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「それじゃあ辰也くんの方から告白したのね。」
「はい…環ちゃんは、中等部の頃から俺の憧れで、つい目で追いかけてました。それで恥ずかしながら家のことでゴタゴタしていた時に側にいてくれて、気持ちが抑えきれず…」
僕の童貞を奪ったと。
照れながら馴れ初めを母に話している辰也さん。来るときガチガチに緊張していたのに、今や自然に話している。
人心掌握の上手い母さんに流石と言うしかない。
洗面所からリビングへ向かうと、既に用意されていた紅茶とケーキ。
辰也さんが甘いものが好きか聞いてきたのはこのためだったのかと思いつつ、椅子に座り食べていると、いつの間にか根掘り葉掘り聞かれていた。
「素敵ねぇ…この子ったら恋愛に興味ないと思っていたから、辰也くんが恋人になってくれて本当に嬉しいわ。」
によによしながら優雅に紅茶を飲む母。
確かに僕自身、人の恋路ばかり観察していたため、自分の恋愛を考えたことはなかった。
そりゃあ二次元みたいな恋をしたいと考えたこともあるが、何せ理想が高くなりすぎた。
その点、辰也さんはどタイプ。
時折見せる庇護欲そそる顔、攻めにだけ甘える小悪魔っぷり!ギャップ萌えが詰まった性格!
そして何より、顔がいい!!
少したれ目なところ、すらっとした鼻筋、意識してしまうと見えるエロい唇!
スタイルもいいのに顔もいい、頭も賢いとは、天は二物を与えずとは嘘だ!!
「環、全部顔に出てるわよ。ラブラブみたいね。」
感極まって、ティーカップを持っている手が震えていたらしい。机の上に少し溢してしまった紅茶を、辰也さんがサッとハンカチで拭いてくれた。
ハンカチ持ち歩いてるんですよこの人!!
すっごい育ちがいいの!
何であの家庭環境でこんないい子が育つのか全くわからないけど、もううちの子にして!
「あら辰也くん、ハンカチで拭いちゃったの?布巾持ってきたのに。」
「手近にあったので、つい。服には付いてないね、よかった。」
あーー!その笑顔100点!
安心と母性溢れる笑顔、バブみを感じる!
「ありがとうございます辰也さん。ハンカチすぐ洗いますね。」
紺色のお洒落なハンカチ、洗濯機で洗うより手洗いの方がいいか。長持ちしてほしいし。
ハンカチを受け取り、すぐさま洗濯室へと行きたかったが母に止められる。
「母さんがやっておくから、部屋にでも行ってなさい。そろそろ冷房も効いてきたでしょ。」
ははーん。これは所謂、あとは若い2人でってことか。
ちらりと辰也さんを窺うと、目をキラキラ輝かせて部屋の方に行きたいという心が透けて見える。
くぅ可愛い。心臓が痛い。
「辰也さん、僕の部屋行きます?」
あえて、あえて聞こう。もしかしたら違う可能性もあるから、確認は大事だ。
「行きたい!」
あーー浄化されるー。
「はい…環ちゃんは、中等部の頃から俺の憧れで、つい目で追いかけてました。それで恥ずかしながら家のことでゴタゴタしていた時に側にいてくれて、気持ちが抑えきれず…」
僕の童貞を奪ったと。
照れながら馴れ初めを母に話している辰也さん。来るときガチガチに緊張していたのに、今や自然に話している。
人心掌握の上手い母さんに流石と言うしかない。
洗面所からリビングへ向かうと、既に用意されていた紅茶とケーキ。
辰也さんが甘いものが好きか聞いてきたのはこのためだったのかと思いつつ、椅子に座り食べていると、いつの間にか根掘り葉掘り聞かれていた。
「素敵ねぇ…この子ったら恋愛に興味ないと思っていたから、辰也くんが恋人になってくれて本当に嬉しいわ。」
によによしながら優雅に紅茶を飲む母。
確かに僕自身、人の恋路ばかり観察していたため、自分の恋愛を考えたことはなかった。
そりゃあ二次元みたいな恋をしたいと考えたこともあるが、何せ理想が高くなりすぎた。
その点、辰也さんはどタイプ。
時折見せる庇護欲そそる顔、攻めにだけ甘える小悪魔っぷり!ギャップ萌えが詰まった性格!
そして何より、顔がいい!!
少したれ目なところ、すらっとした鼻筋、意識してしまうと見えるエロい唇!
スタイルもいいのに顔もいい、頭も賢いとは、天は二物を与えずとは嘘だ!!
「環、全部顔に出てるわよ。ラブラブみたいね。」
感極まって、ティーカップを持っている手が震えていたらしい。机の上に少し溢してしまった紅茶を、辰也さんがサッとハンカチで拭いてくれた。
ハンカチ持ち歩いてるんですよこの人!!
すっごい育ちがいいの!
何であの家庭環境でこんないい子が育つのか全くわからないけど、もううちの子にして!
「あら辰也くん、ハンカチで拭いちゃったの?布巾持ってきたのに。」
「手近にあったので、つい。服には付いてないね、よかった。」
あーー!その笑顔100点!
安心と母性溢れる笑顔、バブみを感じる!
「ありがとうございます辰也さん。ハンカチすぐ洗いますね。」
紺色のお洒落なハンカチ、洗濯機で洗うより手洗いの方がいいか。長持ちしてほしいし。
ハンカチを受け取り、すぐさま洗濯室へと行きたかったが母に止められる。
「母さんがやっておくから、部屋にでも行ってなさい。そろそろ冷房も効いてきたでしょ。」
ははーん。これは所謂、あとは若い2人でってことか。
ちらりと辰也さんを窺うと、目をキラキラ輝かせて部屋の方に行きたいという心が透けて見える。
くぅ可愛い。心臓が痛い。
「辰也さん、僕の部屋行きます?」
あえて、あえて聞こう。もしかしたら違う可能性もあるから、確認は大事だ。
「行きたい!」
あーー浄化されるー。
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