ファンタジーな世界でエロいことする

もずく

文字の大きさ
上 下
16 / 17
変わった生活

挿入される

しおりを挟む
 通路を数回曲がり、行き止まりまでくると、俺の腕試しが始まる。

「僕が向こうから来るモンスターは全部倒すから、コルネくんはそのオルトロス一体に集中して」

 俺はオルトロスは行き止まりの部分にいて、通路の方からやってくるモンスターを師匠が防ぐようなかたちだ。

 次々と他のモンスターを倒していたのを見ていたせいか師匠には目もくれず、ウウウと唸りながら離れて俺だけを睨みつけるオルトロス。

 オルトロスは今回の旅で倒してはいるが、ダンジョンのモンスターはAランク以上がごろごろいるというからそれよりも強い可能性が高い。何より、実際と同じ強さなら俺の腕試しの相手として師匠が選ぶわけがない。

相手の実力が分からない以上、こちらからは下手に動けない──そう思って様子を見ていると、痺れを切らしたのかオルトロスがこちらへ一直線に向かってくる。

 ──速い。ターニュで見たものとは比べものにならないスピードでオルトロスが迫ってくる。俺から突っ込んでいかなくて正解だったが、ここからどうするべきか……すぐに思いついたのは二つ。

 一つはこちらからも向かっていき、斬りつける。お互いに加速している状態のため、俺の剣の殺傷力は跳ね上がる。しかし、それは向こうの攻撃の威力も増すということであるのtお、お互いに勢いをつけすぎているせいで剣への負担が大きい。よほど真っ直ぐ刃を入れないと剣が折れてしまう危険がある。

 そうなると二つ目だな。俺は集中してオルトロスの動きを目で追う。今も少しずつ加速していっているオルトロスが次の瞬間どこにいるかを推測していく。

「ここだ!」

 俺は素早く土魔法でダンジョンの床を盛り上げ、土壁をつくる。ボコボコと盛り上がってくる地面にすぐに気付いたオルトロスの顔には驚きが浮かぶが、勢いがつきすぎていて急には停まれない。

「キャウ──」

 目を逸らすように頭を横に向けながらひと鳴きをしようとしたところで、オルトロスは俺の出した土壁に激突する。大きな音とともに頸椎がボキリと折れ、オルトロスの首が本来曲がらない方向に曲がる。

 もともとダンジョンの床や壁は異常に硬い。それに勢いよくぶつかれば多少はダメージが入るかと思ったが、予想よりも衝撃が大きかったようだ。

 直後、そのむくろはサラサラとなって消えていき魔力結晶となる。首の骨が折れて即死だったのだろう。

 そして残った魔力結晶はかなりの大きさだ。記憶が正しければラムハのダンジョンの奥で採れたものよりも大きい気がする。

「早かったね。意外と楽勝だった?」
「そんなことはないですね。オルトロスが突っ込んできてくれたおかげですよ」

 のんきに自分が倒したモンスターの魔力結晶を袋に入れながら師匠が訊いてくる。 からんと袋の中で魔力結晶がぶつかり合う音を聞いて顔が緩んだ師匠に、俺はずっと気になっていたことを訊ねる。

「……全部の袋がいっぱいになるまでこの腕試しは続くんですか?」
「いや、コルネくんが続けたいならそうすればいいし、満足したならやめればいいよ。僕は魔力結晶ほしいからたくさん狩るけど」

 俺が一人で大量のモンスターを倒さなくていいと知って一安心だ。

「持ってきた袋全部がいっぱいいっぱいになるまで倒すんですか?」
「え……さすがにそこまではしないよ──あれは予備。袋が破れたりなくなったりしたときのために一応持ってるんだ」

 笑って答える師匠。たしかにモンスターの攻撃や魔力結晶の重みで袋が破れることはあり得る。よく忘れ物はしそうになるのに、そういうところだけ用意周到なんだ──と心の裡で思った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生×召喚

135
BL
大加賀秋都は生徒会メンバーに断罪されている最中に生徒会メンバーたちと異世界召喚されてしまった。 周りは生徒会メンバーの愛し子を聖女だとはやし立てている。 これはオマケの子イベント?! 既に転生して自分の立ち位置をぼんやり把握していた秋都はその場から逃げて、悠々自適な農村ライフを送ることにした―…。 主人公総受けです、ご注意ください。

第二王子の僕は総受けってやつらしい

もずく
BL
ファンタジーな世界で第二王子が総受けな話。 ボーイズラブ BL 趣味詰め込みました。 苦手な方はブラウザバックでお願いします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

俺が総受けって何かの間違いですよね?

彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。 17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。 ここで俺は青春と愛情を感じてみたい! ひっそりと平和な日常を送ります。 待って!俺ってモブだよね…?? 女神様が言ってた話では… このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!? 俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!! 平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣) 女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね? モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

処理中です...