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俺は幼馴染に恋してる
俺の初恋
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よく、初恋は実らないっていわれる。
俺もその実らない内の1人で、俺の初恋は近所の幼馴染だ。
幼稚園のころの俺は童顔で色白、小さかった為、女の子と遊ぶことが多く、よく男子に弄られて泣かされていた。
「やーい女男~!」
「女男じゃないよ!男だよ!」
言い返しても、幼稚園生の頭じゃ悪いことと良いことの区別なんてつくわけもなく。
繰り返される毎日だった。
「うわ!女男こんなうさぎのぬいぐるみ持ってやがる!」
「返してよ!」
「取れるもんなら取ってみろ!」
「あっ!」
俺がうさぎのぬいぐるみを取り返そうとすると、その少年はあろうことか、川に投げ捨てた。
「うそ…。」
俺がポロポロと泣きだすとその少年は慌てたように目を泳がせたが…。
「お前が悪いんだからな!」
そう言って立ち去っていった。
何が悪かったのかは分からないけど投げ捨てなくたっていいだろう。
俺が泣きながら川に入ろうとするとそこに運命の相手が現れた。
「どうかしたのか?」
俺より一周り大きく見える少年が手を掴み問いかけてきた。
「僕のぬいぐるみ、川に投げられちゃったの…。」
「えっ!大変じゃん!」
驚いた少年は迷うこともなく、川に入りぬいぐるみを探してくれた。
しかし、遠くの方に投げられたのか、流されてしまったのかぬいぐるみは見つからず、夕方になってしまう。
「もういいよ!危ないよ!」
「絶対見つかるから…だから泣くな!」
「泣いてないよ!」
彼は見つかるまで探し続けるのか諦める気配がない。
「何してるんだ!」
遠くから声が聞こえ振り返ると交番のおじさんが自転車を押して近寄ってきた。
「ぬいぐるみを探してて…。」
俺が少年の方を見ながらそう答える。
するとおじさんは少年を見て目を見開いた。
「危ないから上がってきなさい!」
「…。」
「聞いてるのか!」
交番のおじさんが声をかけても無視して黙々と探している。
おじさんが川に入り少年の側に近寄ると首根っこを掴んで引きずった。
「あっ!」
「いいから!」
少年は引きずられて川から出てくる。
「ご、ごめんね、僕なんかの為に…。」
「全然いいよ!それにほら、見つかったよ!うさぎ!」
少年が渡してきたのは確かにびしょびしょだが、俺のぬいぐるみだった。
その時俺は恋に落ちたんだと思う。
その後交番でこってり怒られて、二人で笑いあったっけ。
俺はその少年と将来結婚するまで考えていた。
「りゅうとくん!僕と将来結婚しようね!」
「いいよ!さくらちゃんと結婚する!」
幼稚園生には男同士なんて壁はなく、俺が結婚したいといえば、龍都も了承してくれていた。
小学生ぐらいのときだったっけ、母親に男の子同士は結婚できないと現実を突きつけられたのは。
龍都も幼稚園生の頃の記憶なんて忘れたのか、クラスの友達に好きなタイプを聞かれて、
「花のように笑う女の子!」
なんて答えていた。
そう、これが俺の失恋の瞬間だ。
だけど俺は諦めきれず、龍都にどんな形でもいいからそばにいたい…と親友という形で側にいることにした。
俺にも咲良くんはどんな子が好きなのとクラスの女子が聞いてきたから当てつけのように、
「僕が好きなのは昔から一人だけだから。」
と、へらりと笑いながら答えるのだった。
俺もその実らない内の1人で、俺の初恋は近所の幼馴染だ。
幼稚園のころの俺は童顔で色白、小さかった為、女の子と遊ぶことが多く、よく男子に弄られて泣かされていた。
「やーい女男~!」
「女男じゃないよ!男だよ!」
言い返しても、幼稚園生の頭じゃ悪いことと良いことの区別なんてつくわけもなく。
繰り返される毎日だった。
「うわ!女男こんなうさぎのぬいぐるみ持ってやがる!」
「返してよ!」
「取れるもんなら取ってみろ!」
「あっ!」
俺がうさぎのぬいぐるみを取り返そうとすると、その少年はあろうことか、川に投げ捨てた。
「うそ…。」
俺がポロポロと泣きだすとその少年は慌てたように目を泳がせたが…。
「お前が悪いんだからな!」
そう言って立ち去っていった。
何が悪かったのかは分からないけど投げ捨てなくたっていいだろう。
俺が泣きながら川に入ろうとするとそこに運命の相手が現れた。
「どうかしたのか?」
俺より一周り大きく見える少年が手を掴み問いかけてきた。
「僕のぬいぐるみ、川に投げられちゃったの…。」
「えっ!大変じゃん!」
驚いた少年は迷うこともなく、川に入りぬいぐるみを探してくれた。
しかし、遠くの方に投げられたのか、流されてしまったのかぬいぐるみは見つからず、夕方になってしまう。
「もういいよ!危ないよ!」
「絶対見つかるから…だから泣くな!」
「泣いてないよ!」
彼は見つかるまで探し続けるのか諦める気配がない。
「何してるんだ!」
遠くから声が聞こえ振り返ると交番のおじさんが自転車を押して近寄ってきた。
「ぬいぐるみを探してて…。」
俺が少年の方を見ながらそう答える。
するとおじさんは少年を見て目を見開いた。
「危ないから上がってきなさい!」
「…。」
「聞いてるのか!」
交番のおじさんが声をかけても無視して黙々と探している。
おじさんが川に入り少年の側に近寄ると首根っこを掴んで引きずった。
「あっ!」
「いいから!」
少年は引きずられて川から出てくる。
「ご、ごめんね、僕なんかの為に…。」
「全然いいよ!それにほら、見つかったよ!うさぎ!」
少年が渡してきたのは確かにびしょびしょだが、俺のぬいぐるみだった。
その時俺は恋に落ちたんだと思う。
その後交番でこってり怒られて、二人で笑いあったっけ。
俺はその少年と将来結婚するまで考えていた。
「りゅうとくん!僕と将来結婚しようね!」
「いいよ!さくらちゃんと結婚する!」
幼稚園生には男同士なんて壁はなく、俺が結婚したいといえば、龍都も了承してくれていた。
小学生ぐらいのときだったっけ、母親に男の子同士は結婚できないと現実を突きつけられたのは。
龍都も幼稚園生の頃の記憶なんて忘れたのか、クラスの友達に好きなタイプを聞かれて、
「花のように笑う女の子!」
なんて答えていた。
そう、これが俺の失恋の瞬間だ。
だけど俺は諦めきれず、龍都にどんな形でもいいからそばにいたい…と親友という形で側にいることにした。
俺にも咲良くんはどんな子が好きなのとクラスの女子が聞いてきたから当てつけのように、
「僕が好きなのは昔から一人だけだから。」
と、へらりと笑いながら答えるのだった。
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