目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。

桐山じゃろ

文字の大きさ
上 下
85 / 103
第四章

10 対決、決着

しおりを挟む
 不東は剣を止められて、片眉を上げた。
「なんだ、ちょっとはやれるようになったか」
 相変わらずの上から目線だ。
 更に力を込めて両手で剣を押しているが、僕は片手で握った剣に軽く力を入れるだけでよかった。

 不東に[鑑定]スキルを使うと、レベルが99に達しているのが見えた。
 あと「莫人」っていう種族になってた。
 なんだこれ。



[莫人]
 卑劣な手段で経験値を稼いだ愚か者。レベルが最高値の99に達した後、徐々に弱くなる。



「なんだこれ」
 思わず口から出た。
「はぁ?……力は強くなったなっ!」
 動かない僕に焦れたのか、剣を弾こうとしてそれすらできないことにようやく気づかれた。
「不東、お前の種族の『莫人』だけど……」
 不東は[鑑定]を持っていない。教えてやろうとしたが、再び剣を振り上げて迫ってきた。
「話、聞けって」
 再び剣で受けて、今度は僕から弾いた。蹌踉めいた不東の手を突いて剣を取り落とさせ、うつ伏せで倒れた背中を左足で踏みつけた。
「うぐっ!? な、なんで横伏なんかにっ」
「お前の種族、やばいぞ」
 鑑定結果を伝えてやると、足元の不東は見る見る青ざめた。
「徐々に、弱くなる……?」

 僕を囮にしたり、ジストを何度も殺したり、城の兵士やこの屋敷の住人を手に掛けたり。
 本人でない僕にも、思い当たるフシはいくつもある。
 この世界のレベリングは、そんなに甘くなかったというわけだ。

 足を一旦上げて、起き上がろうとしたところを蹴りつけた。
「あがっ!」
「立て」
 声に魔力を込める。不東は不自然な動きで起き上がり、両足で立った。脇腹を手で押さえている。
「う、うう、くそ」
 不東が呻いている間に落ちていた剣を蹴り上げて柄を手に取り、不東に投げ渡した。

「お前らに捨てられてから、僕は弓使いになった」
 突然の自分語りを、無理やり聞いてもらう。
「だけど今ここで弓を使うつもりはない。お前の得意な剣で相手してやるよ。本気でかかってこい」
 不本意だが、治癒魔法を使ってやった。
 完璧に心を折るために、完璧な状態で倒してやるのだ。

 魔力による静止を解除した後、剣を緩く構える。
 傷の治った不東は、笑いだした。
「ハハハハハ! 莫人の話は嘘だろう! オレが弱くなるわけがない! 今だって傷がすぐに」
「僕が治癒魔法使ったんだよ」
 どうやったら勘違いできるんだ。
「お前が魔法使えるわけないだろう!」
 あ、そっか。不東は僕が魔法使えない時期しか知らないのか。
 ……いやいや、だとしても自力で傷が癒せないのに、莫人だから治ったって思考はおめでた過ぎるでしょう。

 無策で突っ込んできた不東の剣を、軽くいなす。
 不東の剣は高価そうな絨毯を切り裂き、床に刺さった。
 が、すぐに引っこ抜いて、今度は横薙ぎに払ってくる。
 剣の腹を腕で支えて止めて、あっさり押し返した。
 レベルとスキルに頼った強さしか持たない不東は、体幹が鍛えられておらず、足腰が弱い。簡単に身体がぐらつく。

 それにしたって弱すぎる。
 イネアルさんの助言に従い、冒険者ギルドで何人かをこっそり[鑑定]で見たことがある。
 [能力補正]や[魔力]系を持っている人は稀で、ランクB以上に数人いた程度だ。
 スキルがあるからランクBになったのではなく、ランクBへ至るまでに努力を重ねた人が持っていたように思う。

 不東の剣を軽くさばきながら、[全能力補正]と[達人]を鑑定してみた。



[全能力補正]
 異世界から召喚された者のみが持つことができる。基礎身体能力が著しく貧弱なため、それを補う。

[達人]
 異世界から召喚された者のみが持つことができる。基礎運動能力が著しく貧弱なため、それを補う。



 ええ……。



「なあ不東……」
 こいつだけは赦してはいけない。優しさを向ける価値はない。解っていても、これは本人に伝えるべきだろう。
「くそっ、くそっ、どうして当たらない!? どうして殺せない!」
 不東は必死で、聞く耳は持たないようだ。
 やっぱり教えなくてもいいか。

 不東の剣を再び弾き飛ばし、柄で頭を殴ってその場に倒した。
「うげっ」
 腹を踏んで、ゆっくり力を込める。
「ぐ、ぐるじい! や、やめ……」
 不東の唇の端から、血の混じった泡が溢れてくる。
 何人も殺してきたくせに、自分自身の苦痛は嫌がるんだな。
「たす、けろ、アジャイル!」
 アジャイルはタイヴェが相手している。不東も気配を追えていたはずだが、それすらできなくなったのだろうか。
「やめ……オレ、が……こん……」
 喉に何か詰まったのか、呼吸音が細くなってきた。
 足をどけてやり、また治癒魔法。
「……はっ?」
 今度は自力じゃないと自覚したようだ。

 最初にいた部屋から、僕たちのいる廊下へ何かが飛び出してきた。
「ごめん、止めきれなかった!」
 少年の声が僕の脳内に直接こだまする。
 見えない気配は僕と不東の前に割り込み、見えないが明らかに僕を睨みつけてきた。
「こやつは妾のもの。お主にはやらぬ!」
 なにかされる前にと展開した防御結界が奏功し、屋敷の家具や壁がバキバキと音を立てて壊れ、砕けて辺りに散らかったが、僕は無傷だ。

