孤児院で育った俺、ある日目覚めたスキル、万物を見通す目と共に最強へと成りあがる

シア07

文字の大きさ
上 下
23 / 37

第22話 レベルが上がった!

しおりを挟む
 今日は気分がいい。町中を歩きながら思う。
 なにせお金が手に入った!

 俺たちが合計で倒したゴブリンは合計して12体。報酬は3体にコーン硬貨1枚なのでコーン硬貨4枚だ。ボーナスとして30体までいけばさらに追加でコーン硬貨10枚と書いてあったが多分これは嘘だろう。

 あの洞窟にはそこまでのゴブリンはいなかった……と思う。
 いたらなにかしらの気配とか音とかでわかる気がする。
 つまり、ボーナスってのは最初から俺たちのような奴を釣るためのものだったのだろう。だからあの時レインさんはちょっと困った顔していたらしい。

 ……これに関しては文句いってもいいよね!? そうだよね!
 俺悪くないし。圧倒的に誰が見ても酷いし! なんなら依頼者のところまで直談判していってもいいんだよ!
 
「はぁ……まあ、文句なんか言えないんだけどね。仮にもお金貰ってる立場だし。他の奴に比べたら美味しい話だったし……」

 他のクエストはもっと酷かった。それを考慮したら許してやらんでもない。
 ってなんでこんなに上から目線なんですかね、今日の俺!?

「しかも……お金を稼ぐのにこんなに疲れるとは思わなかったな……俺の計算だったらもう爺さんとかのところにお金を持っていって孤児院作り直すところだったのにさ」

 考えが甘すぎたんだ。あの時は相当自分に自信があったし、なんでもできるって思ってたからな。ここに来て全部ぶっ壊れたけど。

「ミクはまだ寝てたからおいてきてよかったのかな。後で私も行きたかったんだけど!? とか怒鳴られそうだ……ああヤダヤダ。それは帰ってから考えよう。バレない可能性もある。見て、すぐに帰ればいいのだ」

 いまは日の出直後で少し明るいくらいだ。ミクはまだ寝ていたが、起きたら我慢できなくなりいつの間にか出発していた。

「……そんなこと考えてないで、さっさと行くか。早くステータスがどうなってるか見てみたい。レベル上がってるといいなぁ……。」

 ギルドに向かった理由はレベルだ。もっといえばステータスだな。
 ステータスがかかれたサーティーをギルドに人に渡して、ある機械に通すとレベルが上がったり、ステータスが確認できるようになるらしい。
 
 クエストが終わったらやるものだとミクから聞いた。
 昨日から気になっていたが、見れなかったのでどうなったか知りたかったのだ。

 そんなこんなでギルドについた。扉をあけ、中に入る。
 あまり人がいない。朝だからだろうか。どうせ、ここにいる連中だ。昼まで寝てから仕事に行くんだろう。
 ラグナロクとかと二人きりとかにはならなくてよかった。気まずさは半端ない。
 それだったらすぐに逃げる気がする。
 
 すると、奥の受付の方から声をかけられる。

「あ、ファクト君じゃん。おはよ~。朝、早いね~。どうかしたの~?」

「……レインさんか。おはようございます。ちょっと見せてもらいたいものがありまして……」

「なになに?」

「ステータスですよステータス!」

「ああ、初心者の冒険者にありがちな奴ね。気になって早く来ちゃったってことか~。かわいいね~」

 ニヤニヤとしながら俺を見て来る。

「ちょっと心の中を読まないでくださいよ。実際その通りですけど。……お願いします」

 レインさんに渡す。
 すぐに受け取って手慣れた手つきで機械を通した。
 これがミクの言ってた機械か。変な機械だ。サーティーを入れる穴があって、それに入れるといいらしい。

「……ん、終わったみたいだね~。じゃ、早速見てみよっか」

「はい」

 意外と早く終わったらしい。大丈夫なんだろうか。

「あ、あとあんまり期待しない方がいいよ。昔から君みたいな冒険者はいたしたくさん見て来たけどあんまりいい顔はしなかったし。私もその一人だよ。最初のころはどんなのかな! って期待してたけどだんだんやっているうちにそういうのが消えていくから」

