてみれば」
ソウヤから言われて気がついた。
エレリアたちが寝ていた部屋は宿屋の2階だ。いくら猫と言えど、その高さから遥か頭上の窓へ飛び上がることはできるのか。
いや、そもそもの話、月の光を浴びれば、猫から人の姿に変身できるなんて発言自体どうかしてる。そうなると、全世界の猫は人間が化けたものだと言うのか。
考えれば考えるほど謎は深まるばかりで、エレリアたちは謎の白猫モフミを静かに見つめていた。
「ってか、俺さぁ、前から思ってたんだけど、モフミってなんか目つき悪くないか?」
「えっ? そう?」
ソウヤの問いに、ミサが首を傾げながら応える。
「ほら、俺って犬派じゃん?」
「いや、知らないよ……」
「なんかさぁ、犬の方がもっと可愛げがあるというか、愛嬌があるというか……。猫ってなんか、ムスっとしてて可愛くねぇよな」
「確か、コックル村のパン屋さんとこにかわいいワンちゃんがいたけど、それくらいしか私は知らないなぁ」
そして、ソウヤは膝を折りモフミと目の高さを近づけると、ふいに手のひらを向けた。
「もっとご主人様に愛想良くしたら、猫も好きになれるのによ。ほら、モフミ、お手」
「お手、ってワンちゃんじゃないのに……」
いきなりソウヤから差し出された手を、不愉快そうに見つめるモフミ。
すると、何を思ったのか、モフミはその手に向かって牙を向けるや否や、目にも留まらぬ速さで飛びかかった。
「なっ!? 痛っでえェッッッッッ!!!」
「ちょっと、ソウくん!? 大丈夫!?」
毛を逆立たせながらモフミは怒りのまま噛みつき続ける。
「おい! こういうとこだよ、モフミ! ってか、可愛くねぇとか言って悪かったって! だから、離してくれぇええええ!」
ソウヤ泣き叫びながら、手に絡みつくように噛みつき続けているモフミを必死に振りほどこうとしていた。
ただ、その姿がどこか可笑しくて、エレリアは思わず吹き出してしまった。
「おい、エレリア! 笑ってんじゃねぇぞ!」
エレリアも一回モフミから噛まれたことがあるから分かることなのだが、鋭い牙が肌に深く刺さる感覚は、本当に言葉にできない激痛だ。
だが、今回は全部ソウヤが悪い。モフミが怒るのも無理もないだろう。
そうやって、ほんの何気ないひとときを送っていた時だった。
「……あっ!!」
エレリアがふいに眺めた遠くの人混みの中に、昨日助けてくれた例の魔法使いの少女らしき人物が見えた気がしたのだ。
あの特徴的な若草色のカールがかった髪。横顔しか捉えることができなかったが、恐らく間違いないだろう。
すかさずエレリアは、彼女を見かけたことについてミサたちに伝えた。
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