「僕はもう限界だ。手を出してしまったからね」
 タイヴェと名乗った少年の声が、小さくなっていく。
「でもだいぶ削った。悪いけど、あとは任せる」
 タイヴェは何かをやりきったように満足げだ。

「ありがとう、ヨイチ。君のお陰で、僕は望む形になれそうだ」

 その言葉を最後に、タイヴェの気配は完全に消え失せてしまった。

「ふん。先に逝きよったか。身勝手なガキじゃ」

 顔も知らない少年だったが、僕が目の前に姿を現した老婆へ憎悪を向けるのには十分だ。


「僕はお前の始末をつけてくれと、エルドに頼まれている」
 不東とやりあっている最中は完全に抑えていた魔力を解き放つ。
「ひっ!?」
 魔力に怯えたのか、僕が全力じゃなかったことに気付いたのか、不東が怯えて後退った。
「むぅ、これは魔力そのものか? なんという……」
 アジャイルは怯えではなく、純粋な好奇心で僕に問いかけてくる。恍惚とした表情で、魔力を隅から隅まで見られている感覚が気色悪い。
 エルドの話の通りだ。
 アジャイルが気を取られている間に、魔力の檻でアジャイルを捕らえ、閉じ込めた。
「しまった!」
「エルド!」
 エルドから貰った石に話しかけると、すぐにエルドが音もなく現れた。
「よくやってくれた、ヨイチ。あとは任せてくれ」
「ディヘイエルド、貴様の差し金じゃったか」
 アジャイルは檻から出ようと、魔法をぶつけている。勿論そのくらいで壊れるような檻じゃない。

 僕は先日、エルドに「アジャイルを滅してくれ」と頼まれた。
 しかし、「できることなら生きたまま俺に引き渡してほしい」とも付け加えられた。
 このまま檻を狭めて潰せば、アジャイルを滅することもできる。

 僕は、エルドに引き渡す方を選んだ。

 魔力の所有権をエルドに引き渡すと、エルドはその檻を極限まで狭めた。
「い、いいのか!? 妾を潰せばそこの人間の命も……」
「構わないよ。どうせここで終わらせるつもりだから」
「なんじゃと!?」
 驚かれた。今までのやりとりで、僕と不東が仲間じゃないことくらい分かるだろうに。
 それとも僕が、目の前の命は例え敵であっても救いそうな人間にでも見えたのかな。

 不東は敵じゃない。
 害悪だ。
 人殺しに関する罪が比較的ぬるいこの世界の法にかけても、死刑は免れないだろう。
 ただ死なせるだけでは不東の手にかかった人たちが浮かばれないほどのことをしてきている。

「この礼は後日必ず」
「気にしなくていいよ」
「俺の気が済まん。では、またな」
 エルドが、まだなにか喚いているアジャイルと共に消え去ると、不東がその場に仰向けに倒れて動かなくなった。
 アジャイルと何らかのやりとりをして、力を貰っていたのだろう。それが急になくなり、今は立つことも出来ない様子だ。
「不東」
 すぐ横に立ち、声をかけてみる。全く反応はないが、生きている。
 だが、ちゃんと自分の身に何が起きるのか、知ってもらわないと困る。

 何度目かの治癒魔法を不東に使い、ついでに足りなさすぎる魔力も補ってやった。

「……ん? なんだこりゃ、動けねぇ」
 土魔法で生やした蔦で、身体の自由は奪ってある。
「今からお前の魔力の流れを壊す。二度と治らない。その体で、死ぬまで生きろ」
 以前、『亜院』にやったものと同じやつだ。今度は徹底的に、慈悲なく、誰にも治せないほど壊す。

 僕の言葉を徐々に理解した不東の顔色が、青を通り越して土気色になっていく。
「な、なあ横伏、ヨコっち、仲間だったじゃん? ちょっといじめたのは悪かったよ、謝るからさ、な?」
 [魔眼]を発動させて、不東の体内魔力の流れを視る。
 最強だと思っていたスキルが只の底上げ用で、弱体化する種族になってしまった奴だ。魔力量は今まで視てきた誰よりも少なく、弱い。
 直接触れたくないから、剣の切っ先を心臓のあたりに近づける。不東は「ヒッ!」と空気を飲むような悲鳴を上げた。
 剣伝いに僕の魔力を不東に通し、魔力の流れを引き出す。

「!? 痛、痛ってえええええ!!」
 声が大きい。ずっと後ろで控えていたヒイロに、不東の顔の周りに遮音の結界を頼んだ。
 僕の方は続けて、魔力の流れを掻き出し、端から乱暴に引き千切った。
 不東の顔面はぐちゃぐちゃで、顎が外れるのではと心配になるくらい大口を上げて叫んでいる。何も聞こえないが。

 亜院のときは、これをやった後寝込んだっけな。今回は魔力全てを完璧に断ち切ろうとしているわけだから、僕の方も少々疲れてきた。
「主様、失礼します」
 人質の避難と後処理を終えたモモが、僕の横に転移魔法で現れた。
 僕を見るなり、肩に手を置いて魔力を分けてくれた。
「助かる。でも、もう大丈夫」
 前回に比べて大変だとはいえ、今の僕は魔力量も大幅に増えている。
 モモの魔力も加わったお陰で、この後倒れることもないだろう。


 最後に一番太い魔力の流れをぶちん、と引きちぎると、不東は白目を剥いて意識を失った。
しおりを挟む
感想 34

あなたにおすすめの小説

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。 そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。 その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する! 底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる! 第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!

石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。 応援本当に有難うございました。 イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。 書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」 から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。 書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。 WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。 この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。 本当にありがとうございました。 【以下あらすじ】 パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった... ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから... 第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。 何と!『現在3巻まで書籍化されています』 そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。 応援、本当にありがとうございました!

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

処理中です...