世話焼き風紀委員長は自分に無頓着

二藤ぽっきぃ

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71話:仲神嵐雪

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あーほんとに義兄ができそう。
しかも190超えの大男。

完璧御曹司の婚約者話を振ってみたけど驚きもしないし、寧ろ気にもとめてなかった。

それに引き換え、お泊りとかいって、終始べったりなのはおかしくないの?なんで兄さんそれを許してるの?
もしかして学園ではそんな感じだってこと?

「あーー!!もう!」

ヤってないって言うのはとりあえず信じる。
蜂須賀さんもとりあえず認める。

兄さん大好きなのは見てわかるけど、蜂須賀家の血を継いでるんだから。

じいちゃんに話を聞いて知った蜂須賀家の血。
昔から愛する人に依存し、それを相手にも強いる。そのためになら何でもする。文字通り何でも……
そうして出版業界、情報世界を渡ってきたって。

サイコパスじゃんって思ったけど、違うらしい。

ばあちゃんが言うには、蜂須賀家は臆病であるが故に愛を求めていると言った。
今の当主は政略結婚で長男と次男が産まれ、妻が病死。その後出会った女と愛を見つけたらしい。

それが蜂須賀流星の母。
留学のために来日していた金髪でそばかすの似合う彼女に惹かれた当主は子供を家政婦に任せて仕事の合間に彼女に会っていた。子持ちであることを隠し、付き合うことになった2人だが、既婚者子持ちがバレて、仲違いしたまま留学の期間が終わり引き裂かれる。

自国で妊娠が発覚した彼女は、そのまま1人で育てることを決意する。1日中働き、疲労がたたったのだろう。息子が3歳の時、交通事故で亡くなった。

残っていた連絡先から当主に伝わり、自分の子だと国まで引き取りに行った。

だが、愛する人が死んだことが受け入れられず。同じ金髪の息子を避けているらしい。

それがばあちゃんから聞いた話。
なんでそんなことを知っているのかと聞いたら、病気で亡くなった奥さんは趣味友だったから、その後の蜂須賀家を少しだけ見守っていたと教えてくれた。

蜂須賀家は愛に飢えている。
自分の側にいてくれさえすれば、愛する人を守れると思っているらしい。

上の兄弟も、だいぶえげつない方法で婚約者や恋人を捕まえたと聞いた。
長男はストーカー被害に遭っていたモデル。
次男は自社契約している漫画家のために、記者から担当編集者にまでなったらしい。

自分だけを見てくれる愛しい人なんて言って公言しているが、実際のところは知らない。

……闇を感じるのは俺だけじゃないはず。


再起不能に振って欲しいけど、兄さんが満更でもないなら邪魔しないほうがいいよな?

「でもなーー!!」

なんか目がギラギラしてるっていうか、本当に兄さんを任せても大丈夫なのか…

泊まりの時、土産物と一緒に渡された手紙の内容。
兄さんに惚れた経緯、今後兄さんのためにすること、義兄になるメリットが書かれていた。

最後に、邪魔したら弟だとしても覚悟しろと暗に匂わせて……字が綺麗だった。

……兄さんが幸せならいっか。
別に我が身かわいさだと思われてもいい。

完璧御曹司より蜂須賀さんを敵に回した方が怖いと思うし。うん。寝よう。
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