「はぁ……」

 よくわからないけど相槌は打っておこう。
 
「……ってことでどうぞ」

 返される。
 俺はその中身を見た。

「な、な、なんだこれ……!?」

 
 名前:ファクト

 ステータス

 レベル:2
 HP:102
 攻撃力:104
 防御力:102
 回復力:11
 魔力:110
 魔法力:104
 素早さ:103

「ぜ、全然上がってない!?」

「だから期待しないでっていったじゃん。最初なんかそんなものなんだって。ちなみにもちろんだけど位も上がってないよ。まだまだって感じだね。なんか大きなことでもしない限り君にはまだ早いよ~」

 あはは、と笑いながら言われた。
 酷い。それにしても酷い。ミクになんか及びそうにない。
 レベルは1しか上がらないし。ステータスは10ぐらい増えるかと思ったけど、それは魔力だけだった。他は平均2~3くらいだろう。
 
「……このステータスってことはファクト君、洞窟で魔法とか使ったりした? 練習もしたからそれもあると思うけど」

「はい、まあ多少」

「ファクト君にはお得情報を上げよう! 実はね、ステータスってのはやったらやった分伸びやすいんだよ。例えば、魔法。魔法を使ったら魔力が伸びやすい。魔法の強さにこだわれば魔法力が伸びやすいんだ~。ってそんな感じでやるといいと思うよ。自分の思うステータスにしたいならね!」

「なるほど……自分の思うステータスですか……」

 そういえば、少ないとか言ってるけど俺の理想のステータスってどれくらいだろう。
 やっぱ、最強って感じがするくらいかな。
 それくらいなら満足しそうな気がする。……何年、何十年かかるのやら。

「レインさんアドバイスありがとうございます。頑張ってみます! とりあえず魔法を鍛えるって感じで!」

「うん、頑張れ~。きっと頑張れば強くなれるよ」

 そういい終わり、俺はギルドを出た。
 やっぱりいい人だ。色々教えてくれる。
 流石はギルド長だな。頼りしてますよっと。

「とりあえず、一旦戻ってミクに言ってから魔法の練習にでも行くか。ステータスを上げるにはそれに対応してやることが大事って言ってたし。練習はこれから欠かさないことにしよう。そうしよう」

 でもお金はどうしよう。

「まあ……明日稼ぐってことでいっか」

 その日、俺は一旦帰り、あの場所に行って、魔法の練習をしたのだった。
 いい練習になった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【祝・追放100回記念】自分を追放した奴らのスキルを全部使えるようになりました! ~いざなわれし魔の手~

高見南純平
ファンタジー
最弱ヒーラーの主人公は、ついに冒険者パーティーを100回も追放されてしまう。しかし、そこで条件を満たしたことによって新スキルが覚醒!そのスキル内容は【今まで追放してきた冒険者のスキルを使えるようになる】というとんでもスキルだった! 主人公は、他人のスキルを組み合わせて超万能最強冒険者へと成り上がっていく! ~いざなわれし魔の手~ かつての仲間を探しに旅をしているララク。そこで天使の村を訪れたのだが、そこには村の面影はなくさら地があるだけだった。消滅したあるはずの村。その謎を追っていくララクの前に、恐るべき魔の手が迫るのだった。

巻き込まれて気づけば異世界 ~その配達員器用貧乏にて~

細波
ファンタジー
(3月27日変更) 仕事中に異世界転移へ巻き込まれたオッサン。神様からチートもらってやりたいように生きる… と思ってたけど、人から頼まれる。神から頼まれる。自分から首をつっこむ! 「前の世界より黒くないし、社畜感無いから余裕っすね」 周りの人も神も黒い! 「人なんてそんなもんでしょ? 俺だって黒い方だと思うし」 そんな元オッサンは今日も行く!

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~

はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。 俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。 ある日の昼休み……高校で事は起こった。 俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。 しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。 ……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

処理中です...