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第5話 本気の戦い
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どんどんと先まで走って行く。
まだその時じゃない。使う時じゃない。もう少し待って、準備を整えてから使おう。そうするのが得策だ。
「……ミクたちはそろそろここから離れたかな……」
ちょっとだけ心配になってきた。
ちゃんと逃げからてたらいいんだけど……まあそれは後ででいいか。
「……爺さん。俺が合図したらさっきの魔法を使ってくれ!」
「ああ、わかった。よくわからんが、ファクトには作戦があるのじゃな。……信じよう。どうせ、いまのわしじゃなにもできんしな」
「おう! 思う存分信じてくれ!」
右手で親指を立てて、goodを作る。
「お!?」
すると片手だけで爺さんの体重を抑えることになり、転びそうになる。
うん……ふざけるのは止めよう。
こんなところで転んだらすべてが終わるわ!
「ってことで後は頼んだぞ……それまではちょっとゆったりさせてもらおう」
そう言ってぐったりと倒れる。
大丈夫。まだ意識はあるようだ。疲れているみたい。
「……頑張って行くぞ!」
後ろを振り向けば、グータンが近づいて来ている。
どんどんと距離は狭くなっていく。だが、まだ捕まるくらいの距離ではない。
「まだだ。もっと……!」
もっと引き付けなければいけない。
そうしないと……多分失敗する。
俺だって、本で見ただけだ。成功するかどうかもわからない。だったら、確率が上がるようにするしかない。
これは一種の賭けだ。ミスったら俺と爺さんもろとも死ぬ。
だから絶対に成功させるしかない。
もっと近づけなきゃ。……このまま足を止めれば、すぐに追いついてくると思うが、タイミングが取れないだろう。
ギリギリのところまで、走って近づけないと……そして……
「おい! こっちだぞ!」
大声を出して、グータンをおびき寄せる。
グータンのおたけびが聞こえて来た。
ふう……怖い!
ちょっと驚いちゃったじゃないか!
馬鹿にしやがって!
そんなことを考えているとどんどん差が縮まり、ちょっとづづグータンが近づいてきた。
よし、これくらい近ければなら……行ける気がする。
……やるしかない!
「爺さん! いまだ! 詠唱を唱え始めてくれ!」
「……今なのじゃな! わかった! 我が清廉なる紅蓮の炎。壮大なる青き炎よ……」
爺さんに声をかけ、魔法の詠唱を始めさせる。
俺もその間に準備を始める。準備といってもたった一つのことだけなんだけどな。
「まずは……小麦粉を出して……それを空中にばらまく!」
近づいたのはこのためだ。グータンがいる全域くらいまで小麦粉をばらまく。
粉が宙を舞い、広がっている。
「後は……爺さん頼む。魔法を打ってくれ!」
「この大地を破壊し、敵を駆逐すべく、我がこの手に莫大なる力を! フレイムバースト!」
詠唱を唱え終わった爺さんの魔法が発射する。さっきと同じくらい強い魔法だ。
これはいける。行けるぞ!
その瞬間。
「吹っ飛ばせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええ!」
とてつもない爆音とともにその場一帯が爆発した。
その爆風に俺と爺さんも吹っ飛ばされる。ゴロゴロと
「ぐふぅ!?」
「い、痛い!」
地面と激突した。
幸い俺は爺さんが俺のクッションのような感じになり助かった。
あんまり痛くない。
すぐに爺さんから立ち上がると、絶叫が聞こえた気がしたが気にせず、爆発があったほうを見た。
まだ黒煙があって、なにがあったのか見えない。ごくりと唾を飲む。
……頼むやられててくれ!
これ以上の策はないんだ……頼む!
祈るように見ていると黒煙が消えていき中には……グータンがすべて倒れている姿があった。
「よ、よかったぁぁ……なんとかなったみたいだな」
そのまま崩れるように倒れた。
おっとなんか当たって……
「い、痛い! おいふざけるんじゃないぞ!」
思いっきり足を踏んでしまったみたいだ。
「ちょ、もうちょっと老人をいたわる気持ちとかはないのか!」
「ごめんごめん。わざとじゃないって! それにこんな爆発なんだし助かっただけよかったでしょ?」
「全然助かってないわ! あ、足がマジで痛いんじゃ! しかもその上に載ってくるとか鬼畜過ぎるわ!」
痛そうに足をさする。ごめん。ホントごめん。
「……まあよい。それよりも……さっきの爆発はなんじゃ!? わしの魔法だけならあんなに広範囲の爆発なんて起きないじゃろう。なにが起こったんじゃ?」
「ああそれならちょっとしたカラクリっていうか科学だよ」
「科学じゃと?」
「……粉塵爆発って聞いたことあるか?」
「……知らんというか聞いたこともない」
本当に知らなそうにつぶやく。
やれやれ、説明してやるか。
「さっき俺が投げた粉あるだろ?」
「小麦粉じゃろう。袋も一緒に見えたからわかったわい」
「そうだ。あんな感じの小さくて表面積が広いものは広がって爆発しやすいんだ。つまり爺さんの魔法が小麦粉に引火してそれが広がって爆発が起きたってことだよ」
「なるほど……それが粉塵爆発というのか」
「まあ俺も本で読んだことしかないぶっつけ本番だったけどなんとかなってよかったぜ。これでみんな助かったな。早くミクのところに戻ろうか」
「そうじゃな……ってあ!?」
「ん? どうしたんだよ。驚いた顔して。さてはおしっこでも漏らしたのか?」
「そ、そんなことこの年にもなってするかい! そうじゃなくてそうじゃなくてじゃな……」
なんだろう。
焦りがみえる。なにかあったのだろうか。
気になる……
「なんなんだよ。焦らすなよ。教えてくれよ」
「だ・か・ら。後ろじゃ後ろ!」
俺の後ろの方を指さす。
「なんだっていうんだよもう……」
後ろをゆっくりと振り向く。
「げ…………」
言葉が出ない。だって……
「孤児院が燃えてる!?」
メラメラと炎が上がっている。
やべ。やっちまった。
粉塵爆発の爆風が当たっちまったんだ。
……やばい。これどうしよう。
最悪だ。せっかく……せっかく、魔獣の件は解決できたっていうのに……どうして……どうして……
「なんでなんだよぉぉぉぉぉぉ」
俺は一人そこで泣き叫ぶのだった。
まだその時じゃない。使う時じゃない。もう少し待って、準備を整えてから使おう。そうするのが得策だ。
「……ミクたちはそろそろここから離れたかな……」
ちょっとだけ心配になってきた。
ちゃんと逃げからてたらいいんだけど……まあそれは後ででいいか。
「……爺さん。俺が合図したらさっきの魔法を使ってくれ!」
「ああ、わかった。よくわからんが、ファクトには作戦があるのじゃな。……信じよう。どうせ、いまのわしじゃなにもできんしな」
「おう! 思う存分信じてくれ!」
右手で親指を立てて、goodを作る。
「お!?」
すると片手だけで爺さんの体重を抑えることになり、転びそうになる。
うん……ふざけるのは止めよう。
こんなところで転んだらすべてが終わるわ!
「ってことで後は頼んだぞ……それまではちょっとゆったりさせてもらおう」
そう言ってぐったりと倒れる。
大丈夫。まだ意識はあるようだ。疲れているみたい。
「……頑張って行くぞ!」
後ろを振り向けば、グータンが近づいて来ている。
どんどんと距離は狭くなっていく。だが、まだ捕まるくらいの距離ではない。
「まだだ。もっと……!」
もっと引き付けなければいけない。
そうしないと……多分失敗する。
俺だって、本で見ただけだ。成功するかどうかもわからない。だったら、確率が上がるようにするしかない。
これは一種の賭けだ。ミスったら俺と爺さんもろとも死ぬ。
だから絶対に成功させるしかない。
もっと近づけなきゃ。……このまま足を止めれば、すぐに追いついてくると思うが、タイミングが取れないだろう。
ギリギリのところまで、走って近づけないと……そして……
「おい! こっちだぞ!」
大声を出して、グータンをおびき寄せる。
グータンのおたけびが聞こえて来た。
ふう……怖い!
ちょっと驚いちゃったじゃないか!
馬鹿にしやがって!
そんなことを考えているとどんどん差が縮まり、ちょっとづづグータンが近づいてきた。
よし、これくらい近ければなら……行ける気がする。
……やるしかない!
「爺さん! いまだ! 詠唱を唱え始めてくれ!」
「……今なのじゃな! わかった! 我が清廉なる紅蓮の炎。壮大なる青き炎よ……」
爺さんに声をかけ、魔法の詠唱を始めさせる。
俺もその間に準備を始める。準備といってもたった一つのことだけなんだけどな。
「まずは……小麦粉を出して……それを空中にばらまく!」
近づいたのはこのためだ。グータンがいる全域くらいまで小麦粉をばらまく。
粉が宙を舞い、広がっている。
「後は……爺さん頼む。魔法を打ってくれ!」
「この大地を破壊し、敵を駆逐すべく、我がこの手に莫大なる力を! フレイムバースト!」
詠唱を唱え終わった爺さんの魔法が発射する。さっきと同じくらい強い魔法だ。
これはいける。行けるぞ!
その瞬間。
「吹っ飛ばせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええ!」
とてつもない爆音とともにその場一帯が爆発した。
その爆風に俺と爺さんも吹っ飛ばされる。ゴロゴロと
「ぐふぅ!?」
「い、痛い!」
地面と激突した。
幸い俺は爺さんが俺のクッションのような感じになり助かった。
あんまり痛くない。
すぐに爺さんから立ち上がると、絶叫が聞こえた気がしたが気にせず、爆発があったほうを見た。
まだ黒煙があって、なにがあったのか見えない。ごくりと唾を飲む。
……頼むやられててくれ!
これ以上の策はないんだ……頼む!
祈るように見ていると黒煙が消えていき中には……グータンがすべて倒れている姿があった。
「よ、よかったぁぁ……なんとかなったみたいだな」
そのまま崩れるように倒れた。
おっとなんか当たって……
「い、痛い! おいふざけるんじゃないぞ!」
思いっきり足を踏んでしまったみたいだ。
「ちょ、もうちょっと老人をいたわる気持ちとかはないのか!」
「ごめんごめん。わざとじゃないって! それにこんな爆発なんだし助かっただけよかったでしょ?」
「全然助かってないわ! あ、足がマジで痛いんじゃ! しかもその上に載ってくるとか鬼畜過ぎるわ!」
痛そうに足をさする。ごめん。ホントごめん。
「……まあよい。それよりも……さっきの爆発はなんじゃ!? わしの魔法だけならあんなに広範囲の爆発なんて起きないじゃろう。なにが起こったんじゃ?」
「ああそれならちょっとしたカラクリっていうか科学だよ」
「科学じゃと?」
「……粉塵爆発って聞いたことあるか?」
「……知らんというか聞いたこともない」
本当に知らなそうにつぶやく。
やれやれ、説明してやるか。
「さっき俺が投げた粉あるだろ?」
「小麦粉じゃろう。袋も一緒に見えたからわかったわい」
「そうだ。あんな感じの小さくて表面積が広いものは広がって爆発しやすいんだ。つまり爺さんの魔法が小麦粉に引火してそれが広がって爆発が起きたってことだよ」
「なるほど……それが粉塵爆発というのか」
「まあ俺も本で読んだことしかないぶっつけ本番だったけどなんとかなってよかったぜ。これでみんな助かったな。早くミクのところに戻ろうか」
「そうじゃな……ってあ!?」
「ん? どうしたんだよ。驚いた顔して。さてはおしっこでも漏らしたのか?」
「そ、そんなことこの年にもなってするかい! そうじゃなくてそうじゃなくてじゃな……」
なんだろう。
焦りがみえる。なにかあったのだろうか。
気になる……
「なんなんだよ。焦らすなよ。教えてくれよ」
「だ・か・ら。後ろじゃ後ろ!」
俺の後ろの方を指さす。
「なんだっていうんだよもう……」
後ろをゆっくりと振り向く。
「げ…………」
言葉が出ない。だって……
「孤児院が燃えてる!?」
メラメラと炎が上がっている。
やべ。やっちまった。
粉塵爆発の爆風が当たっちまったんだ。
……やばい。これどうしよう。
最悪だ。せっかく……せっかく、魔獣の件は解決できたっていうのに……どうして……どうして……
「なんでなんだよぉぉぉぉぉぉ」
俺は一人そこで泣き叫ぶのだった。
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